騙しのテクニック45 贋作ではないが偽物1
世の中には、本物として作られた物が、いつしか偽者と成ってしまった焼き物も多いです。 即ち流通過程で、産地や名前(名称)が変わってしまった場合で、誤認の場合と、意図的に変更する 場合があります。多くの場合、より経済的に高価の方に変わる事が多く、稀にその逆もあります。 特に、世に知られていない窯場の作品の場合、同じ様な土や釉を使う事で、それに類似した著名な...
View Article騙しのテクニック46 贋作ではないが偽物2
外国で作られた作品が、我が国の窯場で作られた物として、流通している物があります。 その様な例として、以下の焼き物があります。 1) 南蛮焼締陶が、古備前の名前で流通する。 ? 中国南部やタイ等の東南アジア各地を「南蛮」と呼び、焼き物を「南蛮焼」と呼ぶ事があり ます。この地方では、各時代を通して、無釉の焼締陶が焼かれています。...
View Article騙しのテクニック47 贋作ではないが偽物3
古陶磁器を、補修や修復して、元の状態にする(又は近付ける)事は実際に多く行われています。 修復や補修してある事が一目見て明らかな場合には、流通過程で経済価値が正当に評価され、 それなりに低くなりますので、さほど問題ではありませんが、巧妙な修復や補修がなされた場合、 売る側がその説明無く高値で売買するとなると、その作品は本物ですが、完品と騙す事になります ので、ある意味偽物といえます。 1)...
View Article騙しのテクニック48 贋作ではないが偽物4
3) 補修された物かどうかを知る(見分ける)には、補修方法を知る必要があります。 ? 「共色直し(共継ぎ)」の修復。前回の続きです。 この技法は西洋(英国)から伝わった技術です。化学パテや塗料、レジンなどを使うので、 熱や水に弱く、食器として使うことは出来ません。主に観賞用の焼き物に使用します。 ?) 共色で補彩を施す。 a)...
View Article騙しのテクニック49 海外の贋作事情
古陶磁は中国、香港、台湾、韓国、タイ、フィリッピンなど多くの国で売買されています。 中でも、中国の古陶磁は古美術市場の主流に成っています。その為中国の贋作は各時代の各々の窯 の物があります。その他の国々でも、それぞれの贋作が作られて、売買されています。 現代では、古陶磁の人気が強く、興味を持つ方も多くなり需要も増している為、偽物が出回る環境が 出来ていると言われています。 1)...
View Article騙しのテクニック50 まとめ
1) 骨董趣味は昔は、一部の古陶磁愛好家や、金持ち、道楽者が手を出す世界でした。 現在では、普通の会社員や、一般的な主婦、若者の愛好家等の人々が、実用的に日常使用し、 生活に潤いを増す為に、比較的安価な陶磁を購入する様になりました。 主に、幕末頃の伊万里焼、明治の銅版印刷による染付け磁器、瀬戸の石皿や馬の目皿、各窯の...
View Article電動轆轤(ろくろ)入門1 始めに
陶芸を楽しむには、必ずしも電動轆轤を使う必要はありません。実際電動轆轤以外の方法で、作品を 作っている方は大勢います。手ひねり(捻り)による成形は、電動轆轤に無い温か味の有る個性的な 作品を作る事が出来るからです。 一方電動轆轤に魅力を感じる人が方も多く、現在も電動轆轤で作品を作っている人も多いです。 しかしながら、電動轆轤は中々上達しないのも事実で、完全に自分一人で成形出来るまでには、...
View Article質問11 釉薬調合に関する質問
流彩様より以下の質問を頂戴しましたので、私なりの回答をいたします。 釉薬調合に関する質問 (流彩) : 2014-08-17 タタラ作りとろくろで主に盆栽鉢を作っています。 灯油窯で 1230度〜1240度あたりで焼成しているのですが、訳あって日本陶料一号釉が20kg手元に あります。 色々な材料を添加して1230度〜1240度で焼成できる釉薬を多種類作りたいとおもっています。...
View Article電動轆轤入門 2 轆轤で出来る事、出来ない事
電動轆轤は作品を成形する際には、便利な機械ですが、万能ではありません。 轆轤は常に回転させて使いますので、作品の形は基本的には円形(円筒形)となります。 即ち、轆轤作業だけで、楕円形は作れません。更に皿などの縁を波型にする事も出来ませんし、 コーヒーカップも把手は、別に作ったパーツを後で接着する事になります。 勿論、轆轤を停止させて、後から変形させて形にする事は可能です。...
View Article電動轆轤入門 3 轆轤作業前の予備知識 1
轆轤作業に入る前に、知っておいた方が良い知識があります。初心者の為に一通り説明します。 1) 粘土と磁土。 轆轤作業で使う土は、大きく分けて粘土と磁土に分かれますが、磁器を焼く人の割合は極僅かで ほとんどの方は、粘土で作っています。 土には轆轤挽きのし易い土と、轆轤挽きがし難い土があります。 磁土は、轆轤挽きが大変難しいです。粘土ほどの粘り気がありません。...
