焼き物の着物(色彩)10 無彩色9(弥生式土器5)
4) 弥生土器の壷と甕(甕棺)に付いて。 ? 甕棺(かめかん)に付いて。 ?) 北九州を中心にして、盛んに行われ埋葬方法に、甕を使う方法があります。 甕棺は縄文時代にも見られますが、乳幼児や子供の埋葬に限定的に利用されていました。 子供を埋葬するのに土器を利用するのは、世界的な傾向の様です。...
View Article焼き物の着物(色彩)11 無彩色10(土師器1)
土師器(はじき)とは、古墳時代に登場する焼き物です。 弥生式土器の流れを汲む焼き物で、弥生式土器から徐々に移行して行きます。 それ故、土師器の始まりは色々説があり、必ずしも明確ではありません。 終焉時期も人により色々な説がありますが、奈良、平安時代にも祭祀用の器として使われています。 より強く焼き締まった須恵器や施釉陶器と入れ替わる様にして衰退して行きます。 1) 土師器の特徴。...
View Article焼き物の着物(色彩)12 無彩色11(土師器2)
2) 墨書(ぼくしょ)土器と線刻土器。 筆を使い墨で文字や絵などを描くのは、土師器を焼成した後に行われます。吸水性のある土師器 では可能な事です。 ? 墨書人面土器と墨書画。 壷、甕、皿などの胴体(側面)に描かれたものが多いです。 耳を除く輪郭、眉、目、鼻、口が勢いのある筆致で流暢(りゅうちょう)に描かれています。...
View Article焼き物の着物(色彩)13 無彩色12(埴輪1)
「埴輪(はにわ)」は、古墳の周囲から出土する男女の像や、馬や犬、鳥などの動物、家、倉等を 形取った土師器(はじき)の焼き物です。 1) 古墳時代とは、3世紀中頃から7世紀頃まで続いた、古墳が多く築かれた時代です。 日本列島が初めて国家としての纏まりを形成していった、激動の時代とも言えます。 前方後円墳の出現は、ヤマト(大和)王朝の成立を表すと考えられています。...
View Article焼き物の着物(色彩)14 無彩色13(埴輪2)
3) 「埴輪」に付いて。 埴輪の語源は、円筒形(輪)の土器を墳丘の周囲に輪の様に置いた事に由来すると言う説が あります。即ち、「埴(はに)」は土に植えると書きます。 又、「埴(はに)」は、赤や黄色のきめ細かい粘土の事を指すと言う説もあります。 いずれも、決定的な説では無い様です。 ? 埴輪の発生...
View Article焼き物の着物(色彩)15 無彩色14(埴輪3)
? 埴輪の種類: ?) 家や器材の埴輪 ?) 人物や動物の埴輪。 尚、?)と?)を合わせて「形象埴輪」と言う事もあります。 形象埴輪からは、古墳時代当時の衣服・髪型・武具・農具・建築様式などを知る事ができます。 ?) 家や器財の埴輪: 前回の続きです。 c) 家形埴輪: 円筒埴輪や盾や太刀などの武具に守られた内側に、家形埴輪が置かれて います。...
View Article焼き物の着物(色彩)16 無彩色15(埴輪4)
? 埴輪の種類: 前回の続きです。 ?) 人物や動物の埴輪。 古墳時代の5世紀中頃から、巫女(みこ)などの人物埴輪や馬や犬などの動物埴輪が登場します 人物埴輪や動物埴輪などは、行列した状態や一塊の像として並べられており、葬送儀礼を表現 したとする説と、生前の祭礼の様子を再現したとする説などがあります。...
View Article焼き物の着物(色彩)17 無彩色16(埴輪5)
? 埴輪の種類: 前回の続きです。 ?) 人物や動物の埴輪。 e) 動物埴輪に付いて。 5世紀初頭〜中頃に、動物を象(かたど)った埴輪が登場します。 動物の種類は、水鳥、鶏、馬、猪、鹿、犬などが多く、稀に牛、魚、鷹などが出土します。 特に、水鳥と鶏(にわとり)が多く、大阪府の応神陵では、多数の水鳥が墳頂部から出土して います。...
View Article焼き物の着物(色彩)18 無彩色17(埴輪6)
? 埴輪の作り方。 ?) 埴輪は、粘土の紐を積み上げながら成形する方法で、型による方法ではありません。 基本的には中空に仕上げられています。これは土偶などとは大きな違いです。 中空にする事で、埴輪の重さを軽くし、大きな埴輪を作る事も可能に成ります。 又、中空にする事で、作品の乾燥を早め短い期間で、埴輪を作る事が出来る様にもなります。...
View Article焼き物の着物(色彩)19 無彩色18(埴輪7)
? 埴輪の作り方。 ?) 埴輪の表情と衣装。 大型化した埴輪は、葬送の行列を再現したもので、その様子を長く墳丘内に留め、更には一定 期間人に見せる為に制作され、並べられた物と言われています。 各種の埴輪の中でも、一番魅力的なのは人物埴輪です。その表情や衣装からは当時の生活 様式や、暮らし振りが判明します。 a)...
