素朴な疑問 69 陶磁器の表面装飾方法 11
7) 絵付けによる装飾。 絵付けには、生の状態、素焼き後、本焼き後に行う方法があります。 生の状態の場合、絵の具を使う事もありますが、多くは泥漿した色土や鉄を含んだ鬼板などで、 筆やイッチン技法などで、描く事が多いです。 素焼き後に行う絵付けの事を、下絵付けと呼びます。即ち釉を上に掛けますので、釉の下の絵と...
View Article素朴な疑問 70 陶磁器の表面装飾方法 12
7) 絵付けによる装飾。 ① 下絵付け(前回の続き) ) 釉裏紅、釉裏五(三)彩。 酸化銅を含む絵の具で描いて赤を出す方法を釉裏紅(ゆうちこう)と呼びます。 銅は還元が掛かると赤色に発色すつ事を利用した方法です。 釉裏五彩とは染付けの藍と釉裏紅の赤の他、緑や黄色、茶色(褐色)などの鉄の色が使われ ています。...
View Article素朴な疑問 71 陶磁器の表面装飾方法 13
8) 釉による装飾 釉は作品の機械的強度や汚れ、薬品などから守る働きがありますが、装飾の働きも備えています 即ち、素地とは異なる色を身に纏う(まとう)事で、その美しさを表現しています。 釉の掛け方や、掛ける際の細工の仕方によって、色々な装飾を行う事が出来ます。 ① 釉の色と種類。 釉の色の種類は無限と言って良い程存在します。何故なら、釉はご自分で調合する事が可能で、...
View Article素朴な疑問 72 陶磁器の表面装飾方法 14
8) 釉による装飾 ② 釉による装飾の仕方の例。 ) 単色による装飾。 a) 黒なら黒、白なら白一色の釉で装飾する方法です。均一の濃度の釉を掛ける事が多いです が、場合によっては、濃淡を付ける場合もあります。良く聞かれる事ですが、グラデー ションを付けたいと思われる方もいますが、かなりの難問です。段階的に濃度を変えて...
View Article素朴な疑問 73 陶磁器の表面装飾方法 15
8) 釉による装飾 ② 釉による装飾の仕方の例。 ) 単色による装飾。 ) 多色塗り。 各々の釉は、決められた濃度でその色を単独で使い、所定の温度範囲で指定の色や艶、 結晶が出る様に調整されています。基本的には、釉同士を混ぜる事はしません。 混ぜるとその中間色が出るとは限りません。むしろ、予想もしなかった色に成る事も多い...
View Article素朴な疑問 74 陶磁器の表面装飾方法 16
8) 釉による装飾 ② 釉による装飾の仕方の例。 ) 多色塗り。(前回の続き) c) 重ね塗りの方法。 イ) 釉を重ねて塗る方法にも、色々なやり方が存在します。更に、釉を重ねる場合、 どちらを下に(先に)塗るかによって、重ね合わせた部分の発色が異なります。即ち、 透明系の釉や明かり色を先に掛け、後から黒っぽい釉を塗ると、後から掛けた釉の色が...
View Article素朴な疑問 75 窯を開けるまで解からな?1
陶芸の世界では、作品の価値は、「焼きの良し悪しで決る」と言われています。 「焼き」とは単に、焼成温度のみを意味していません。釉の熔け具合や発色の仕方であり、結晶釉 では、結晶の大きさや出具合であり、焼き締め陶器では、その肌や胡麻(ごま)と呼ばれる、薪 (まき)の灰の掛り具合による景色も評価の対象になります。しかし、普通これらは、必ずしも...
View Article素朴な疑問 76 窯を開けるまで解からない?2
窯を開けるまで解からない理由は、窯の中の状態がしっかり見えない事も一つの原因です。但し、 釉の熔け具合は、釉の光沢やテストピースを入れ引き出す事で判断できますが、どの様な色に成って いるかまでは明確に判断できません。当然、窯が冷えるに従いガラス質は固まり、結晶などが成長し 色も固定されますが、この段階で窯を開ける事は出来ません(無理に開けると、作品が壊れます)。...
View Article素朴な疑問 77 窯を開けるまで解からない?3
2) 釉及び施釉に関する事項。(前回の続きです) ② 窯詰めに関する事項。窯詰めは、焼成する事と同様に大切な作業です。 この窯詰め如何(いかん)によって、焼き物の良し悪しが決るとも言われる程です。 又、窯詰めの方法を変化させると、当然焼き上がりにも変化します。 作品が良く焼き上がる為には、窯の所定の位置(良く焼ける位置)に置く事と、その作品の...
View Article素朴な疑問 78 窯を開けるまで解からない?4
2) 釉及び施釉に関する事項。(前回の続きです) ② 窯詰めに関する事項。 ) 窯詰めの実際。 a) 窯の構造。 窯には、横扉方と上扉方式があります。更に、横扉方式には、「シャトル」方式があります これは、「シャトル」と呼ばれる台車を窯の外に引き出し、窯詰めを窯の外で行える方法で 横や上からだけでなく、左右、前後、真上からも、窯詰めが出来る構造になっている為、...
