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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 128 長石と灰で釉を作る2

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2) 福島長石に天然灰を添加した釉。

  天然の灰には、長石を熔かすカルシウム、マグネシウム等のアルカリ成分の他、鉄分やマンガン

  などの金属類、燐酸(りんさん)などの無機成分が含まれています。

  当然、樹木の種類によって差があります。その差が、色調として現れたり、乳濁、マット、結晶

  作用を引き起こし、釉肌に影響を与える事に成ります。

 ① 灰をご自分で作るか、市販品を使うか?

  ) 大量の灰をご自分で作る事は、可能ですが大変手間暇が掛かります。1kgの灰を作るには

   数百kg以の材料が無ければ成りません。材料の部材(葉や茎など)によってはその10倍の

   量が必要になります。

  )昔と違い、今では焚き火が禁止されている場所が多く、簡単に焼いて灰を作る事も出来ま

    せん。又、大量の煙が発生する為、公害問題にもなります。

  )樹木の材料を燃やしても、完全に灰にする事は難しく、焼き残の炭素分(黒色)が出るのが

   普通です。これを灼熱(しゃくねつ)減量(ロス分)といいます。市販の灰であっても30~

   40%あると言われています。計量計算する際、このロス分も計算に入れ、量を多くしな

   ければなりません。

  ) 更に自分の作った灰は、灰汁(あく)抜きを繰り返して、水に溶けるアルカリ分を除く

   必要があります。

  以上の事から、ご自分で作るより、市販品の各種の灰を使う方が便利で、手っ取り早く品質的

  にも比較的安定した物が手に入り易いです。

 ② 天然の灰には、一般に灰色と呼ばれる色をしていますが、厳密には白っぽい色や、黄色味

  掛かった色、褐色、更には黒ずんだ色など色々あります。色の違いは灰の中に含まれる微量の

  金属類に関係すると言われています。尚、見慣れた方ならば、一目見て何の灰だか判るとの事

  ですが、一般的には区別できませんので、区別して保管しておく必要が有ります。

 ③ 灰釉の実態。

  ) 天然松灰を使った釉薬。 福島長石に30~70%程度の松灰を添加する。

   a) 酸化焼成では黄色味を帯びた透明釉になります。還元焼成では緑~青味を帯びた釉になり

    ます。

   b) 松灰が増えるに従い、淡い黄色から黄色へと変化します。

     還元焼成では、緑に近い青から深い緑色へと変化します。

   c) 釉を厚掛けした場合。 釉は若干流れ易くなります。更に松灰が増えるに従い熔融温度も

     下がり一層流れ易くなります。

   d) 最適な松灰の添加量は、50%程度の時です。熔融温度も1230℃前後と理想的な温度に

     なり、程良い流れとなります。松灰が30%程度ですと、釉に大きな貫入が入ります。

     70%程度になると、アルカリ成分が釉に熔けきらず、落ち着いた艶消し釉に成ります。

  ) 福島長石と天然松灰で作った釉と、更に着色剤を添加して色釉を作る。

     (着色剤などは、外割りで添加します。合計が100%以上になります。)

   a) 飴釉とそば釉を作る。

    ・ 飴釉: 福島長石:天然松灰:弁柄= 60:40:10 

    ・ そば釉: 上記飴釉にマグネサイト5を添加。

   b) 黒釉を作る。福島長石:天然松灰:弁柄= 70:30:10 

   c) 黄瀬戸釉を作る。福島長石:天然松灰:中国黄土= 60:40:10 

   e) 瑠璃(るり)釉を作る。福島長石:天然松灰:酸化コバルト= 70:30:0.3 

   f) ビードロ釉を作る。

     ・ 緑ビードロ釉: 福島長石:天然松灰:酸化銅= 30:70:7 

     ・ 青ビードロ釉: 福島長石:天然松灰:酸化コバルト= 30:70:0.3

   g) 伊羅保(いらぼ)釉: 福島長石:天然松灰:カオリン= 10:50:40 

以下次回に続きます。

素朴な疑問 129 長石と灰で釉を作る3

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2) 福島長石に天然灰を添加した釉。

   天然の灰は、当初は窯焚きの際に使用する赤松や雑木の薪の灰を利用した物が多いです。

   即ち、廃物利用と言えます。但し、現在では窯の灰には純粋の松灰以外に、他の雑木の灰が

   含まれる可能性が大きいですので、別の方法を取っていると思われます。

   後で述べる藁や籾殻(もみがら)、糠(ぬか)も脱穀や精米時に発生する廃棄物とも言われる

   物です。釉はこの様な不用品を上手に使っています。

 ③ 灰釉の実態。(前回の続きです)

  ) 天然栗皮灰を添加した場合。

    「桃栗三年柿八年」と言われる様に、栗は生長の速い樹木です。又古く縄文時代より、

    実は食料として、幹は水に強く防虫効果があり腐敗し難く、防腐剤で処理しなくても十分使

    える為、土木工事や家屋の材料に大量に使われていました。現在でも同様の理由で多くの

    処で使用されていました。当然、樹皮は不要ですので、剥ぎ取る事になります。

    樹皮の一部は草木染めの染料などとして利用されますが、大部分は廃棄処分される運命に

    なります。そこでこの樹皮で灰を作った処、長石を良く熔かし、更には面白味のある釉と

    成りましたので、樹皮が利用される様になります。尚、栗皮灰は淡い黄色を帯びています。

    珪酸(シリカ)成分が多いのが特徴で、アルミナ成分や鉄分は比較的少なく、雑味もあり

    ません。

   a) 天然栗皮灰を30%添加した場合。

     酸化焼成では、澄んだ薄い黄色に発色します。還元焼成では、綺麗な淡い青紫色になり

     ます。栗皮に含まれる珪酸の影響で、釉が少し濁る事もあります。

   b) 天然栗皮灰を50%添加した場合。

     融点が下がり、流れ易い釉になります。又、釉肌に艶があり、酸化で澄んだ黄色、還元で

     澄んだ深緑色になります。

   c) 天然栗皮灰を70%添加した場合。

     融点が下がり過ぎて、作品の表面より流れ落ちます。還元焼成では艶消し状態になります

  ) 市販されている、その他の灰

   a) 天然(又は合成)藁(わら)、籾殻(もみがら、もみ)灰、糠(ぬか)の灰(市販品に

    見当たりません)にはシリカ成分が多く含まれる為、長石に30~50%程度添加すると、

    乳濁釉になります。藁白、白萩、卯の斑(鵜の斑)、糠白などと呼ばれる釉です。

   b) 天然樫(かし)灰。 松灰に次いで多く用いられる灰です。アルカリや鉄分がほとんど

    有りません。長石に添加した釉は、艶があり釉の濃さによって細か目~大き目の貫入が

    入り易いです。酸化で淡い黄色、還元で淡い青~濃い青緑色となります。

   c) 合成柞(いす)灰、又は天然欅(けやき)灰。

    柞灰は鉄分が極端に少ない灰ですが、天然物はほとんど入手が出来ません。それ故、天然の

    欅の灰が代用品として使われています。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 130 土や釉の再利用方法1

