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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 137 使い易い食器とは? 4

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3) 器の重さ(重量)の問題。(前回の続きです。)

  ③ 器を軽く作る方法。

   器を軽くするには、制作時に軽くするか、削り作業で軽くする方法があります。又、土によって

   重い土と軽い土がありますので、軽い土を使うのも一つの手ですが、軽い土は密度が低く、

   隙間の多い土(ざっくりした土)とも言えます。その為、良く焼き締まらず、機械的強度が

   弱い、即ち壊れ易い土でもあります。但し、ざっくりした土は、保温性に優れて(冷め難く、

    暖まり難い)いますので、その利点を生かして使う事もできます。

  ) 制作時に軽く作る。 この方法が一番正道です。

    轆轤作業で作品を軽く挽く事は、かなりの熟練を要します。多くの場合、底から胴体に掛けて

    多くの贅肉が付きます。逆に口縁周辺は、薄くなり勝ちです。

   a) 轆轤の作業中は、肉厚に注意して轆轤挽きすべきですが、初心者の人は作品の形に気が

    向いてしまい、厚みに注意しない事が多いです。肉の厚みは、片手の親指と人差し指又は、

    中指で摘む様にして、又は両手の指を向かい合わせて計る事ができます。土を上に伸ばす

    過程で意識しなくても、自ずから身に付く技術ですが、ある程度の練習が必要です。

   b) 肉厚は底の近辺が厚く、上部に行く程、肉を薄くしますが、極端に薄くしない事です。

    轆轤作業では、肉の厚い部分を薄くする作業は、さほど難しくは有りませんが、逆に肉薄の

    部分のみを厚くするのは、かなり高度の技術が必要になります。

    特に部分的に肉薄部分が発生すると、その部分に「撚れ(よれ)」が発生し易いです。

    この撚れを取るのにも、それなりの技術が必要に成ります。その為、肉が極端に薄くならない

    様に轆轤挽きします。

  ) 轆轤作業では、底削りを行うのが普通です。高台を削り出すのが目的ですが、高台のみ

    でなく、高台から胴部分に掛けての贅肉を取る事で軽く出来ますが、器の内側を削る事は

    少なく、外側を削ります。但し、外側を削ると形が変わりますので、削る事を念頭に置き

    少し太めに作る事です。

    注意する事は、削る量が少なく、再度削り作業を行う時に、最初の時と同じ状態で轆轤上に

    据える事が意外と難しい事です。即ち、中心がズレてしまい勝ちで、片削りになり易く

    なります。

  ) 手捻りの作品は制作時に肉が厚くなる傾向があります。

    それ故、大まかに形が出来たら、不必要な部分の土を削りとるのが普通です。

    手捻りでは、削りながら肉厚を確認できる利点があります。

    a) 削り出しで軽くなる重さは、削りカスの重さで決まりますが、意外と軽くは成らない

     ものです。それは、削る深さが浅い為でもあります。鉋(カンナ)等で削り出しますが、

     50g程度軽くする為には、こんなに削るのかと思うほど削る必要があります。

    b) 計量しながら削る事。削りで何g軽くなったかを計測する。勿論手に持って重さを

      確認できますが、秤(はかり)を使う事で、組物の食器類の重さを統一する事が可能に

      なります。

4) 使い易い食器の条件 形(かたち)。

  洋食器の形は、割合変化が少ない様に見受けられます。一方和食器は多くの形が存在します。

以下次回に続きます。  

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