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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 135 使い易い食器とは? 2

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2) 器の最適な大きさとは?

  食器は太古の昔より使われていた物ですので、長い年月の間に使い易い大きさが自然に決る

  傾向にあります。民族により食材は異なり、料理も異なるのは当然ですが、人が使う以上

  その大きさも限られた範囲内に収まるのが普通です。

 ①  筒型の食器(容器)の場合。

  掌(てのひら)全体で持つ食器類に、湯飲みやコップ類があります。男女の差や子供などで、

  手の大きさが異なりますが、おおむね手に持ち易い寸法があります。

  ) ビール瓶の径を参考にする。

    筒型で手に持つ容器と言えば、ビール瓶が思いつきます。男女に関係なく持ち易い径のはず

    です。径を計ってみるとおよそ7cm程度です。少なくても8cm以下であれば安定して

    掴む事ができます。即ち、容器の径の2/3程度を掴み、残りの1/3が余る感じになります

  ) 「ぐい呑み」の様に、背が低い容器では、掌で掴む事は出来ません。それ故、親指と

    人差し指で輪を作って持つ事になります。そば猪口では、小指(又は小指と薬指)を除いた

    指で持つ事になります。持つ場所の径は7~8cmが適当な大きさに成ります。

  ) 徳利なども、掌で握って使う物です。酒の量によりますが、一合徳利程度の場合は細長く、

    ビール瓶の様な形の物もあります。しかし、多くの場合、湯飲み等よりも径がはるかに

    太いのが普通です。太くて持ち難い場合、胴部分を握る形に変形させる場合もあります。

    勿論、酒の量を減らす役目にも成ります。別の方法として、胴を太くし注ぎ口の下のくびれ

    部分より下を細くして、握り易くする方法もあります。

  ) 筒型の容器の場合、手が滑らない様に、口をやや広げた形にする場合があります。更に

    口縁の肉厚を厚くし、外に開く様にすると、割れ難くなる利点もあります。

 ② ご飯茶碗と丼(どんぶり)の大きさ。

   日常使う食器の中で、一番登場する回数が多いのが、ご飯茶碗です。

   ご飯茶碗は、その人専用の器である事が多いです。(属人性と言います)その為、気に入った

   形や大きさが要求されます。

  ) 男性用、女性用、子供用などがあり、口径も各々5~10mm程度の差があります。

    注: 見た目ではかなりの差が有るように見えますが、実測するとこの程度の差の場合が

     多いです。

  ) ご飯茶碗の形には、口が開いた形と、すぼまった形の物があります。一般に前者で約13

    cm、後者で12cm程度の口径になります。高さは約6cm程度です。

    勿論特大に成れば、14cm以上の茶碗もあります。

  ) ご飯茶碗は常に片手で持って使用します。同様に丼も片手で持つのが普通です。

    テーブル(食卓)から持ち上げ、食事中更に箸(はし)休めの時も、片手で食卓の上に置く

    事になります。それ故、持った時不安定であっては成りません。

    勿論持ち方にもよりますが、一般には、親指を茶碗の口縁に掛け、他の4本の指で下部を

    支えて、安定した持ち方をします。

   a) 茶碗の持ち方にも個性が出易いです。

    一般には人差し指と中指で「チョキ」を作り上に向け、高台の脇を挟み込む様にして支え

    ます。又、中指を高台内に入れ、底の中心を持ち上げる様にして支えるやり方があります。

   b) 基本的にはご飯茶碗は、ご飯を入れますが、時には汁を掛けてたり、お茶等の液体(汁)

    を入れる場合もありますので、安定して持てる大きさでなければ成りません。

  ) 丼の大きさ。

    丼と鉢との違いははっきりしません。但し、ご飯類が入り、その上に具が乗っているスタイル

    が丼です。片手で持ち上げるのはご飯茶碗と同じです。もう一方の手は箸やスプーンを持ち

    ます。一方鉢は惣菜を盛り込む器であったり、ラーメン鉢の様に麺類を入れる器で、両手で

    持ち上げる必要がある大きさです。即ち、「茶碗<丼<鉢」の関係になります。

    勿論、小鉢、中鉢とより小型の容器もありますが、基本は鉢は惣菜を入れる器です。

以下次回に続きます。

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