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陶芸をしていると、材料である土や、不要になった釉などを安全に処分する必要が生じます。

その際、土(素焼き前の土)や釉をどの様に処置したら良いかを迷う事があります。

出来るだけ再利用するのが理想ですが、どの様に処理したら良いかを考えたいと思います。

土(泥水)や釉を、直接下水に流してはいけません。土は下水を詰まらせる事があり、釉には有害

物質が含まれているからです。この有害物質はクロムや銅、鉛等の重金属類や各種のアルカリ類です

これらの物質は必ずしも下水処理場で完全に除去する事が出来るとは限らないからです。

又、泥で汚れた用具類の掃除や、汚れた手指を水で洗う時にも、泥で汚れた水を直接下水に流すのは

厳禁です。更に、泥水を直接付近の川に流したり、地面を掘って流し込む事も、さほど問題が無い

様に思われるかも知れませんが、泥水に釉の一部が含まれる場合がありますので、なるべくなら

他の方法で処理する事です。

1)土や泥水の処置。

 ① 電動轆轤では、手を濡らしながら作業を進めるのが普通です。理想的には水ではなく泥(ドベ)を

  使うと、土の水分吸収を抑え、土の「ヘタリ」が防止できます。いずれにしても、水を入れた

  手桶が用意されているはずです。轆轤作業が終われば、手桶の水は泥水に成っています。

  この泥水は何らかの方法で処理する必要が生じます。

  ) 一時他の「バケツ」等の容器に泥水を蓄える。

   a) 手桶の底には、若干固まった土が残っているかも知れません。この残った土は、作品の

    接着剤(ドベ)として、利用する事も出来ますので、専用の容器に取ります。

   b) バケツに入れた泥水は、翌朝には沈殿し上澄み液と分離します。但し、粘土量は少量です

    ので、ある程度溜まった段階で、上済み液を捨てる方が効率的です。

  )上澄み液を取り除く(捨てる)際、容器(バケツ等)を傾けて外に捨てる方法と、スポンジ

    で吸い出す方法があります。上澄み液が多量の場合には、前者の方法で、少量の場合は

    後者の方法で行うと、効率良く作業できます。

  ) 小物の用具類の掃除と、手指を洗う方法。

   a) 小物の用具類とは、陶芸作業で使う、竹へら、各種コテ類、カンナ類、鹿皮、トンボ、

    弓、布切れ、スポンジ、スケール(物指し)、剣先、コンパス、鉛筆などです。

   b)  これらの小物類は、洗面器などの容器の中で、泥を落とします。

    同様に手指の汚れも、洗面器などの容器の中で泥を落とした後、綺麗な水で洗います。

    綺麗な水で洗っても、若干泥が含まれますが、この水は下水に流します。但し、下水の途中に

    沈殿漕を設けます。この件に付いては、後日お話します。

   c) 洗面器中の泥水も、上記バケツに空け、貯めて置きます。

  ) 複数の種類の粘土を使用する場合、同じバケツや洗面器を使うと、混ざり合った粘土に

   なってしまいます。これを嫌う場合には、個々の土の種類に合わせてバケツと洗面器が必要に

   なりますので、とても面倒です。それ故、一つのバケツに各種の泥を蓄え、この土を作品造り

   に活用したいです。

  ) 一晩(又は数日)放置した泥水は、粘土と上澄み液とに分離します。

   a) 上澄み液を捨て、底に堆積した土を素焼きの鉢に取り出します。その際直接鉢と接しない

    様に、布を敷くと後々便利です。素焼きの鉢に粘土の水分を吸収させ、乾燥させます。

    素焼きより、石膏の鉢や板を使うとより早く乾燥します。

   b) 手に「べとつく」事が無くなる程度に乾燥させた後、素焼き鉢から粘土を取り出し、

    手又は土練機で土練を行います。但し、この状態では、腰が抜けた状態ですので、轆轤作業

    には不向きです。それ故、土を数ヶ月間寝かせ、粘りと腰を強くしてから使います。

以下次回に続きます。

    

