続 粘土について3(粗さと色1)
1) 粘土類の出来た訳。 2) 陶芸に適する土とは。(以上が前回の話です。) 3) 素地の粗さと色について。 ① 粘土の色について。 各地方には多くの種類の粘土が存在し、焼き物の原料として利用されています。 粘土の色は生の場合と焼成後の色が一致するとは限りません。黒い土が焼成すると白く焼き上 がる物もありますので、騙されない様にして下さい。例えば木節粘土があります。...
View Article続 粘土について4(粗さと色2)
3) 素地の粗さと色について。 ① 粘土の色について。 ⅰ) 粘土に色が付く理由は、素地に不純物が混じっているからです。 ⅱ) 各地に赤土と称される素地は多いです。 ⅲ) 黒く焼き上がる粘土。 ⅲ) カラー粘土について。(以上が前回までの話です。) ② 焼成すると色の付く土。 ⅰ) 薪窯で緋色の出易い土。薪窯用粘土。...
View Article続 粘土について5 (粗さと色3)
3) 素地の粗さと色について。 ① 粘土の色について。 ② 焼成すると色の付く土。 ③ その他の粘土類。(以上が前回までの話です。) ④ 粘土の肌理の粗さ。 粘土を選ぶ際、色も大事ですが粒子の粗さも重要です。粒子の粗さ加減によって焼き上がった作品 の印象は大きく左右されます。更に、肌理の細かさは作品に穴を空けたり、表面を削る等の加工を...
View Article続 粘土について6(水分、気孔、収縮)
4) 素地の水分量と収縮率について。 陶芸で使用する粘土(主に練土)には、粘土成分の他に、水分と気孔(空気穴)が混在しています。 但し、水分が多量に存在する場合には、気孔は水分で満たせれ、水分の蒸発に従い気孔と成って現 れます。それらの混ざり具合により、可塑性が良くなったり、収縮率が大きくなったり、強度が増した りします。...
View Article続 粘土について7(素地の欠点と改良1)
作品を作る際、素地が原因で色々トラブルを起こす事は稀ではありません。 但し、市販されている粘土類は、なるべくトラブルが起きない様に、各種の原料を混入させて調整さ れているのが一般的です。それ故大きなトラブルに成らない事が多いのですが、市販品ではなく、 ご自分で粘土類を調合し、自分なりの素地を作る人も稀では有りません。その様な場合、どの様に...
View Article続 粘土について8(素地の欠点と改良2)
作品を作る際、素地が原因で色々トラブルを起こす事は稀ではありません。 1) 素地が捩(ねじれ)たり反る場合。 2) 乾燥時に切れが発生する場合。 3) 焼成収縮が大き過ぎ、焼成による変形を起こし易い素地。 4) 焼成時の変形。(以上までが前回の話です。) 5) 焼成中の割れ(亀裂)、剥がれの場合。 ① 可塑性の大きな素地を使用した場合、急激な温度上昇で、素地中の水分や結晶水が、素地の...
View Article続 粘土について9(素地の欠点と改良3)
作品を作る際、素地が原因で色々トラブルを起こす事は稀ではありません。 1) 素地が捩(ねじれ)たり反る場合。 2) 乾燥時に切れが発生する場合。 3) 焼成収縮が大き過ぎ、焼成による変形を起こし易い素地。 4) 焼成時の変形。 5) 焼成中の割れ(亀裂)、剥がれの場合。 6) 機械的、熱的強度について。(以上までが前回の話です。) 7) 水漏れ現象の場合。...
View Article続 釉(薬)に付いて1(釉の役割)。
今まで何度か釉薬(以下釉といいます)に付いて述べてきていますが、今回は別の視点からお話した いと思います。但し、以前にお話した事と、重複する事も多いと思いますがご了承下さい。 現在の焼き物の大部分は、焼締陶器を除いて、釉が施されています。それにはそれなりの理由がある からです。 1) 施釉する利点とは。 ① 釉とは何か? ⅰ)...
View Article続 釉(薬)に付いて2(熔融と密着)。
前回、釉は液体のガラス質であると述べましたが、その熔け方もガラスならではの特殊な様態を呈し ます。例えば、氷(固体)が解ける場合は、大気圧(一気圧)では、0℃と言う決まった温度で解け 始め、全体の氷が全部解ける(結晶が壊れて液体になる)まで、その温度は変わりません。 しかし、釉の場合は一定の熔ける温度は存在せず、温度上昇と共に、全体が軟らかくなり、徐々に 光沢を帯び、熔け出します。 1)...
