造る98(花器11、花入1(かね、竹))
華道では、「花生け」と呼ぶ花器も、茶道では「花入(はないれ)」と呼びます。 華道に於いては、あくまでも花を引き立てる用具ですが、茶道では少しニアンスに差があります。 花が主役であるのは勿論ですが、花入れは同格又はそれ以上の事もあります。 即ち、茶道にはお道具拝見(拝見所望)の慣わしがあります。由緒ある花入や亭主秘蔵の花入等の 場合には、鑑賞の対象になります。 1) 花入の素材。...
View Article造る99(花器12、花入2(籠、焼物))
焼き物とは、直接関係の無い話に成りますが、竹や籠などにヒントを得て、焼き物の花入の制作に 応用して頂ければと思い、話を進めます。 籠(かご)花入とは、竹や籐(とう)、藤蔓(ふじつる)などで編んだ花入の総称です。 籠花入は、涼しげで軽快な感じを与える花入ですが、季節を問わずに使われている様です。 籠花入には、以下の形の物があります。 1) 籠の花入れ。 ?) 唐物籠(からものかご)...
View Article造る100(花器13、花入3)
4) 置花入と掛(釣)花入。 花入には床(床の間)に直に置く物と、床に取り付けた釘に掛ける物又は、釘に取り付けた花鎖に 釣るす物があります。後者の場合には、当然掛けるべき用具(又は単なる穴)が付いています。 ? 置花入 床(とこ)が板床である場合と、畳床である場合では床に置く方法に違いがあります。 以下の事項は、茶道に於ける約束事となっています。 ?)...
View Article造る101(皿1、始めに)
轆轤挽きで皿を作る事は、初心者は勿論、かなりの経験者であっても、以外に難しい所があります。 轆轤挽きの場合には、豆皿、小皿、中皿(約20cm以下)程度で有れば、さほどの困難もあり ませんが、大きな皿(30cm以上)になると、とたんに難しくなります。特に深さの浅い皿程難しいです 手捻りの皿であっても、脚(足)の付け方によっては、問題が発生します。...
View Article造る102(皿2、葉皿1)
陶芸を始めて最初に作る皿は、葉皿の事が多いので、葉皿は一度は作った事があると思います。 葉皿とは、「葉っぱ」の形をした皿ですが、一般には、タタラで作ります。 実際の葉を利用する場合と、自分で考えてデザインした葉を元に制作する方法があります。 1) 実際の葉を利用する場合。 ? 葉の選定 : 葉は種類によって形や大きさが異なります。更に、季節によっては手に入らない...
View Article造る103(皿3、葉皿2、角皿(足を付ける1))
2) 自分で考えてデザインした葉を元に制作する。 実際の葉を利用する場合には、大きさ、形、手に入る季節など、色々制約があります。 そこで自由に葉っぱをデザインし、それを元に制作するのであれば、前記の条件はクリアー でき、現物の葉以上の葉(大きさ、形)の皿を作る事が可能になります。 ? 葉のデザインを決め、型紙を作る。...
View Article造る104(皿4、角皿(足を付ける2))
3) 角皿を作る。 ? 角皿に脚(足)を付ける。 制作途中や素焼きの際には、なんら問題でなかった足も、1,200℃以上の本焼になると 問題が発生します。即ち、高温で土が軟らかくなり、足で支えきれずに、本体が変形(垂れ)を 起こします。勿論、土の耐火度によっても左右され、特に赤土など鉄分を多く含む土は弱く 足を付ける際には、細心の注意が必要です。 ?)...
View Article造る105(皿4、轆轤1(和食器と洋食器))
皿はどんな家庭にも数種類あると思います。小さな子供には、キャラクターの付いたプラスチックの 皿が使われる事が多いと思いますが、ある年齢に成ったら、陶磁器製の本物の皿を使わせるのが、 文化的、教育的にも良い結果が得られる事でしょう。 轆轤(ろくろ)挽きで作る皿は、大小の差はありますが、形が丸いと言う類似性があります。...
View Article造る106(皿5、轆轤2(小皿1))
轆轤で皿を作る場合、気を付ける事は、轆轤挽きし易い土を選ぶ事です。 基本的には、垂直やラッパ状に挽き上げた土の口径を、徐々に開き皿に仕上げます。 その際、土に小石や砂が含まれた土や粘りの少ない土などは、口径を広げると口縁から、割れや ひびが入ります。口縁の土を押さえ肉厚にしながら広げる事に成りますが、それでも言う事を聞いて くれない土もあります。 1) 轆轤で皿を作る。 ? 小皿を作る。...
View Article造る107(皿6、轆轤3(小皿2))
1) 轆轤で皿を作る。 ? 小皿作りの応用。 ?) 轆轤目を付ける。 皿の中央から外側に向かって、渦巻き状の轆轤目の付いた皿があります。 轆轤目が付くと力強く荒々しい感じになります。「コテ」を使うと表面は「なだらか」に成りますが 轆轤目を付ける事は困難です。轆轤目は轆轤を回転させた状態で、指先を下に強く押し...