View Article電動轆轤入門 4 轆轤作業前の予備知識 2
3) 轆轤作業に必要な用具類。(前回の続きです。) 轆轤作業で使う用具は次の様な物です。用具は轆轤の近くに、出来るだけ整然と並べて置きます ? 水と水を入れる器。材質は問いません。 手を濡らす事が目的ですので、片手がすっぽり入る程度の、径と深さが必要です。 水は綺麗な水である必要はありません。但し、色の付いた水の場合、その色が粘土に付く...
View Article電動轆轤入門 5 轆轤作業前の予備知識 3
4) 底削りに必要な用具。 ? 轆轤作業は轆轤挽きするだけで無く、轆轤挽きした作品を適度に乾燥させた後、底を削り 高台を削り出すのが一般的です。勿論、高台を馬上坏の様に高くする場合には、付け高台に します。天地を逆にして底裏に新たな土を貼り付け、更に轆轤挽きして、高い高台を作る事も あります。 又、高台のみでなく、高台脇にもたっぷり贅肉が着いていますので、削り取り...
View Article電動轆轤入門 6 轆轤作業の障害事項 1
轆轤作業を行う上で「障害に成る物」がいくつか有ります。 一つは製作者自身の問題で、二つ目は土に由来する障害で、三番目には、その他の障害があります。 1) 人的な問題。製作者自身の何らかの理由で、轆轤挽きが上手く行かない場合です。 ? 怪我をした指では轆轤作業は上手くいきません。 轆轤作業は、特に指先を使い、その感覚(触覚)が大切です。傷付いた指に「絆創膏」を貼る...
View Article電動轆轤入門 7 轆轤作業の障害事項 2
2) 土の問題。 轆轤挽きする際、上手くいかず失敗する大きな要因に、土に問題がある場合が多いです。 市販の土であっても、長期間放置していれば、乾燥がどんどん進み、轆轤挽きは困難な硬さに なって仕舞います。ご自分で採取した土の場合、木片、枯葉、砂、小石などを多く含んでいる為 これらを取り除く必要があります。又、再生土を使う場合にも、注意が必要です。 ? 轆轤挽きする際の土の硬さ。...
View Article電動轆轤入門 8 轆轤作業の障害事項 3
2) 土の問題。 ? 異物の混入が有ると、轆轤挽きは困難になります。 ?) 硬さの異なる土が混入している場合。 ?) 土に異物が混入している場合。 ここで言う異物とは、空気や粘土類とは異なる他の物で、小石や砂、木片、枯葉、スポンジ の屑、髪の毛、糸くず等の事で、場合によっては皮などの場合もあります。 a)...
View Article電動轆轤入門 9 土の中の空気を抜く
2) 土の問題。(前回の続きです。) ? 轆轤挽きで、障害が出る頻度が多いのが、空気の混入です。一番大きな問題になります。 轆轤挽きする際、土を練って空気を抜く事が大切です。一般に菊練の方法で空気を抜きます。 ?) 空気を抜く理由。 a) 轆轤挽きの際、空気が邪魔をし、土が部分的に伸ません。 即ち、閉じ込められた空気は、変形したとしても、逃げ場がありませんので、肉厚を薄く...
View Article電動轆轤入門 10 土を練る(菊練)
土(粘土)の中の空気を抜く代表的な方法に、菊練があります。 1) 菊練を行う量。 一般に1〜2Kg程度が最適です。勿論一度に5Kg以上練る事の出来る人も大勢いますが、相当 体力が要ります。逆に0.3〜0.5Kg程度の少量を菊練する事も可能です。 但しそれ以下になると、菊練する事は困難です。 2) 左右どちらの手を主に使うか。 ?...
View Article電動轆轤入門 11 水挽き 1(始めに)
電動轆轤の場合は、手ひねりに比べて、水を大量に使って作る方法で、「水挽き(みずびき)」 と言われています。 1) 水を使う理由。(冬場ではお湯を使います。) ? 轆轤上では作品の材料と成る粘土類は、常に回転している状態です。これを自分の意のままに 変形させて形に仕上げます。 その故、手(掌)や指は常に土に触れています。手や指に水を付けて、土の表面をスムーズに...
View Article電動轆轤入門 12 水挽き 2 力の強弱
電動轆轤で作品を作る際、製作者自身の力と、電動轆轤の力の協力で仕上げる事になります。 意識としては、自分の力だけで作ったと思われ勝ちですが、(電動)轆轤の力を上手に借りなければ 作品になりません。 1) 電動轆轤の力とは。 電動轆轤の力とは、回転力と遠心力の二つです。回転力は綺麗な円形の作品を作るのに欠かせま せん。逆に言うと円形の物しか作れません。 ?...
View Article電動轆轤入門 13 水挽き 3 土殺し1
轆轤技術を習得する前提として、土練と土殺しは避けて通れない道ですので、確実に物にする必要が あります。 1) 土練の済んだ土を轆轤に据える。 轆轤に直接据える場合と、亀板を使いその上に据える場合があります。 ? 轆轤に直接据える場合。 ?) 電動轆轤の天板(ターンテーブル)は、アルミ合金で出来ていますので、天板に水を...
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