素朴な疑問 131 土や釉の再利用方法2

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1) 土(粘土)や泥水の処置。 前回の続きです。

 ② 失敗し壊した素焼き前の土の処理。

  土は素焼きや素焼きせずに本焼で焼成する以前であれば、元の土の状態に戻し、再生する事が

  できます。それには、それなりの方法があります。

  ) 作品を壊す段階で、どの程度乾燥しているかによって、土の処理の仕方が変わります。

   即ち、制作途中で土に水分があり、容易に変形できる場合。削れる程度に乾燥した場合又は、

   底や高台削りで出た削り滓(かす)の場合。更に乾燥が進み、土が白っぽくなっている場合

   (素焼き直前の土)などです。土が完全に乾燥してしまうのは、失敗作だけではありません。

   粘土を長期間放置したり、ビニール袋で簡易に包装した状態でも、完全に乾燥する事も珍しい

   事ではありません。

  ) 制作途中で壊した作品の土の場合。

   手捻りの場合は、若干乾燥し土が硬くなっていますので、次に述べる削れる程度に乾燥した

   場合の処理になります。(電動)轆轤の場合には、むしろ水分を含み過ぎる土になります。

   この様な場合には、土を練り直して直ぐに使うか、木製の板や素焼き板などに水分を吸収させ

   適度に固めてから使います。又、若干硬めの土と「ブレンド」して適度の固さにしてから

   使う事ができます。

  ) 削れる程度に乾燥した場合、又は、底や高台削りで出た削り滓(かす)の場合。

    完全に乾燥している訳ではありませんので、刃物や切糸などで土を小さく千切り容器に入れ

    霧吹きなどで水分を補給すれば、適度に軟らかくなります。それを練り直す事で、直ぐに

    使う事も可能です。又、濡れたタオルで包み一晩放置するだけで、土が水分を取り戻し、

    適度の軟らかさになります。注意点は土が均一に軟らかくする事です。硬い部分と軟らかい

    部分が生じると、轆轤挽きで伸びの違いにより失敗します。手や指で硬い塊が無いかを

    確認する必要があります。

  ) 完全に乾燥した土を再生させる。

    粘土は、適度に濡れている時には、粘りがあり水分を吸収しずらい物質です。

    しかし、完全に乾燥させると性質が変わります。即ち、水をどんどん吸収し表面から溶け

    始め、見る見る粘土の中心まで、溶かしてしまいます。再生手順は以下の様に行います。

    a) 土をある程度、ハンマー等で細か砕きます。土は乾燥すると驚くほど強くなります。

     これをバケツや甕(かめ)に入れます。

    b) 水を土が被る程度に注ぎ込みます。そのまま2~3時間放置しておきます。

      すると、表面より土が溶け始め、最後には土の芯まで溶け、土の塊が無くなります。

      尚、生乾きでは完全に溶けてくれません。生乾きの場合は天日干しします。

    c) 上澄み液を捨て、素焼きの鉢に布を敷き、泥水ごと流し込みます。

      そのまま放置するか、布を袋状にして口を紐で縛り木の枝などに吊るし、乾燥させます。

    d) 手に「べたつかない」状態になったら、手や土練機で練ります。

    e) この様に処理した場合、多くは土に粘りが少なく、作品を作るのに不適当です。

      無理に作ると「割れやひび」が発生し易くなります。その為、数ヶ月土を寝かせる事を

      勧めます。 

   ③ 下水に流れた泥水の処置。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 132 土や釉の再利用方法3

