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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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焼き物の着物(色彩)15 無彩色14(埴輪3)

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? 埴輪の種類: 

  ?) 家や器材の埴輪

  ?) 人物や動物の埴輪。

    尚、?)と?)を合わせて「形象埴輪」と言う事もあります。    

    形象埴輪からは、古墳時代当時の衣服・髪型・武具・農具・建築様式などを知る事ができます。

  ?) 家や器財の埴輪: 前回の続きです。

   c) 家形埴輪: 円筒埴輪や盾や太刀などの武具に守られた内側に、家形埴輪が置かれて

     います。 この家は死者の霊魂が住む場所として、提供されていると見るのが妥当です。

     家の屋根に多数の小孔があり、常緑樹の枝を挿す為のものと言われています。

     即ち、常緑樹の小枝には、神霊や霊魂が寄り付く目印になり、死者の霊を招く働きがあると

     考えられています。

   イ) 形象埴輪の中でも、家形埴輪は最初に出現する埴輪です。

      古墳の埋葬施設の真上に置かれ、初期の頃は大型な埴輪が一個で有ったものが、次第に

      数を増す様になります。数多く置く事でより完全に魂を呼ぶ事が出来ると、考えた結果では

      ないかと言われています。古墳によっては10個以上配置された物もあります。

   ロ) 群馬県赤堀村茶臼山古墳は、5世紀中期の古墳ですが、注目すべき家形埴輪が出土し

     ます。 切妻造の家が3軒、倉が4軒、納屋が1軒の計8軒が出土します。

     切妻造の家には、丹彩の痕跡が認められます。丹(に、又はたん)は単に装飾的意味の他に

     邪霊を防ぐ色で、呪力があると考えられ、埋葬や祭りの際に多く使われいます。

      注: 丹とは縄文、弥生、古墳時代に使われた赤色顔料で、主に酸化鉄(べんがら)や水銀朱

        (硫化水銀、辰砂)ですが、古墳時代になると水銀朱が多く使われます。

     この家々で、一つの屋敷を構成する配置になっています。即ち切妻の母屋を一番奥に置き、

     その左右に副家を、納屋を母屋の裏側にし、倉は母屋と副家の側面に配置されていました。

     これらは、埋葬された豪族の屋敷を再現したものと、言われています。     

   ハ) 家形埴輪の大きさは、意外と大きく50cm以上の高さの物も珍しくありません。

      奈良県石見遺跡からは、高さが115cmの物も出土しています。

      家の構造も、切妻造、入母屋(いりもや)造、四注造(しちゅうつくり)などがあります。

      切妻や入母屋は現在の家の形に似ています。四注造は、寄棟造とも呼ばれ、上から見ると

      真四角形で、屋根が四方に延びた形をしています。

   ニ) 家形埴輪の衰退。

      5世紀中期頃から、埋葬方法に大きな変化が現れます。即ち、竪穴式から横穴式石室へと

      推移して行きます。この変化は葬送葬礼の場所が変わる事に成ります。

      竪穴式では墳丘部や墳丘外で行われていた物が、石室入り口近くに移動する事に成ります

      更に、石室の形や石棺が家形をとる様になると、家形埴輪はこれらに吸収され、やがて

      消滅していきます。

   d) 椅子や高坏(たかつき)などの器財埴輪。

      家形埴輪の傍には、霊魂を招き寄せる為の食物献供がなされます。その為、豪華な高坏や

      大きな(幅67cm)椅子が置かれたものと思われます。

   ?) 人物や動物の埴輪。

以下次回に続きます。


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