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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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続 粘土について3(粗さと色1)

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1) 粘土類の出来た訳。

2) 陶芸に適する土とは。(以上が前回の話です。)

3) 素地の粗さと色について。

 ① 粘土の色について。

  各地方には多くの種類の粘土が存在し、焼き物の原料として利用されています。

  粘土の色は生の場合と焼成後の色が一致するとは限りません。黒い土が焼成すると白く焼き上

  がる物もありますので、騙されない様にして下さい。例えば木節粘土があります。

  主成分はカオリン鉱物ですが、生成過程で腐葉土や有機物を多く含み、亜炭層などに挟まれた

  層状に産出され、黒褐色が一般的です。(但し、灰白色の白木節もあります)焼成すれば、

  有機物質は燃焼し、白色になります。但し多くの場合は生と焼成後の色は、一致する事が多い

  です。尚、酸化、還元焼成の違いによって、同じ土でも色は変化します。

  メーカーのカタログを見ると、生素地の色が分類されています。

   純白、白色、淡いグレー、グレー、濃いグレー、淡い黄色、黄色、薄茶、茶色、焦げ茶、褐色

   赤、黒、薄緑、緑、青などです。 (参照文献:ヤマニファーストセラミック)  

 ⅰ) 粘土に色が付く理由は、素地に不純物が混じっているからです。

  多くの場合、鉄化合物の影響が一番強いです。例え磁土の様に真っ白に焼き上がる土でも

  多少なりとも、鉄分が含まれています。鉄分の含まれる割合で、白~淡黄~赤~褐色と土の

  色が決ります。酸化焼成の場合、それぞれ以下の色に焼き上がります。

   白い粘土: 鉄の含有量が1%以下。 象牙~黄色粘土: 1~4%。

   赤い粘土: 4~7%程度です。

  還元焼成の場合、鉄化合物が少量ならば、明るい灰色、4%以上では、暗灰色又は青色になり

  ます。素地に石灰などの熔媒が多く含まれている場合には、更に色は顕著になります。

  酸化第一鉄を含む素地では、灰色又は青色。酸化第二鉄(弁柄など)を含む場合には、酸化で

  黄色~赤(茶)色になります。

  尚、還元焼成では酸化鉄は熔媒剤として働く為、焼成温度を下げる結果になります。

 ⅱ) 各地に赤土と称される素地は多いですが、ここでは赤1,3,5,7,9号土の違いに

  ついて記します。

  赤1号土: 酸化で薄茶色、還元で茶黒の斑(まだら)模様粒子が細い赤土、濃い赤又は黒く

   発色。(SK-7~8で焼成)

  赤3号土: 酸化で薄茶色、還元で赤黒に発色。(SK-7~8で焼成)

  赤5号土: 粒子が細い赤土、濃い赤又は黒く発色。(SK-7~8で焼成)

  赤7号土: 粒子が細い赤土、薄茶色に発色。(SK-6a~8で焼成)

  赤9号土: 水ヒ赤土で薄茶色に発色。(SK-6a~8で焼成)

 ⅲ) 黒く焼き上がる粘土。

  市販されている粘土の中には真っ黒(黒色)に焼き上がる物もあります。

  多くの場合、黒色になる顔料(又は黒くなる成分)を入れた粘土です。

  例えが以下の粘土が市販されえいます。

   黒陶土(細目、粗目):陶土にコバルトを含む土を混ぜた物で、真っ黒に焼き上がります。

   南蛮土: 鉄分が大変多く黒又は黒褐色になります。但し窯変を起こし易く色の変化も大きい

    です。還元焼成すると良い。

   黒御影土:珪長石とマイカ(雲母)と黒色顔料を含む土です。

   黒備前土:備前土に黒色の土を混ぜた物です。

   炭化黒粘土:酸化でも還元焼成でも黒く焼き上がります。

 ⅲ) カラー粘土について。

  自然界に存在するカラー粘土の種類は限られています。陶芸材料店では、練込用の顔料が市販

  されています。この顔料を適宜混入させる事で、カラー粘土を作る事ができます。

  例えば、ピンク系、青系、茶色系、グレー系、黒系、緑系、紫系、黄色系など豊富に存在します

  メーカーによって色の呼び名も違い、色彩も微妙に異なります。これらの顔料はなるべく白い

  土に練込事で色彩も鮮明になります。更にカラーサンドと呼ばれる、緑、青、黄色、白などの

  着色剤もあります。これらを混入した粘土は斑点状の色と成って焼き上がります。

  その他、手持ちの弁柄や鬼板、呉須、酸化胴、酸化クロムなどを混入させて色土を作る事も可能

  です。

 ⅳ) 薪窯で緋色の出易い土。薪窯用粘土。

以下次回に続きます。     
   

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