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1) 土(粘土)や泥水の処置。 前回の続きです。

 ③ 下水に流れた泥水の処置。

   陶芸用の小道具類や手指の泥を、洗面器の中で大まかに落としたとしても、綺麗な水で洗うと

   若干ですが、泥水となって下水に流れ込みます。但し下水本管に流れ込む手前で、簡易の沈殿

   槽を設ける事で、上澄み液のみを本管に流す事が出来ます。

  ) 沈殿槽を設ける。沈殿槽は単なる一時水を留める枡(ます)で、深さは少なくとも40~

   60cmは欲しい処です。当然深ければ深いほど泥水は下水本管に流れませんし、大きければ

   大きい程、大量の水を流す事ができます。尚、枡には外部から塵や埃(ほこり)、雨水が

   入らない様に蓋(ふた)が必要です。

  ) 枡の形状は円形でも四角でもかまいません。枡の構造は上部に二箇所の同じ大きさの穴が

    開いてる構造で、一方は入り口、他方は出口で下水本管に繋がっています。位置関係は直角

    方向の物が多いですが、下水との関係で180度方向の物もあります。

  ) 入り口から入った泥水は枡に一時留まります。その間に少しずつ重たい泥は沈殿して行き

    ます。 泥は一晩すればかなり沈殿しますが、大量の泥水が次から次と流れ込むと、沈殿する

    時間がありませんので、そのまま下水管に流れ込む可能性があります。数個の沈殿槽を

    設置すれば良いのですが、小さな工房では現実的では有りません。それ故、なるべく泥は

    洗面器などで丁寧に落とす事です。

  ) 枡の掃除。溜まった泥は定期的に掃除する事で、取り除きます。

    一ヶ月に一遍程度の頻度で掃除する事が望ましいです。柄杓で泥を掬い出しバケツに取り

    ます。枡の中には、泥以外に色々な物が入り込んでいます。例えば、皮や弓、小さな剣先

   (針)、布切れ、鉛筆、竹へらなどの用具類です。洗う際に誤って落とした物が多いです。

  ) 下水は泥だけでなく、釉を塗る為に使った筆を洗った際の釉の一部、更には石鹸なども

    含まれています。その他諸々の物質が紛れ込んでいます。それ故、「ドブ臭い」匂いが

    します。このままでは再利用はできません。

  ) バケツの泥を数ヶ月放置し、「ドブ臭い」匂いを消す。

    「ドブ臭い」匂いは有機物が入り込んだ結果です。それ故この有機物を醗酵させて匂いを

    取り除きます。

   a) バケツの上澄み液を交換する。枡から汲み出した泥水は、放置しておくと泥は沈殿し

    上澄み液と分離します。この上澄み液を柄杓などで汲み出し、新しい水を注ぎ掻き回し、

    沈殿した泥を洗う様にします。

   b) 1~2週間後に上澄み液を取り除き、綺麗な水と入れ替え、掻き混ぜます。

     これを数回繰り返すと、徐々に「ドブ臭い」匂いは薄くなります。

   c) 夏場なら3ヶ月、冬場なら6ヶ月程度上記事項を繰り返すと、無臭になります。

   d) この様にして出来た泥は、色々の種類の土や釉の一部も含まれますが、作品を作る事が

     出来る粘土に成っています。場合によっては、一般の土と異なる表情を持つ焼き上がりに

     成る事もあります。尚、醗酵が不十分ですと、「ブク」の原因になります。

  ◎ 注意点: 夏場にバケツに水を貯めておくと、蚊のボウフラが湧きますので、蓋をするか、

    機械油を数滴落とすか、殺虫剤を散布するなどの必要があります。     

 ④ 洗面器の底に残った土(泥)の処理。

   この泥も色々な種類の土と、釉の一部が入っている物ですが、「ドブ臭い」匂いはほとんど

   有りません。それ故、数ヶ月間水に晒す必要は無く、水分を抜き練り直して使う事も可能です。

   しかし、泥を洗面器の中に1週間も放置しておくと、匂いを発しますので、小まめに他の容器

   に移し替えると匂いの発生を抑える事ができます。尚、匂いがある場合には上記)に準じて

   処理する事です。

 ⑤ 床掃除などでも土の削り滓(かす)や、土埃(ほこり)が出ます。これらには、外部から

   持ち込まれた、粘土以外の土や砂など紛れ込んでいますが、上手に再利用が可能です。

   箒や塵取りなどで集めた削り滓などは、上記同様に水を張ったバケツに入れ貯蔵して或る程度

   集まったら、練り直して使う事ともできます。尚、床には、施釉の際こぼれたり、飛び跳ね

   たりした釉が混じっています。これらを完全に取り除く事は出来ませんが、水を交換する事で

   或る程度取り除く事ができます。
    
以下次回に続きます。

素朴な疑問 133 土や釉の再利用方法4

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2) 不用になった釉と釉の材料の処置。

 ① 不用になった釉は、下水や川、更には地面を掘って埋める事は出来ません。

  釉の中には、人体や環境に悪い影響を与える物質が含まれているからです。

  具体的には、酸化銅、酸化鉛、酸化クロム、酸化チタン、コバルト、ウラン(ウラニウム)、

  タングステン等の着色剤の金属類です。

 ② 釉の原料である、長石、珪石、石灰、各種の灰(天然、合成)などは、自然界にそのまま存在

  している物質ですので、人体にほとんど悪い影響を与えませんので、地中に埋めてもさほど

  問題に成りません。石灰は土壌の改良剤となり、各種の灰は植物の肥料にもなります。

  但し、長石や珪石は岩石の粉ですので、下水に流すのは控えた方が良いでしょう。

 ③ 不用意に捨てられない釉は、出来るだけ再利用すべきです。

  釉を再利用する場合とは、どんな場面でようか?

  釉は釉として使用し、一般には再利用とは無関係に感じるかも知れません。

  勿論、陶芸を辞めてしまい、釉を使う事も無く、処分する事も有り得ますが、再利用とは別の

  話です。

  ) 色々な釉が混じってしまった場合の処置。

   一般に釉同士を混ぜ合わせる事は、ほとんどありません。何故なら、混ぜたからと言って

   その中間の色や釉肌になる訳ではないからです。但し、施釉した際にいわゆる畳付きと呼ば

   れる底の部分には、釉は塗らないか、又は塗れないのが普通です。勿論特殊な方法や、「トチン」

   等と呼ばれる窯道具を使う方法や、伏せ焼きと呼ばれる方法で、畳付き部分を施釉する事も

   できます。畳付き部分に施釉してしまった場合、作品が棚板にこびり付いてしまいますので、

   釉剥がし(刷毛)を用いて落す事に成ります。一色の釉を塗る場合は問題が有りませんが、

   複数の釉を使う場合には、剥がした釉が混じり合うことになります。

   a) 釉を落す範囲(施釉出来る範囲)。

    一般に、畳付き「ギリギリ」まで、施釉をしたくなりますが、釉の種類によって落す範囲に

    差が出ます。釉は高温で熔けガラス質が形成されます。その際、流れ易い釉と流れ難い釉

    では施釉出きる範囲は異なります。流れ易い釉の場合、底より約5mm程度取り除く必要な

    場合もあります。逆に流れ難い釉であれば、1~2mm程度で済む場合もあります。

   b) 上記範囲内に施釉してしまった場合、釉を剥がす必要が生じます。

     色々混ざり合った剥がした釉は、ガラス質になる釉ですので、そのまま釉として使う事が

     できます。但し、どの様な釉が交じり合っているかは不明ですので、なるべく見えない

     場所に使う事です。見えない場所とは、壷や徳利、花瓶んどの袋物と呼ばれる作品の内側

     などです。勿論作品の表面にも使えます。多くの場合緑掛かった釉に成る事が多いの

     ですが、黒い釉が多い場合には、黒っぽい釉になります。注意する事は、コバルトを

     使った釉(瑠璃釉、瑠璃ナマコ等)では、コバルトが他の釉と完全に混ざる事が無く、

     濃紺の点状の染みが出来ますので、なるべく、一緒にしない事です。

  ) 床に飛び散った釉の処置。

   a) 施釉中に釉が容器の外に飛び散る場合があります。又、何らかの理由でテーブルや床に

     釉をこぼす事もあります。この釉も布等で拭き取り、そのまま布を洗い下水に流さない

     事です。例え少量でも捨ててはいけません。

    b) この様な場合、ブラシなどで削り取りますが、床に落ちた塵や粘土の粉塵と混ざります。

     この粉塵などと混ざった釉も、上記の畳み付きに付いた剥がした釉と同様に、袋物の

     内側等の施釉として使う事です。

   ) 黒い釉として再利用する。

     色々混ざった釉に弁柄等の鉄分を添加して、黒い釉を作る事ができます。但し、塵やごみ

     小石などは篩(ふるい)に掛けて取り除く事です。粘土の粉は取り除けませんが、釉に

     含まれてもほとんど問題になりません。

  ④  釉はガラス質ですから、高温で焼成すれば、ガラスになります。環境や人体に悪い物質も

    ガラスで覆われる事で、無害になります。ガラスは化学的に安定し、環境にも悪さはしません

    地中に埋めてもほとんど問題に成りません。それ故、「不燃物のゴミ」として一般ごみ同様に

    ゴミ出しできます。 再利用を考えない場合の方法として、一番良い方法です。
  

素朴な疑問 134 使い易い食器とは? 1

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陶芸を楽しんでいる方々にとって、一番多く作られる作品は、食器類だと思われます。

食器には用途に応じて色々な種類があります。更に大きさも「ぐい呑み」程度の小物から、直径が

50cm以上の大皿までありますので、作品作りには打って付です。又、工夫を凝らせば変わった食器を

作る事ができます。作る以上使って貰える事が一番大切です。その為には、使い易い食器でなければ

成りません。各家庭では何種類かの食器が有ると思いますが、常に登場する食器と、一年に一度正月

にだけ登場する食器もあるかと思います。

常に登場する食器は手頃の大きさ、手頃の重さ更には、気に入った色であったり、料理が映える

器である場合です。即ち使い易い食器と言う事になります。又、家族構成によって食器の需要に

差が出るのは当然です。家族が多い場合は、数物(揃い物)が必要ですが、家族二人だけなら

一品物で十分です。又、色々な使い方の出来る器が一つあれば、重宝し便利です。

今回のテーマは、使い易い食器の条件などに付いてお話します。

1) 使い易い食器の条件とは?