View Article焼き物の着物(色彩)20 無彩色19(須恵器1)
須恵器(すえき)は、5世紀頃に朝鮮半島を経由して、我が国へ伝わった新たな焼き物です。 5世紀中頃から生産され、主に古墳時代〜平安時代に使用されていました。 5〜7世紀の須恵器は葬送の為に使用され、主に古墳から出土しますが、時代が下るに従い 一般庶民の日用雑器として定着して行きます。 須恵器の語源は、古来「陶器」を「須恵毛能(すえもの)」と呼んだ事に由来するとの事です。 1) 須恵器の起源...
View Article焼き物の着物(色彩)21 無彩色20(須恵器2)
4) 須恵器を作る環境。 ? 須恵器の生産には、高温に耐える粘土と燃料の薪(まき)が多量に必要になります。 ?) 従来の土器制作では、極端な話加工し易い粘土質であれば、余り土質を選ぶ必要も無く、 手近な土を利用すれば良かったのですが、須恵器の様に1000℃以上の高温(?)で焼成する となると、土質を選ぶ必要があります。 ?) 海成粘土と水性粘土。...
View Article焼き物の着物(色彩)22 無彩色21(須恵器3)
4) 須恵器を作る環境。 ? 窯は半地下式の窖窯(あながま)が使われています。(前回の続きです。) ?) 窯の構造。 ?) 燃料に付いて。 燃料は薪が使われていますが、須恵器を焼き始めの頃は、広葉樹林帯の樫(かし)や椎 (しい)の木で焼成していた様です。現在では、攻焚き(せめたき)で脂を多く含む、赤松を...
View Article焼き物の着物(色彩)23 無彩色22(須恵器4)
4) 須恵器を作る環境。 ? 轆轤(ろくろ)に付いて。 須恵器制作の特徴として、轆轤の使用が挙げられます。 埼玉県の入間郡三芳町新開遺跡から、須恵器の工房跡が発掘され、回転台(轆轤)の 軸芯棒を埋め込んだと思われる穴(ピット)が発見されます。 ?) 轆轤の使い方は現在と異なります。...
View Article焼き物の着物(色彩)24 無彩色23(須恵器5)
5) 須恵器の種類。 須恵器の種類は、古墳の副葬品などに利用された、供献(きょうけん)用と日常的に利用する 食器類とに分けられます。 ? 供献用の須恵器。 これらに属する須恵器には、実用的とは思われない、特異な形の物も多いです。 ?) 脚付装飾壷、脚付有蓋壷: 6世紀(特に後半)の古墳から出土する事が多いです。...
View Article焼き物の着物(色彩)25 無彩色24(須恵器6)
5) 須恵器の種類。 須恵器の種類は、古墳の副葬品などに利用された、供献(きょうけん)用と日常的に利用する 食器類とに分けられます。 ? 供献用の須恵器。 ? 日常的に使う須恵器の種類。 須恵器の生産は朝鮮半島からの渡来人によって、畿内政権と関連し、その近辺の陶邑 (すえむら)窯で開始され、大量に生産される様になります。やがて6〜7世紀に成ると、地方の...
View Article焼き物の着物(色彩)26 無彩色25(須恵器7)
5) 須恵器の種類。 ? 日常的に使う須恵器の種類。 8世紀の奈良平城京から出土する食器類は、土師器が圧倒的に多く、須恵器は1〜2割程度と 言われています。食器の値段に余り差が無いにも関わらず、土師器の方が多く用いられている 理由ははっきりしていません。土師器の方が、使い勝手が良いのでは?と言う意見もあります。 奈良での食器類は、須恵器と土師器が共存していた様です。...
View Article焼き物の着物(色彩)26 奈良三彩と緑釉 1
奈良の正倉院に納められている、白、赤褐色(黄色)、緑色の三色で塗られた陶器を奈良三彩 (ならさんさい)と呼びます。 この三彩以外に、白と赤褐色、白と緑、赤褐と緑二色の組み合わせの 二彩の作品もあります。更に、緑色のみの緑釉陶器も存在します。これらは我が国初の施釉陶器に 成ります。尚、奈良三彩は正倉院の器物が著名ですが、その他の場所でも出土しています。 1) 三彩の起源。 ?)...
View Article焼き物の着物(色彩)27 奈良三彩と緑釉 2
我が国で最初に登場する、意識して色を付けてた焼き物が奈良三彩です。この事は無彩色の焼き物 しか無かった我が国では、革命的で画期的な事柄です。 3) 奈良三彩と緑釉の技法。 ? 素地は唐三彩や渤海三彩と違い、小砂を含むザックリした土で、一見蛙目(がいろめ)風の 土です。土は、大阪府の北東部、生駒山系の北端の肩野(交野、かたの)付近から採取した...
View Article焼き物の着物(色彩)28 奈良三彩と緑釉 3
3) 奈良三彩と緑釉の技法。 ? 釉に付いて。前回の続きです。 ?) 基礎釉の製作。 ?) 色釉を作る。 ?) 施釉方法。 施釉は、素焼き後に行う場合と、素焼きをせずに行う方法があります。 正倉院の三彩は、素焼き後に施釉したのではないかと言われています。 a) 素焼きの温度は、本焼きの温度より50〜100℃程度高い温度で、行った可能性が...
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