View Article続 釉(薬)について3(透明、マット、乳濁1)
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。 即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあります。 尚、各種色釉や結晶釉は、透明釉に金属色や結晶が出来た物で、広い意味で透明釉に分類されます 釉の原料は主に酸化アルミニウム、珪酸(シリカ)とアルカリ(塩基)成分です。...
View Article質問 31 新しい釉と着色剤に付いて
「なかくき」様 より以下の質問をお受けしましたので、当方なりのお答え致します。 お聞きしたい事が二つありましてコメントさせていただきます。 一つは、最近気になる器に出会いまして、その器の釉薬についてです。 透明のマットで今まで触ったことがないような”しっとり”した触り心地の釉薬です。 よく観察してみると厚みがあり中にたくさんの気泡が閉じこもっていました。...
View Article続 釉(薬)について4(透明、マット、乳濁2)
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。 即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあります。 1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって決まります ① 光沢が有り、良く熔ける透明釉。 ② 釉を調合する場合や、釉のレシピが表示されている場合、注意する事はその単位です。...
View Article質問 32 釉の痘痕(あばた)の解消方法
Unknown (tak) 様より以下の質問をお受けしましたので、当方なりの回答を致します。 市販の松灰70と長石30を混ぜて作った釉薬 そのままだとうまく焼けたのですが、コバルトを添加したらブツブツが・・・ いつも困っていたのですが あばた、なのですね ほかの釉薬と一緒に焼いていますし、表面のマットな感じは気に入っているので、最高温度は...
View Article続 釉(薬)について5(透明、マット、乳濁3)
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。 即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあります。 1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって決まります ④ シリカ(珪酸)成分が多くなると乳濁釉になります。 Al2O3:SiO2 = 1:10(モル)以上になると、次第に白く濁った釉になります。...
View Article続 釉(薬)について6 (熔ける温度とは)
釉はガラス質と述べましたが、それには三様の状態を呈します。 即ち、透明釉とマット(艶消し)釉、乳濁(白濁)釉です。後者を失透明釉と呼ぶ事もあります。 1) 釉として使用できるのは、アルミナ(Al2O3)とシリカ(SiO2)成分の割合によって決まります。 (以上が前回の話です。) 釉として重要な条件の一つとして、熔ける温度が挙げられます。...
View Article続 釉(薬)について7(媒熔剤と金属元素の色の変化)
色釉を作るには、金属元素又はその酸化物を添加するのが一般的な方法です。 釉を作る際には、熔融剤(媒熔剤)として、アルカリ成分が使われますが、どの種類の物を使うかに よって、発色に違いがあります。又同じ熔融剤を使用しても窯の雰囲気(酸化、還元)によって発色 に違いが出ます。ここでは、ナトリウム(ソーダー)とカリウムの熔融剤の場合に付いて述べます。...
View Article続 釉(薬)について8(着色剤)
釉には、透明、乳濁、マット等がありますが、更に色が付いた物が多いです。 多くは金属類が添加されています、その他色の付いた土や、各種の灰類を添加して発色させる事も あります。但し、一種類とは限らず、複数の金属類が混入されている場合が多いです。 金属類の種類によって発色も変化します。 1) 多くの陶芸材料店では、各種の色の付いた釉が用意されていて、その数は数千種類もあると...
View Article続 釉(薬)について7(フリット1)
フリット(frit)とは、余り耳にする事も無く、一般に使用される事は少ないですが、釉の文献を 読むと見出す事もあります。尚、楽焼の釉で使用される白玉(しらたま)はフリットです。 フリット(frit)とは、釉の一部(又は全部)の原料を予め熔融しガラス化させた物です。 これを他の釉の原料に混ぜて使用します。 1) フリットを利用する理由。 ① 水溶性の釉の原料を釉に入れ易くする効果があります。...
View Article続 釉(薬)について(フリット2)
4) フリットの調合 食器用の釉に鉛が入る事は、一部楽焼を除き使用が認められていません。 その為、今日無鉛釉が使われています。しかしながら、現在でも酸化鉛に匹敵できる原料が見つ かっていないのが実情であると言われています。酸化鉛の良い点は、著しく光沢が出、透光性が あり、更に、顔料の発色と色調を良くする働きがあります。...
View Article続 釉(薬)について(フリット3)
6) 顔料(着色材) 陶芸材料メーカーや材料店では、釉に直接混入させて色釉が作れる各色の顔料が市販されて います。それ故、必ずしも御自分で顔料を調合する必要は無いのですが、何かの参考にして頂け れば幸いです。 顔料は酸化鉄、酸化同、酸化錫、酸化マンガン、酸化コバルト、酸化クロム等の金属類と、長石 石英、カオリン、石灰石などを適宜混合させて作ります。 以上が前回まで話です。...
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