 ① 条件の筆頭に挙げる器は、人により異なりますが、私は適度の大きさではないかと思います。

  それがご飯茶碗であったり、お皿や丼(どんぶり)であっても、それに盛られるご飯の量や

  料理の量によって器を選ぶ傾向にあります。当然、量は老若男女や人数によって左右されます。

 ② 二番目は軽さ(重量)と思われます。

  形の良し悪し、釉の色も大切ですが、常日頃使用するのであれば、持ち運びが容易な器が重宝

  です。ご飯茶碗や丼(どんぶり)など、手に持つ事が多い器は、ご飯や麺類を盛り付けても、

  容易に持つ事が出来る軽るさが重要です。常には手に持つ物でない器であっても、料理を盛って

  から、食卓に並べる事が多いですので、持ち運びの良さは欠かせません。

  但し、料亭などで料理は勿論、器を見せるてより料理を美味く見せる為に、あえて重量感の

  ある器を使う事もあります。又、「ぐい呑み」などの酒器類もあえて重量感のある作品が好ま

  れる場合があります。しかしこれらは特定の場面での事で、一般家庭では軽いと言う事が重要

  事項になります。

 ③ 三番目は形ではないかと思います。

  形は単に使用時のみ出なく、収納しやすい形である事も大切です。

  ) 特に和食器の形は、多種多様で変わった形の物も多いのですが、基本的には、円形と角

   (四角)の皿類の出番が多いです。

  ) 収納し易い形は重ねる事が出来る形状と言えます。基本的には、収納に場所を取らない

    様にする事です。勿論、組み物で同じ寸法の物の場合、出来るだけ隙間無く重ねる事が大切な

    事であり、器類であれば、大中小と入れ子の状態で、順番に重ね合わせる事が可能な器です

  ) 食器には、湯飲みや、コーヒーカップの様なカップ類、ぐい呑みなどの唇を付けて使う

    食器と、唇を付ける事が無い食器に分かれます。当然この違いによって作品の形も変化し

    使い勝手も違います。

 ④  四番目に料理の映える色が挙げられます。

   洋食器の場合、白いプレート類が多いです。白い食器は、料理の見栄えを良くする働きが

   ありますが、常日頃使い続けるには、なんとなく味気ない感じがします。

   和食器の場合、季節に合わせて食器の色を変えたり、形を変えるなどして季節感を出す事も

   あります。

 ⑤ その他の要因。壊れ難い事(丈夫な事)、汚れ難い事などです。

   又、近年は食洗機も普及し、一般家庭でも使われる様になりました。その為、機械に掛け

   られる食器である事も大切な要因に成ってきました。

以下次回より、各項目に付いて、より詳細にお話して行きたいと思います。
     

素朴な疑問 135 使い易い食器とは? 2

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2) 器の最適な大きさとは?

  食器は太古の昔より使われていた物ですので、長い年月の間に使い易い大きさが自然に決る

  傾向にあります。民族により食材は異なり、料理も異なるのは当然ですが、人が使う以上

  その大きさも限られた範囲内に収まるのが普通です。

 ①  筒型の食器(容器)の場合。

  掌(てのひら)全体で持つ食器類に、湯飲みやコップ類があります。男女の差や子供などで、

  手の大きさが異なりますが、おおむね手に持ち易い寸法があります。

  ) ビール瓶の径を参考にする。

    筒型で手に持つ容器と言えば、ビール瓶が思いつきます。男女に関係なく持ち易い径のはず

    です。径を計ってみるとおよそ7cm程度です。少なくても8cm以下であれば安定して

    掴む事ができます。即ち、容器の径の2/3程度を掴み、残りの1/3が余る感じになります

  ) 「ぐい呑み」の様に、背が低い容器では、掌で掴む事は出来ません。それ故、親指と

    人差し指で輪を作って持つ事になります。そば猪口では、小指(又は小指と薬指)を除いた

    指で持つ事になります。持つ場所の径は7~8cmが適当な大きさに成ります。

  ) 徳利なども、掌で握って使う物です。酒の量によりますが、一合徳利程度の場合は細長く、

    ビール瓶の様な形の物もあります。しかし、多くの場合、湯飲み等よりも径がはるかに

    太いのが普通です。太くて持ち難い場合、胴部分を握る形に変形させる場合もあります。

    勿論、酒の量を減らす役目にも成ります。別の方法として、胴を太くし注ぎ口の下のくびれ

    部分より下を細くして、握り易くする方法もあります。

  ) 筒型の容器の場合、手が滑らない様に、口をやや広げた形にする場合があります。更に

    口縁の肉厚を厚くし、外に開く様にすると、割れ難くなる利点もあります。

 ② ご飯茶碗と丼(どんぶり)の大きさ。

   日常使う食器の中で、一番登場する回数が多いのが、ご飯茶碗です。

   ご飯茶碗は、その人専用の器である事が多いです。(属人性と言います)その為、気に入った

   形や大きさが要求されます。

  ) 男性用、女性用、子供用などがあり、口径も各々5~10mm程度の差があります。

    注: 見た目ではかなりの差が有るように見えますが、実測するとこの程度の差の場合が

     多いです。

  ) ご飯茶碗の形には、口が開いた形と、すぼまった形の物があります。一般に前者で約13

    cm、後者で12cm程度の口径になります。高さは約6cm程度です。

    勿論特大に成れば、14cm以上の茶碗もあります。

  ) ご飯茶碗は常に片手で持って使用します。同様に丼も片手で持つのが普通です。

    テーブル(食卓)から持ち上げ、食事中更に箸(はし)休めの時も、片手で食卓の上に置く

    事になります。それ故、持った時不安定であっては成りません。

    勿論持ち方にもよりますが、一般には、親指を茶碗の口縁に掛け、他の4本の指で下部を

    支えて、安定した持ち方をします。

   a) 茶碗の持ち方にも個性が出易いです。

    一般には人差し指と中指で「チョキ」を作り上に向け、高台の脇を挟み込む様にして支え

    ます。又、中指を高台内に入れ、底の中心を持ち上げる様にして支えるやり方があります。

   b) 基本的にはご飯茶碗は、ご飯を入れますが、時には汁を掛けてたり、お茶等の液体(汁)

