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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 85 窯を開けるまで解からない?11

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4) その他の事項(天候、季節、記録)など。

 ① 本焼き後の窯の熱を有効に使う。

  窯出し直後であっても、窯の中では4~50℃の熱を持っている場合があります。特に容積の

  大きい窯では、中々外気温まで冷えません。一般に本焼きの次は素焼きの番ですので、成形

  されている作品があれば、窯の中に入れる事で、乾燥させる事が出来ます。即ち廃熱利用です。

 ② 現在の窯焚きは、あまり天候に左右されませんが、窯焚き時の天候は気になる処です。

   薪を燃料にした窯では、季節風が吹く秋などが窯焚きに適していると言われていましたが、

   現在では、季節に関係なく何時でも窯が焚ける様になりました。

  ) 良く夏場の方が窯焚きに適していると思われ勝ですが、外気温は窯の温度上昇には

   ほとんど無関係です。即ち、外気温に比べ窯中の温度は格段に高い為、外気温の影響はほ

   とんどありません。但し、窯は自然冷却で、主に窯の壁を通して外に逃げ出しますので、

   外気温が低い場合には、若干早く冷却します。

  ) 燃料を使う窯では、雨や風の影響が大きいです。

   屋外にある窯は、屋根があるとは言いながら、雨天では気分的に嫌な感じがします。

   一般に、窯は水に対して弱いですので、窯に雨が当たらない様にし、風雨の強い時は窯焚き

   は実行しない事です。但し、雨の為に温度上昇が、特に悪い事はありません。

   勿論、薪を使う場合には、薪が濡れない事は大切です。窯焚きには雨よりも風の影響を

   強く受け易いです。

   a) ガス窯の場合、バーナーの炎が吹き消される事があります。

    特に、素焼きでは急激な温度上昇は禁物ですので、ガスの供給は細くなり勝ちです。

    その際、強い横風がバーナーに吹き付けると、ガスが吹き消される事もあります。

    気が付くのが遅くなると、生ガスが窯の中に充満する恐れがあります。窯の中のガスを

    完全に追い出してから、再点火しないと窯の中でガス爆発をおこします。特にプロパンガス

    は、空気より重い為、作品の隙間などに留まっていますので、隅々まで点検が必要です。

   b) 風は煙突の引きにも影響します。煙突の下には引きを調整する、馬鹿穴(ダンパー)が

    存在します。この穴に風が吹き込みますと、煙突の引きは弱くなります。それ故、風の

    影響が出ない様に、状況によって、風避けが必要になるかも知れません。

 ③ 記録を残す。(専用のノートを作る)

   記録する事項は、作品の種類(大きさなど)、作品の量、釉の種類、点火時間と終了時間

   (実質の焼成時間)、最高温度、温度上昇パターン、酸化又は還元と開始温度と終了温度、

   寝らし時間、燃料(電気量)の消費量、窯の各部の調整、作品の出来上がり具合、そして

   最後に反省点などです。これらの記録を残す事で、次回の窯焚きの参考になるはずです。

   特に旨く焼き上がった場合や、失敗した時の記録が重要です。


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