3) 焼成方法や焼成温度、焼成雰囲気に関する事項。
⑧ 焼成方法。(前回の続きです。)
) 温度が上昇する条件。
a) 上昇しない原因を探る。
ホ) 攻め焚きとは。
酸化や還元焼成に入ると、燃料(電気量)を増やしたり、空気の供給量を増やす必要が
起こります。この際の窯焚きを「攻め焚き」と言います。この炊き方で、釉の色が決定
されると考えても良いでしょう。一気に設定温度まで、昇温したい処ですが、中々思う
様にならず、苦労する処です。何度も話す様に、窯の中の雰囲気は熱量や空気量、廃熱量、
更には、作品の量(少な過ぎても温度は上昇し難いです)などが良いバランスの時に、
順調に温度上昇が起こります。
ヘ) 寝らし焼成とは。
設定した温度まで達したら、その温度を一定時間保持する事で、窯内の温度を均一にする
目的で行う作業を、「寝らし」と呼びます。但し、一定温度と言っても実際には、±数℃の
範囲内になります。 一般に酸化焼成で行います。
尚、前回お話した様に、陶器の場合には、1180℃以上では、窯内の雰囲気は釉の色に影響を
与える事は有りません。但し、強い還元焼成の場合には、不完全焼成ですので、炭素粒子が
残り釉を黒くする事に成りますので、炭素を取り除く為に酸化焼成するのが一般的な方法
です。「寝らし」時間は長い場合には1時間ほどの場合もあります。窯の温度も均一には、
窯の構造や大きさで時間も異なります。多くの場合10~30分程度が多い様です。
結晶釉の様に流れ易い釉の場合、時間が長過ぎると、作品の表面から棚板まで釉が流れ落ち
くっ付く場合がありますので、「寝らし」時間は短めにする方が安全です。
ト) 寝らし焼成の仕方。
「寝らし」は温度を一定に保つ事ですので、温度の上昇や降下は避けなければ成りなりま
せん。 燃料を使う窯では、燃料の供給量は一定に保ちます。更に前回お話した様に強酸化
焼成では、温度が上昇し難くなる現象を利用し、煙突の引きを強くします。
それでも温度が上昇する様ですと、燃料の供給量を若干少なくします。その際注意する事は
燃料を絞り過ぎるとたちまち温度が低下します。
チ) 焼成状態の確認。
窯の温度は熱電対温度計やゼーゲルコーンの倒れ方で判断しますが、確実な方法は窯の中に
呉須等で下絵を施し、更に透明釉を掛けた色見本を入れ、引き出す事で下絵が綺麗に発色し
ている事を確認する事です。小さな窯であれば1~2個で十分ですが、大きな窯では色見本
をあちこちに置いて、その焼け具合(絵が現れている)を観察する事に成ります。
リ) 冷ましも窯焚きの内。
所定の温度になり、適度の時間の「寝らし」後に直ぐに燃料(電気)をストップする事が
多いです。一般に黒い色の釉は急冷が良いと言われていまので、直ぐにストップします。
但し、結晶釉の場合は、徐冷する事で結晶が成長しますので、燃料を少しづつ減らしゆっくり
温度を下げる事です。釉の種類にもよりますが、1100℃程度まで徐冷すると良いと言われて
います。窯の壁の厚みや窯の構造の違いがありますので、冷却スピードも経験から割り
出して下さい。その後は完全に燃料を断ち冷却します。
以下次回に続きます。
⑧ 焼成方法。(前回の続きです。)
) 温度が上昇する条件。
a) 上昇しない原因を探る。
ホ) 攻め焚きとは。
酸化や還元焼成に入ると、燃料(電気量)を増やしたり、空気の供給量を増やす必要が
起こります。この際の窯焚きを「攻め焚き」と言います。この炊き方で、釉の色が決定
されると考えても良いでしょう。一気に設定温度まで、昇温したい処ですが、中々思う
様にならず、苦労する処です。何度も話す様に、窯の中の雰囲気は熱量や空気量、廃熱量、
更には、作品の量(少な過ぎても温度は上昇し難いです)などが良いバランスの時に、
順調に温度上昇が起こります。
ヘ) 寝らし焼成とは。
設定した温度まで達したら、その温度を一定時間保持する事で、窯内の温度を均一にする
目的で行う作業を、「寝らし」と呼びます。但し、一定温度と言っても実際には、±数℃の
範囲内になります。 一般に酸化焼成で行います。
尚、前回お話した様に、陶器の場合には、1180℃以上では、窯内の雰囲気は釉の色に影響を
与える事は有りません。但し、強い還元焼成の場合には、不完全焼成ですので、炭素粒子が
残り釉を黒くする事に成りますので、炭素を取り除く為に酸化焼成するのが一般的な方法
です。「寝らし」時間は長い場合には1時間ほどの場合もあります。窯の温度も均一には、
窯の構造や大きさで時間も異なります。多くの場合10~30分程度が多い様です。
結晶釉の様に流れ易い釉の場合、時間が長過ぎると、作品の表面から棚板まで釉が流れ落ち
くっ付く場合がありますので、「寝らし」時間は短めにする方が安全です。
ト) 寝らし焼成の仕方。
「寝らし」は温度を一定に保つ事ですので、温度の上昇や降下は避けなければ成りなりま
せん。 燃料を使う窯では、燃料の供給量は一定に保ちます。更に前回お話した様に強酸化
焼成では、温度が上昇し難くなる現象を利用し、煙突の引きを強くします。
それでも温度が上昇する様ですと、燃料の供給量を若干少なくします。その際注意する事は
燃料を絞り過ぎるとたちまち温度が低下します。
チ) 焼成状態の確認。
窯の温度は熱電対温度計やゼーゲルコーンの倒れ方で判断しますが、確実な方法は窯の中に
呉須等で下絵を施し、更に透明釉を掛けた色見本を入れ、引き出す事で下絵が綺麗に発色し
ている事を確認する事です。小さな窯であれば1~2個で十分ですが、大きな窯では色見本
をあちこちに置いて、その焼け具合(絵が現れている)を観察する事に成ります。
リ) 冷ましも窯焚きの内。
所定の温度になり、適度の時間の「寝らし」後に直ぐに燃料(電気)をストップする事が
多いです。一般に黒い色の釉は急冷が良いと言われていまので、直ぐにストップします。
但し、結晶釉の場合は、徐冷する事で結晶が成長しますので、燃料を少しづつ減らしゆっくり
温度を下げる事です。釉の種類にもよりますが、1100℃程度まで徐冷すると良いと言われて
います。窯の壁の厚みや窯の構造の違いがありますので、冷却スピードも経験から割り
出して下さい。その後は完全に燃料を断ち冷却します。
以下次回に続きます。