    を入れる場合もありますので、安定して持てる大きさでなければ成りません。

  ) 丼の大きさ。

    丼と鉢との違いははっきりしません。但し、ご飯類が入り、その上に具が乗っているスタイル

    が丼です。片手で持ち上げるのはご飯茶碗と同じです。もう一方の手は箸やスプーンを持ち

    ます。一方鉢は惣菜を盛り込む器であったり、ラーメン鉢の様に麺類を入れる器で、両手で

    持ち上げる必要がある大きさです。即ち、「茶碗<丼<鉢」の関係になります。

    勿論、小鉢、中鉢とより小型の容器もありますが、基本は鉢は惣菜を入れる器です。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 136 使い易い食器とは? 3

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2) 器の最適な大きさとは?(前回の続きです。)

 ③ 皿と鉢。

  ) 一般家庭で一番登場回数の多い皿は、15cm前後のいわゆる五寸皿と呼ばれる平たい

   丸皿等です。お取り皿や銘々皿とも呼ばれる物で、数種類の五寸皿があれば、色々な料理の

   時にも重宝に使えます。

  ) 煮魚や焼き魚を盛る長方形の角皿も、割合出番が多い皿です。真平では汁や醤油などが

   流れてしまいますので、四辺がやや盛り上がった方が便利です。

   a) 秋刀魚(さんま)皿の様に、25~30cm以上と細長い角皿は、例外的な存在で、

     一般には長さが20cm、横幅が15cm前後の皿が使い易いです。銘々に魚(切り身)

     が付きますので、人数分の皿があれば理想的です。

   b) 平たい皿に足(脚)を付けたい処ですが、これが意外と難しく、本焼きで変形し易いです

     ので、足無しにした方が安全です。形に付いては後でのべます。

  ) 数枚の大皿も役にたちます。家族の多い家庭では、大皿に料理や惣菜を盛り、銘々の皿に

    取り分けます。尚、大皿の定義はありませんが、径や一辺が25cm前後からそれ以上の

    皿と思って良いでしょう。 円形だけでなく、楕円や角皿などの変化のある大皿も、食卓上の

    場所を取らずに、見栄え良く配置する事もできます。

  ) 大鉢とは、深さのある直径が23cm前後以上の器で、深さによって浅鉢、深鉢などと

    呼ばれる事が多いです。煮物や汁物を入れ食器として活躍しますが、汁が無い料理などにも

    使われます。直径や深さの異なる鉢は、入れ子の状態で次々に重ねる事が出来ますので、

    さほど収納間所を占拠する事もありません。

3) 器の重さ(重量)の問題。

  食器は軽い方が取り扱いがし易いです。食器は食事前、食事中、食後にも移動を伴うのが普通

  です。即ち、食事の準備から食器類はテーブルに並べられます。又大皿や大鉢などは、キッチン

  (台所)に運ばれ、料理を盛った後、テーブルに移動します。この段階でもかなりの重量に

  成ります。食事中でも、小皿中皿、小鉢中鉢などの食器類は移動する事もあります。食事後には

  洗い場への移動が必要です。この様に常に持ち運ぶ事が多い食器は、軽い方が断然有利です。

 ① 同じ大きさでも軽く感じる物と、重たく感じる物があります。

  ) 基本的には、肉厚に関係します。当然肉厚が薄い方が軽くなります。

    但し、磁器と異なり、陶器の場合は肉が薄くなると、機械的強度が低くなりますので、

    磁器程薄くする事は出来ません。

  ) 陶器では、口縁の肉厚が薄い場合、作品が貧弱に見えてしまいます。

    肉厚であるか、肉薄かを見た目で判断するのは、食器の口縁を見て決めます。

    それ故、口縁のみを肉厚にすれば、作品の貧弱差は無くなり、且つ重みも軽くする事が

    できます。

  ) 同じ重さでも、形によっても軽さの感じが異なります。

   a) 作品の大きさによって違いが感じられます。小さい物は重く、大きい物は軽く感じられる

     ものです。

   b) 持ち易い食器は軽く感じ、持ち難い食器は重たく感じます。

     持つ場所が特定できる様に作れば、更に軽く感じられます。

   c) 食器の重心部分をバランス良く持てば、軽く感じられます。即ち、左右対形の食器は

     軽く感じられます。料理を盛った場合、重心は変化しますが、料理を均等に盛り付け

     れば重心が左右にずれる事はありません。

   d) 持ち手(把手、取っ手)のある食器類は、持ち手が食器の上部に設けられた方が、

     持った際、軽く感じられます。又、持ち手の部分が、食器本体より外側に離れる程、

     重く感じられる物です。コーヒーカップの様な器では、何本の指で持つかによって、

     重みに違いが出ます。一本指が一番重く感じます。その為、持ち手の上部に親指が掛かる

     部品を取り付けると、器も安定し軽く感じる様になります。

  ) 同じ重さであっても、重たい色、軽く感じる色もあります。

    一般に黒っぽい色は、重たく感じる物です。逆に白っぽい色、又は淡い色は軽く感じられる

    と言われています。但し、黒色は重厚感があり、料理を美味しそうに引き立てる効果が

    あ人気の色です。

 ②  あえて食器を重くする事もあります。

   特に、「ぐい呑」は重量感のある物が喜ばています。又、料亭など料理を美味しそうに見せる

   為、料理を引き立てる為、あえて肉厚の食器(皿類が多い)が用いられています。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 137 使い易い食器とは? 4

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3) 器の重さ(重量)の問題。(前回の続きです。)