View Article素朴な疑問 79 窯を開けるまで解からない?5
3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。 ① 陶芸用の窯には、燃料の違いによって、薪(まき)窯、ガス窯(都市ガス、プロパン、 ブタンガス)、灯油窯、電気窯などがあります。いずれも1300℃位の高温で焼成可能の物です 登り窯は特別な場合に使用しますが、一般的には薪窯と言えば、 窖窯(あながま)などを指し...
View Article素朴な疑問 80 窯を開けるまで解からない?6
3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。 ⑧ 焼成方法。 陶芸の窯焚きには、素焼き、楽焼、本焼き、上絵付け焼きがあります。各々窯の焚き方に 違いがありますが、ここでは、主に本焼きに付いて説明します。 ) 本焼きは、陶器の場合は、主に1230℃を中心にして1200~1250℃で焼成します。...
View Article素朴な疑問 81 窯を開けるまで解からない?7
3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。 ⑧ 焼成方法。(前回の続きです。) ) 温度が上昇する条件。 バーナーに点火したり、電気のスイッチをONにすると窯の温度はどんどん上がります。 しかし、そのままですと、上昇はどんどん鈍り、ある温度になると完全に停止してしまい ます。この場合は、燃料や電気量の不足が主な原因ですので、徐々にそれらを増やせば、...
View Article質問 14 掛け花入の位置
田中様より以下の質問をお受けしましたので、私なりの考えを述べたいと思います。 掛け花入の位置 正面に柱がある床の間にですが、正面柱にお軸ではなく、掛け花を掛けたいと思っています。 その場合の位置ですが、正面に座った状況で感覚的に位置を見たところ、最初はとこ床から124センチ でしたが、少し離れたり全体のバランスをみると137センチの高さになりました。...
View Article素朴な疑問 82 窯を開けるまで解からない?8
3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。 ⑧ 焼成方法。(前回の続きです。) ) 温度が上昇する条件。 a) 上昇しない原因を探る。 ホ) 攻め焚きとは。 酸化や還元焼成に入ると、燃料(電気量)を増やしたり、空気の供給量を増やす必要が 起こります。この際の窯焚きを「攻め焚き」と言います。この炊き方で、釉の色が決定...
View Article素朴な疑問 83 窯を開けるまで解からない?9
3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。 ⑨ 窯出し。 一般に窯は、特別な場合を除き、自然冷却するのが普通です。 外気温と完全に一致するまで、冷却するには相当長い時間が掛ります。但し、そうする利点は ほとんど有りません。尚、冷える速度は窯の容量と、壁の厚さに関係し、外気温は僅かです。 逆に扉を開けるのが、早過ぎる場合には問題が発生します。 a)...
View Article素朴な疑問 84 窯を開けるまで解からない?10
3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。 ⑩ 窯出し後の処置。 作品を窯から出せば、作品が完成と言う訳ではありません。所定の処置が必要です。 ) 作品の状態を確認する。 a) 割れやひび、作品同士のくっ付きがないかを確認します。 イ) 特に窯入れ前には、無傷であったものが、割れやひびの入った状態で焼き上がる事も...
View Article素朴な疑問 85 窯を開けるまで解からない?11
4) その他の事項(天候、季節、記録)など。 ① 本焼き後の窯の熱を有効に使う。 窯出し直後であっても、窯の中では4~50℃の熱を持っている場合があります。特に容積の 大きい窯では、中々外気温まで冷えません。一般に本焼きの次は素焼きの番ですので、成形 されている作品があれば、窯の中に入れる事で、乾燥させる事が出来ます。即ち廃熱利用です。 ②...
View Article素朴な疑問 86 窯の調整の仕方は?1
陶芸(焼き物)にとって窯は命とも言えます。 現在では、燃料や容積の違い等色々な窯が存在し、好みの出来合いが市販されています。 それを自分の工房などに持ち込み、作品を焼成するのは、極く普通に行われています。 自分の望む焼き物を焼く為に、数種類の窯を持つ人や、場合によっては、窯を改良したり、作り代 える事もあります。又、小さな電気窯であれば、移動可能ですが、一般には重量もかなりあり、...
View Article素朴な疑問 87 窯の調整の仕方は?2
1) 窯の調整機能とは?(どんな事が調整できるのか?)前回の続きです。 ③ 酸化、還元用の調整。 ) 電気窯は、基本的には酸化焼成です。但し、還元装置を付けたり、木炭を利用して還元 焼成する事も出来ます。但し、電熱線を痛め寿命を短くする可能性が強いです。 a) 還元装置とは、窯の外部から、プロパンガス等の燃料を吹き込む事です。 当然、吹き込む穴が無ければなりません。...
View Article