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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 138 使い易い食器とは? 5

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4) 使い易い食器の条件 形(かたち)

  洋食器の形は、割合変化が少ない様に見受けられます。大小はありますが、一つの食器

  (主に白色のプレート類)で、色々場合に対応している様です。

  一方和食器は多くの形が存在します。和食は、器を楽しみながら料理も楽しむものと言われて

  います。やや大振りの食器に、控えめの料理を盛り付けると、見栄えが良くなり、ご馳走も

  美味しく見えるとされています。その器の形も様々です。

 ① 形は良いのだが、中々出番の無い器もあります。

  a) 多くは食器戸棚から出すのが面倒とか、他の場所に収納している為とか、その他

    形が大き過ぎたり、小さ過ぎる場合。又、浅過ぎる、深過ぎたりした器などの為です。

  b) この食器に似合う料理や惣菜が無い場合など。正月など特別な期間に使い、普段使わない

    食器も多く存在します。

  c) 奇抜過ぎる形の器も中々使う機会がありません。奇抜な器はそれ単体では、良いのですが、

    他の食器との組み合わせでは、一瞬目立ち過ぎ、他の食器との調和が保たれない弊害も

    あります。

  d) 使い勝手が悪い器。 

    茶碗などもお茶漬けなどの場合、口(唇)を付けて使用する場合があります。同様に丼も

    口(唇)を付けて使う事も多いです。口を付ける食器と付けない食器では、口縁の作り方が

    異なります。口を付けるの器は、スープ等の液体を直接器から飲む場合に問題になります。

    口縁が外側に広がった形のものは、唇の端から液体が流れ出す危険があるからです。それ故

    出来るだけ垂直に近い方がスムーズに飲む事ができます。 

 ② 平たい角皿に足(脚)を付ける時の問題点。

  ) 足の付いた平皿は、テーブルより浮き上がり、軽さを感じると共に、料理の見栄えを良く

   する効果があります。持つ際にも指が器の下や脇に入り込む為、持ち易くなります。

   但し、本焼きの焼成では、「へたり」易くなりますので、足の取り付け位置に注意すると共に

   「へたり」が出ない様に、何らかの処置が必要です。

  ) 「へたり」の原因は、高温で素地が軟らかくなる事です。それ故、平たい皿はその形を

    そのまま保持する事が出来なくなり、足と足の間が垂れ下がる事になります。素焼き程度の

    低い温度では、この様な事は起こりません。

  ) 本焼き時に、垂れそうな場所を下から支える必要があります。一般的には、赤貝、蛤、

    あさり、蜆(しじみ)など二枚貝の片割れに玉にした粘土を詰め、貝が作品に当たる様に

    置きます。置き場所は複数個になります。玉にする粘土の量によって、高さを調節します。

    焼成後に、貝は簡単に崩れ去ります。水に漬けるとより効果的に剥がれます。

    貝の当たった場所は、貝の跡が付きますが、これも景色として鑑賞できます。 焼成後、

    足に「ガタツキ」が無い事を確認します。

 ③ 季節に応じて、ある種の食器を替えるのも良い嗜好かも知れません。

  ) 特に変わった形の物が多い物に、小物の箸置きがあります。野菜や動物、日用品のミニ

    チュア番などが多いです。酒気の「ぐい呑」等も色々な種類の形を収集している方も多い

    です。

  ) 季節を反映する器。

    春夏秋冬の、桜や紅葉、季節の風物を模した器や、筍(たけのこ)や茸(きのこ)

    類、秋刀魚など、その季節になると、食卓に上る食器類もあります。冷奴なども夏のご馳走

    になります。 多くの場合、形もありますが、次回に述べる色である事の方が重要事項に

    なります。    

 ④ 収納し難い食器。

  ) いかに場所を取らずに収納できるかも、大切な要素です。即ち、上手に重ねる事は出来る

   形状である事です。又、丸い食器は収納スペースに無駄が出来やすい形状に成っています。

  ) 高い脚(足)の付いた食器も、収納し難い食器といえます。

以下次回に続きます。


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