  ③ 器を軽く作る方法。

   器を軽くするには、制作時に軽くするか、削り作業で軽くする方法があります。又、土によって

   重い土と軽い土がありますので、軽い土を使うのも一つの手ですが、軽い土は密度が低く、

   隙間の多い土(ざっくりした土)とも言えます。その為、良く焼き締まらず、機械的強度が

   弱い、即ち壊れ易い土でもあります。但し、ざっくりした土は、保温性に優れて(冷め難く、

    暖まり難い)いますので、その利点を生かして使う事もできます。

  ) 制作時に軽く作る。 この方法が一番正道です。

    轆轤作業で作品を軽く挽く事は、かなりの熟練を要します。多くの場合、底から胴体に掛けて

    多くの贅肉が付きます。逆に口縁周辺は、薄くなり勝ちです。

   a) 轆轤の作業中は、肉厚に注意して轆轤挽きすべきですが、初心者の人は作品の形に気が

    向いてしまい、厚みに注意しない事が多いです。肉の厚みは、片手の親指と人差し指又は、

    中指で摘む様にして、又は両手の指を向かい合わせて計る事ができます。土を上に伸ばす

    過程で意識しなくても、自ずから身に付く技術ですが、ある程度の練習が必要です。

   b) 肉厚は底の近辺が厚く、上部に行く程、肉を薄くしますが、極端に薄くしない事です。

    轆轤作業では、肉の厚い部分を薄くする作業は、さほど難しくは有りませんが、逆に肉薄の

    部分のみを厚くするのは、かなり高度の技術が必要になります。

    特に部分的に肉薄部分が発生すると、その部分に「撚れ(よれ)」が発生し易いです。

    この撚れを取るのにも、それなりの技術が必要に成ります。その為、肉が極端に薄くならない

    様に轆轤挽きします。

  ) 轆轤作業では、底削りを行うのが普通です。高台を削り出すのが目的ですが、高台のみ

    でなく、高台から胴部分に掛けての贅肉を取る事で軽く出来ますが、器の内側を削る事は

    少なく、外側を削ります。但し、外側を削ると形が変わりますので、削る事を念頭に置き

    少し太めに作る事です。

    注意する事は、削る量が少なく、再度削り作業を行う時に、最初の時と同じ状態で轆轤上に

    据える事が意外と難しい事です。即ち、中心がズレてしまい勝ちで、片削りになり易く

    なります。

  ) 手捻りの作品は制作時に肉が厚くなる傾向があります。

    それ故、大まかに形が出来たら、不必要な部分の土を削りとるのが普通です。

    手捻りでは、削りながら肉厚を確認できる利点があります。

    a) 削り出しで軽くなる重さは、削りカスの重さで決まりますが、意外と軽くは成らない

     ものです。それは、削る深さが浅い為でもあります。鉋(カンナ)等で削り出しますが、

     50g程度軽くする為には、こんなに削るのかと思うほど削る必要があります。

    b) 計量しながら削る事。削りで何g軽くなったかを計測する。勿論手に持って重さを

      確認できますが、秤(はかり)を使う事で、組物の食器類の重さを統一する事が可能に

      なります。

4) 使い易い食器の条件 形(かたち)。

  洋食器の形は、割合変化が少ない様に見受けられます。一方和食器は多くの形が存在します。

以下次回に続きます。  

素朴な疑問 138 使い易い食器とは? 5

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4) 使い易い食器の条件 形(かたち)

  洋食器の形は、割合変化が少ない様に見受けられます。大小はありますが、一つの食器

  (主に白色のプレート類)で、色々場合に対応している様です。

  一方和食器は多くの形が存在します。和食は、器を楽しみながら料理も楽しむものと言われて

  います。やや大振りの食器に、控えめの料理を盛り付けると、見栄えが良くなり、ご馳走も

  美味しく見えるとされています。その器の形も様々です。

 ① 形は良いのだが、中々出番の無い器もあります。

  a) 多くは食器戸棚から出すのが面倒とか、他の場所に収納している為とか、その他

    形が大き過ぎたり、小さ過ぎる場合。又、浅過ぎる、深過ぎたりした器などの為です。

  b) この食器に似合う料理や惣菜が無い場合など。正月など特別な期間に使い、普段使わない

    食器も多く存在します。

  c) 奇抜過ぎる形の器も中々使う機会がありません。奇抜な器はそれ単体では、良いのですが、

    他の食器との組み合わせでは、一瞬目立ち過ぎ、他の食器との調和が保たれない弊害も

    あります。

  d) 使い勝手が悪い器。 

    茶碗などもお茶漬けなどの場合、口(唇)を付けて使用する場合があります。同様に丼も

    口(唇)を付けて使う事も多いです。口を付ける食器と付けない食器では、口縁の作り方が

    異なります。口を付けるの器は、スープ等の液体を直接器から飲む場合に問題になります。

    口縁が外側に広がった形のものは、唇の端から液体が流れ出す危険があるからです。それ故

    出来るだけ垂直に近い方がスムーズに飲む事ができます。 

 ② 平たい角皿に足(脚)を付ける時の問題点。

  ) 足の付いた平皿は、テーブルより浮き上がり、軽さを感じると共に、料理の見栄えを良く

   する効果があります。持つ際にも指が器の下や脇に入り込む為、持ち易くなります。

   但し、本焼きの焼成では、「へたり」易くなりますので、足の取り付け位置に注意すると共に

   「へたり」が出ない様に、何らかの処置が必要です。

  ) 「へたり」の原因は、高温で素地が軟らかくなる事です。それ故、平たい皿はその形を

    そのまま保持する事が出来なくなり、足と足の間が垂れ下がる事になります。素焼き程度の

    低い温度では、この様な事は起こりません。

  ) 本焼き時に、垂れそうな場所を下から支える必要があります。一般的には、赤貝、蛤、

    あさり、蜆(しじみ)など二枚貝の片割れに玉にした粘土を詰め、貝が作品に当たる様に

    置きます。置き場所は複数個になります。玉にする粘土の量によって、高さを調節します。

    焼成後に、貝は簡単に崩れ去ります。水に漬けるとより効果的に剥がれます。

    貝の当たった場所は、貝の跡が付きますが、これも景色として鑑賞できます。 焼成後、

    足に「ガタツキ」が無い事を確認します。

 ③ 季節に応じて、ある種の食器を替えるのも良い嗜好かも知れません。

  ) 特に変わった形の物が多い物に、小物の箸置きがあります。野菜や動物、日用品のミニ

    チュア番などが多いです。酒気の「ぐい呑」等も色々な種類の形を収集している方も多い

    です。

  ) 季節を反映する器。

    春夏秋冬の、桜や紅葉、季節の風物を模した器や、筍(たけのこ)や茸(きのこ)

