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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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造る111(皿10、轆轤7(大皿4))

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1) 轆轤で大皿を作る。 

 ? 轆轤で大皿を挽く。

  ?) 形を作る前の確認。

     周囲の土手の高さをどの程度迄挽き上げるかは、以下の条件によって変化します。

    a) 張り出し角度: 底面より角度が急に張り出す場合(皿の深さが深い)には、張り出す量を

      多く取ることができます。逆に水平に近い角度では大きな寸法は取れません。

      角度が急であれば、下の土が上部の重みを支える事が出来るからです。

            ・ 例えば10cm挽き上げた土を45度と30度の角度で開いた時の張り出し寸法は以下の

        様になります。(但し湾曲せずに、直線的に逆「ハの字」の場合です。)

        45度の角度で張り出すとすれば、張り出す寸法は10/√2=7.07cmとなり、直径で

        約14cm大きくなります。同様に30度の角度では10√3/2=8.66cmで直径で約

        17.32cm大きくなります。どの位の大きさに成るかは、色々の条件で変化しますので、

        出来るだけ高くしておき、形作りの際に、大きければ徐々にカットして行く方法がベスト

        です。肉厚もやや厚めにしておき、全体の様子を見ながら、薄くする方法が良いでしょう

     b) 土の種類、肉厚、形: 

      イ) 土には肉薄でも腰のある物や、厚くないと形を保持できない物があります。

        特に、赤土などは制作時には余り問題になりませんが、耐火度が低く高温では、腰が

        無くなる物が多いです。

        成形時に問題の無かった作品も、本焼きで変形する事も多いです。

      ロ) 玉縁(たまぶち)の様に、口を肉厚にすると縁が変形(垂れる)し易いです。

      ハ) ラッパ状に急激に開く形も危ない形状と言えます。

         やや御椀形の様に内側に丸くなった形の方が安全です。

         側面が急に張り出す形や、西洋皿の様に、途中のカーブが変化する形の場合は皿の

         深さを浅くできません。

     c) 水分の含有量: 轆轤作業が長引くと、土は水を吸って軟らかくなり、腰が無くなります。   

        制作時には固めの土を使うとしても、時間が掛り過ぎると、水を吸いますのでなるべく

        水は使わず、「泥=ドベ」を使う事です。

   ?) 形を作る。

     a) 形作りは「手、指又はコテ」を使って行います。広い面積を一応に綺麗に仕上げるには、

        「コテ」が向いています。

     b) 形を作る際、根元から作る方法と、口縁の寸法まで広げてから、根元に向かって形を

       作る方法があります。口に向かってなだらかに変化する曲面の場合には、前者の方法を

       取りますが、又、西洋皿の様に、縁が平行に近い形の場合、この部分は一番最後に

       します。胴に丸みのある湾曲した形の場合、口の直径を決めてから、徐々に胴を膨ら

       ませます。

      c) 轆轤の回転速度は、径が大きくなるに従い、遅くする必要があります。遠心力は半径に

        比例しますので、径が大きくなるに従い、遠心力(外に向かう力)は増え最悪、全体が

        振り回されてしまいます。

      d) 最後に口縁を革で拭いて土締め、綺麗に仕上げます。

         縁の下側を親指で支えながら、親指と人差し指の間の革で摘む様にして拭きます。

         上からの力が強過ぎる場合、縁が下に落ちてしまい、傘が「お猪口」に成る様な状態に

         なりますので、注意が必要です。

      e) 亀板と皿の境目に「竹へら」を入れ余分な土を取り除き、切り糸が入る利易くします。

        糸を入れるタイミングは、成形直後が一番やり易いのですが、乾燥とともに縁が持ち

       上がり、変形する場合が多いです。その故、変形を元に戻す為に再度轆轤に載せ、

       轆轤挽きする事があります。この様な場合は、糸を入れずに、修正後に糸を入れます。  

  ? 皿作りの注意点。

以下次回に続きます。     


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