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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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電動轆轤入門 2 轆轤で出来る事、出来ない事

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電動轆轤は作品を成形する際には、便利な機械ですが、万能ではありません。

轆轤は常に回転させて使いますので、作品の形は基本的には円形(円筒形)となります。

即ち、轆轤作業だけで、楕円形は作れません。更に皿などの縁を波型にする事も出来ませんし、

コーヒーカップも把手は、別に作ったパーツを後で接着する事になります。

勿論、轆轤を停止させて、後から変形させて形にする事は可能です。

更に、べた高台は別にして、輪高台や碁笥底高台も、本体が乾燥後にカンナで削ると言う別の作業に

なります。

1) 轆轤で出来る事。

 ? 轆轤で出来る事は次の三点のみです。

  即ち、直径を大きくする事、直径を小さくする事、更に土を上方に薄く伸ばす事です。

  この組み合わせで作品の形が決ります。

  ?) 手捻りでは不可能と思える程、綺麗な円形の作品を作る事ができます。

  ?) 土を上に伸ばす際、肉厚を薄くする事が可能です。手捻りの場合は、やや厚目に作り

    ある程度乾燥した後に、カンナで削って薄くする方法を取りますが、轆轤では成形中に

    肉厚を薄くする事が出来ます。勿論、轆轤にある程度慣れた方の場合で、初心者の場合では

    どうしても肉厚に成り易いです。

 ? 上記の応用として、轆轤目を付けたり、円周上に引っ掻き傷を付けたり、一部を凸状の帯を

   付けたり、逆に凹状の溝を設ける事が出来ます。

 ? 轆轤作業で出来る事で大切な特徴は、作品成形に時間が掛からない事です。

   勿論、急須作りの様に手の込んだ作品は、それなりに時間が掛かりますが、一般には短時間に

   成形できます。

   更に、同じ形、同じ大きさの作品を数多く作る事が可能な事です。勿論、鋳込みの技法を

   使えば全く同じ物を数多く作る事は可能です。

 ?  削り作業も轆轤上で行います。

  ?) 底削りは本体が適度に乾燥させた後に、天地を逆にして(ひっくり返して)カンナ等を

    使って高台脇や高台、高台内を削ります。

  ?) 飛カンナ(鉋)と言う技法があります。これはバネ性のあるカンナで表面を削る事で、

    点線状の削り痕を残し、模様とする物です。

2) 轆轤が苦手な作業。

 ? 上記で述べた様に、楕円形を作るのは苦手な作業です。

  勿論、円形に轆轤挽きした後、底の一部を縦方向に裂き、長手方向に底を押し付ける事で、

  楕円形にする方法があります。その他にも幾つか方法がありますが、手間が掛かるのは確かです

  円形以外の形にするのは面倒な事で、特に不定形など特殊な特徴の作品を作るのが難しいです。

 ? 背の高い作品を作るのは苦手です。高さが出来上がりで30cm以上の作品を作るのは、

   至難の業せす。(成形時には35cm程度無ければなりません)

   その為、胴継の方法を取ります。下段の乾燥後に上段を積み上げる方法で、背を高くするのが

   一般的な方法です。

 ? 轆轤挽き直後は土が水分を吸って軟らかく、高台脇部分以外では持つ事が出来ません。

   又、轆轤から取り上げる際、作品が歪む事があります。

 ? 轆轤で失敗すると一瞬で作品が壊れます。又、失敗した場合初心者では、修正するのが

   困難で、最初から作り直した方が、綺麗で早く出来る事が多いです。

 ? 轆轤作業中に、土がねじ切れたりした場合、取れた部分を本体側にくっ付ける事は困難です。

 ? 轆轤挽きした直後は、不注意で作品に触ると変形します。即ち、数時間〜十数時間たち

   作品がある程度乾燥しないと、次の作業に取り掛かれません。その為その日の内に、作品が

   完成しない事も欠点といえます。それ故、轆轤体験などでは、底削りまで行う事は少ないです

   但し、ドライヤーなどで、半強制的に乾燥させて、削り作業に移行させる事も出来ます。

   又、手捻りならば、土を加えたり、くっ付ける事も可能ですが、轆轤挽きでは乾燥後か、

   表面のヌメリ(水分)を取り除かないと、くっ付ける事は出来ません。

以下次回に続きます。

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