Quantcast
Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
Viewing all articles
Browse latest Browse all 836

造る108(皿7、轆轤4(大皿1))

$
0
0

1) 轆轤で大皿を作る。

 ? 大皿を轆轤挽きする前に。

   大皿の定義は特にありませんが、ここでは暫定的に尺皿(約30cm)以上の皿を大皿と呼ぶ事に

   します。焼成で収縮する事を考えると、制作時に直径が約35cm程度が必要になります。

  ?) 一般的な電動轆轤では、どの程度の大きさまでの皿が制作可能か?

     技術的(技能の有無など)な問題も有りますが、ここでは物理的な事項を考えてみます。

    a) 電動轆轤の盤面は30cmの物が一般的です。陶芸家など専門職の人では35cmを

       使っている方もいますが、いずれにしても、それ程大きな盤面ではないはずです。

       大皿では亀板を使う事になります。 理由は、亀板上で作れば容易に、轆轤上より取り

       上げる事が可能になるからです。亀板なら轆轤の盤面より大きくする事もできますので

        制作時に皿の底を十分に広くとる事が可能です。(これは重要な事です。)

     b) 轆轤作業が可能な事。

        基本的には一人の制作者が轆轤を操作して、大皿を轆轤挽きする事になります。

        その際、極端に直径が大きくなると、轆轤操作と轆轤挽き自体に支障をきたします。      

        即ち轆轤操作に必要なペダルやレバーなどに、手や足が届き難くなりますし、大皿の縁が

        邪魔になり、皿の中央付近にも手が届かなくなります。

        高台削りの際にも、同様な問題が発生します。

      c) 大皿の焼成と施釉の問題。

        大きな作品であっても、極端に縦長の作品で無ければ、施釉する際や窯詰めの際には、

        一人でもさほど苦労する事も無く、行う事が出来ます。

        横方向に大きな大皿などは、亀板が有っても、自由に持ち運ぶ事が困難ですし、

        横方向に広い窯となると、相当大きな窯か、特殊な窯でなければ成りません。

      d) 轆轤挽きする環境作りも重要です。

        直径が大きくなると、「ドベ受け」が使えません。即ち、制作時には、轆轤の遠心力により

        「ドベ」が轆轤周りに飛び散り、底削りの際には、「削りカス」が飛び散ります。

        更に、大皿は場所を取りますので、乾燥時、素焼き後などの置き場所も考慮しておく

        必要があります。  

     以上の事柄を考えると、一般には一尺五寸〜二尺(約45〜60cm)の大皿が限度かも

     知れません。尚、出来上がりがこの程度の皿にするには、制作時では直径が50〜70cm

     必要になります。      

  ?) 大皿を作るに当たって必要な用具とは?

     大皿を挽く際には大きな回転力が必要ですので、力強いモーターの付いた轆轤が必要です。

     その他、亀板や轆轤挽きする際に使用する、通常の用具(針、革、竹へら、布等)で十分です

     底削りの際には、湿台(シッタ)が必要に成ります。轆轤の盤面より皿の直径が大きくなります

     ので、「シッタ」の上に逆さに伏せて削ります。

  ? 轆轤で大皿を挽く。

以下次回に続きます。    

     


Viewing all articles
Browse latest Browse all 836

Trending Articles