2) 釉及び施釉に関する事項。(前回の続きです)
② 窯詰めに関する事項。窯詰めは、焼成する事と同様に大切な作業です。
この窯詰め如何(いかん)によって、焼き物の良し悪しが決るとも言われる程です。
又、窯詰めの方法を変化させると、当然焼き上がりにも変化します。
作品が良く焼き上がる為には、窯の所定の位置(良く焼ける位置)に置く事と、その作品の
周囲の環境も大きく関係します。窯の容積が大きくなるに従い、その窯特有の場所取りの
問題が発生します。
) 窯には、各々の釉には、特等席的な場所が存在します。
この場所に置けば、良い確率で希望の発色が見られる場所です。当然、新規の窯では解かり
ませんが、窯焚きの回数が増えるに従い、経験的に自然と解かってきます。この特等席を
見出す事が安定的な作品を作り出す一つの「こつ」です。
この特等席の範囲が広い場合には、数個の作品を置く事が可能ですが、狭い場合には、
一個のみと言う事もあります。
) 窯詰めでは、必要な量の作品が施釉済みになってから、一度に窯詰めを行う方法と、
ある程度の量の施釉が済んだ段階で、順次窯詰めを行う方法があります。
窯の容積が小さい場合には、前者の方法を取りますが、容積が大きい場合には、後者の
方法を取る事が多いです。施釉の終わった作品は、触れただけで釉が簡単に剥がれ易く、
「ホコリや塵」も悪影響を与えますので、速やかに窯に詰める事で、防ぐ事が出来ます。
但し、後からだと特等席が埋まってしまっている場合もあります。
) 施釉された作品は、釉の性質毎に分類し、更に背の高さや横幅などの違いによって分類
しておきます。これは、窯に余計な隙間を設けない為(即ち窯を有効に使う為)です。
尚、大きな作品以外に、箸置きや、香合、ぐい呑みの様な小物も、焼成で大切な要素に
成ります。上記と同様な理由であり、炎や熱の流れをコントロールする部材と成るからです
それ故、なるべく作って置き、必要に応じて窯詰めします。
) 窯詰め前の作品の処置。
特別な場合を除き、作品が棚板に接する部分(畳付き)に釉は塗れません。塗ってしまった
場合は、落とす必要があります。更に、畳付き部分に「水酸化アルミナ」などの高温に熔け
難い薬品に水を加えたものを塗り、棚板と作品の焼き付きを防ぎます。
) 窯詰めは、棚板を使うのが、一般的です。当然、窯詰めの前に窯内の掃除と、棚板の
掃除が終わっている必要があります。窯内には、破裂した作品の欠片(かけら)が残っている
場合(素焼き後に多い)や、倒れた棚板の支柱が残っている場合もあります。最悪の場合、
倒れた支柱がガスバーナーの口を塞いでいる事もありますので、不用品は取り除いておく
必要があります。棚板の掃除とは、以前に焚いた際、釉が棚板まで流れ落ちたり、作品から
弾き飛ばされた釉の欠片が「こびり付いて」いる場合などです。この場合は、鏨(たがね)
などで剥ぎ取り、その跡に「アルミナコーチング」を塗っておきます。
尚、「アルミナコーチング」は、棚板を長持ちさせる働きもあります。
) 窯詰めの実際。
以下次回に続きます。
② 窯詰めに関する事項。窯詰めは、焼成する事と同様に大切な作業です。
この窯詰め如何(いかん)によって、焼き物の良し悪しが決るとも言われる程です。
又、窯詰めの方法を変化させると、当然焼き上がりにも変化します。
作品が良く焼き上がる為には、窯の所定の位置(良く焼ける位置)に置く事と、その作品の
周囲の環境も大きく関係します。窯の容積が大きくなるに従い、その窯特有の場所取りの
問題が発生します。
) 窯には、各々の釉には、特等席的な場所が存在します。
この場所に置けば、良い確率で希望の発色が見られる場所です。当然、新規の窯では解かり
ませんが、窯焚きの回数が増えるに従い、経験的に自然と解かってきます。この特等席を
見出す事が安定的な作品を作り出す一つの「こつ」です。
この特等席の範囲が広い場合には、数個の作品を置く事が可能ですが、狭い場合には、
一個のみと言う事もあります。
) 窯詰めでは、必要な量の作品が施釉済みになってから、一度に窯詰めを行う方法と、
ある程度の量の施釉が済んだ段階で、順次窯詰めを行う方法があります。
窯の容積が小さい場合には、前者の方法を取りますが、容積が大きい場合には、後者の
方法を取る事が多いです。施釉の終わった作品は、触れただけで釉が簡単に剥がれ易く、
「ホコリや塵」も悪影響を与えますので、速やかに窯に詰める事で、防ぐ事が出来ます。
但し、後からだと特等席が埋まってしまっている場合もあります。
) 施釉された作品は、釉の性質毎に分類し、更に背の高さや横幅などの違いによって分類
しておきます。これは、窯に余計な隙間を設けない為(即ち窯を有効に使う為)です。
尚、大きな作品以外に、箸置きや、香合、ぐい呑みの様な小物も、焼成で大切な要素に
成ります。上記と同様な理由であり、炎や熱の流れをコントロールする部材と成るからです
それ故、なるべく作って置き、必要に応じて窯詰めします。
) 窯詰め前の作品の処置。
特別な場合を除き、作品が棚板に接する部分(畳付き)に釉は塗れません。塗ってしまった
場合は、落とす必要があります。更に、畳付き部分に「水酸化アルミナ」などの高温に熔け
難い薬品に水を加えたものを塗り、棚板と作品の焼き付きを防ぎます。
) 窯詰めは、棚板を使うのが、一般的です。当然、窯詰めの前に窯内の掃除と、棚板の
掃除が終わっている必要があります。窯内には、破裂した作品の欠片(かけら)が残っている
場合(素焼き後に多い)や、倒れた棚板の支柱が残っている場合もあります。最悪の場合、
倒れた支柱がガスバーナーの口を塞いでいる事もありますので、不用品は取り除いておく
必要があります。棚板の掃除とは、以前に焚いた際、釉が棚板まで流れ落ちたり、作品から
弾き飛ばされた釉の欠片が「こびり付いて」いる場合などです。この場合は、鏨(たがね)
などで剥ぎ取り、その跡に「アルミナコーチング」を塗っておきます。
尚、「アルミナコーチング」は、棚板を長持ちさせる働きもあります。
) 窯詰めの実際。
以下次回に続きます。