View Article造る108(皿7、轆轤4(大皿1))
1) 轆轤で大皿を作る。 ? 大皿を轆轤挽きする前に。 大皿の定義は特にありませんが、ここでは暫定的に尺皿(約30cm)以上の皿を大皿と呼ぶ事に します。焼成で収縮する事を考えると、制作時に直径が約35cm程度が必要になります。 ?) 一般的な電動轆轤では、どの程度の大きさまでの皿が制作可能か?...
View Article造る109(皿8、轆轤5(大皿2))
1) 轆轤で大皿を作る。 ? 轆轤で大皿を挽く。 ?) 土の用意: 作品の大きさに合わせて、3〜5Kgの土を菊練し、一塊にして、空気を抜いて おきます。 慣れない方は大量の土を手で練るのに苦労される事と思いますが、必要な事 ですのでしっかり練る事です。 尚、土練機(又は真空土練機)で練った土をそのまま使う事もありますが、土に拠っては...
View Article造る110(皿9、轆轤6(大皿3))
1) 轆轤で大皿を作る。 ? 轆轤で大皿を挽く。 前回轆轤を回転させる前迄の話をしました。 その中で、説明不足な点がありましたので、説明を追加します。 ・ 底面の広さは、目標の直径の60〜70%程度に広げます。 例えば直径50cmの大皿を作る際には、底面を30〜35cm程度にする事です。...
View Article造る111(皿10、轆轤7(大皿4))
1) 轆轤で大皿を作る。 ? 轆轤で大皿を挽く。 ?) 形を作る前の確認。 周囲の土手の高さをどの程度迄挽き上げるかは、以下の条件によって変化します。 a) 張り出し角度: 底面より角度が急に張り出す場合(皿の深さが深い)には、張り出す量を 多く取ることができます。逆に水平に近い角度では大きな寸法は取れません。...
View Article造る112(皿11、轆轤8(大皿5))
1) 轆轤で大皿を作る。 ? 皿作りの注意点。 皿は他の食器類より作る事がやや難しいです。手捻りの皿であれば、かなり自由な形に作れ ますし、作り方も自由です。それに対し、轆轤で皿を作る時は、それなりに注意が必要です。 ?) 大きな作品を作る際、大きく縮むのを防ぐ為に、荒目の土を使ったり、「シャモット(焼粉)」...
View Article質問6 無釉での重ね焼きについて。
inag様より、以下の質問を、お受けましたので、この場に掲載し、私なりにお答えします。 最近ようやく小さい電気窯(内側Φ240×200)を購入しましたが、本焼きで形がどう変化(垂れる) するのか、粘土の特性を勉強したいので、とりあえず多く焼きたいです。そこでご質問ですが、無釉で素焼き無しの本焼きをする場合は、重ねて焼くことは可能でしょうか?...
View Article造る113(皿12、轆轤9(大皿6))
2) 大皿、鉦鉢(どらばち)を轆轤挽きする。 大皿を作る方法に、前回までにお話したやり方と異なる方法がありますのでお話します。 この作り方は、平坦で底面が大きな皿や、鉦鉢を作るのに最適な方法です。 ? タタラで円盤を作る。 肉厚が7〜10mm程度のタタラを作り、丸く切り出します。タタラは底割れを防ぐ為、良く叩き...
View Article釉の話1 釉とは?
陶芸で取り扱う作業や仕事は、多肢に渡ります。 作品を作るのは勿論、釉(薬)の知識と、施釉の仕方、窯詰めや焼成が主な作業と成りますが、 窯詰めや焼成は第三者に、お任せの場合も多いです。 趣味の段階を超えて、作品の販売を実行している人もいますし、ご自分の実力を評価してくれる 各種の公募展に出品したり、個展を開催したり、更には、陶芸技術を人に教える教室を開く人もいます...
View Article釉の話2 釉とは?2
2) 釉とは何か? ? 釉が流れ落ちない理由(条件)。 作品に施釉する際、窯の棚板に接する部分の釉は落とす必要がありますが、底から上部に 掛けての数mmも落とす事になります。釉が流れ棚板まで落ちない様にする予防の為です。 落とす寸法は2〜5mm程度が一般的ですが、釉の種類によっては、それ以上にする必要が...
View Article新釉の話3 市販の釉1 透明釉1
陶芸で使用する釉の種類は、数千〜数万種類とも言われる程多く存在します。 施釉陶磁器では、市販品を使う場合と、ご自分で調合した釉を使う方法があります。 更に、その中間的な方法に、市販の釉に手を加え、市販品とは別の釉に改良するやり方もあります。 今回「新釉の話」は、第一章 市販の釉、第二章 市販の釉に他の材料を添加した釉、第三章 釉を 調合する、の順序でお話したいと思っております。 1)...
View Article