    類、秋刀魚など、その季節になると、食卓に上る食器類もあります。冷奴なども夏のご馳走

    になります。 多くの場合、形もありますが、次回に述べる色である事の方が重要事項に

    なります。    

 ④ 収納し難い食器。

  ) いかに場所を取らずに収納できるかも、大切な要素です。即ち、上手に重ねる事は出来る

   形状である事です。又、丸い食器は収納スペースに無駄が出来やすい形状に成っています。

  ) 高い脚(足)の付いた食器も、収納し難い食器といえます。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 139 使い易い食器とは? 6

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5) 料理の映える色の食器は出番があります。

   洋食器の場合は、白いプレート類が多いです。白い食器は、料理の見栄えを良くする働きが

   ありますが、常日頃使い続けるには、なんとなく味気ない感じもします。

   和食器の場合は、季節に合わせて食器の色を変えたり、形を変えるなどして季節感を出す事も

   可能です。 陶器の世界では、形や大きさなどより、色合を重視する傾向があります。

   少々歪(いびつ)で有ったり、手取りが悪い(持った時に持ち難いなど)場合でも、色合いが

   良い器は、積極的に使用され易いです。

  ① 食器の色は、料理の色とマッチし、料理を引き立てる必要があります。

   勿論、白い器の様は、どんな料理の色とも合う存在ですが、ある程度個性ある色の器も良い

   物です。一般に和食器は渋い色合いの物に人気がありますが、時には明るく華やかな色も

   使われる事もあります。

   ) 釉の色は数百~数千色もあると言われています。

    白系、黒系、透明系、緑系、青系、紫系、灰色系、赤系、黄色系、茶色系等と多種多様です。

    更に、掛け分けの様に、二色以上の釉を使う事も稀ではありませんので、組み合わせでは

    膨大の数になります。一つの系の中には、十数種類の色が存在します。但し、陶芸を楽しむ

    多くの方は、使う釉はある程度決ってしまいます。なぜなら、釉の管理が大変であるから

    です。又、熔ける温度を揃える為に、ある程度の制約が必要です。

   ) 食器の色には、洋食用と和食用がある様に感じられます。厳密に分ける訳にはいきま

    せんが、鮮やかな青色のトルコブルーや、レモン色の様な鮮やかな黄色などは、洋食器に

    多く用いられます。派手な色の和食器は、料理を殺してしまうとも言われています。

   ) 釉の分類として、光沢系と艶消し(マット)系、結晶系があります。

     光沢のある釉が多いですが、渋みのあるマット系の色を好む方も多いです。

  ② 食器を使う際、色をある程度統一する方法もあります。それ故、全く異なる色ではなく、

    ある程度に似通った色の食器を揃えるのも、一つの手です。又、ワンポイント的に、一点

    のみを他とは異なる傾向の食器を使うのも良いでしょう。

  ③ 絵が描かれている食器の場合、その絵が料理の邪魔をする事があります。更に、料理で絵が

    見えなくなる場合もあります。

   ) 一般に皿に絵を描く場合には、絵を引き立てる為、以下の方法があります。

    a) 皿の周囲に絵柄を設け、中央は無地にする方法。

      料理を盛り付けた際、周囲の絵柄が常に見えます。

    b) 中央にワンポイントの絵柄を描く方法。

      最初は絵が見えませんが、料理を食べるに従い、絵柄が現れてきます。これも楽しい

      趣向です。

    c) 皿全面に絵柄を描く方法。和食器の場合、ややしつこい感じの食器と見なされる場合が

      あります。

   ) 陶器の絵付けは主に、下絵付けで行う事が多いです。

    特に、染付け(青花)と呼ばれる呉須(コバルト)で描かれた文様は、古くから人気のある

    食器です。絵柄はあっさりした物で、何が描かれているかが、判然としない場合も多いです。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 140 使い易い食器とは? 7

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6) 使い難い食器。その他の要因。壊れ難い事(丈夫な事)、汚れ難い事などです。

  近年は食洗機も普及し、一般家庭でも使われる様になりました。その為、機械に掛けられる食器

  である事も、使い易い食器の大切な要因に成ってきました。

 ① 陶磁器は割れ物、壊れ物で、消耗品ともなっています。又、陶器は磁器に比べ機械的に弱く、

  若干吸水性があり、料理の汁を吸い込みますので汚れが発生し易いです。特に貫入のある食器に

  は、茶渋や汚れなどが付き易く場合によっては、黴(かび)が生える事も珍しくありません。

  黴を発生させない為には、高台の内側など、空気の流れが無い部分は、良く乾燥させる事です。

  尚、漂白剤などで汚れや茶渋をとる事も可能ですが、一番良い方法は、素焼き時に一緒に焼成

  すると、有機物である汚れは焼失させ、綺麗な状態になります。

 ② 一番壊れる事が多いのは、食器の後片付けの場合と、食器を洗う時です。

  ) 後片付けの際、食器を重ねる事が壊す一番の問題となるます。どうしても一度に数多くの

   食器を片付ける為には、食器を直接重ねて持ち運ぶ事になります。又両手に別々の食器を持つ

   事も不安定になり、取り落とすなどの破損に繋がります。床に落とすだけで簡単に破損します。

  ) 食器を洗う場合、洗剤を入れた狭い桶などに詰め込み、暫く放置する方法をとる場合も

   あります。無造作に詰め込むと、食器の口や縁が欠ける事も起こります。特に角皿などの四隅

   が丸くない場合には欠け易いです。 

  ) 欠けた場合、補修するか廃棄処分になります。

   補修には、再焼成する。割れた部分を接着剤や漆(うるし)でくっ付けた後、金継などで

   見栄えをよくする。等の方法がありますが、補修の仕方などは、以前に取り上げていますので、

   ここでは省力し、参考にして下さい。 

 ③ 上絵付けの作品の絵が剥がれる。

   金銀彩や赤絵が施された食器の表面を、強く擦る(こする)と絵が剥げる事があります。

   下絵付けで描かれた絵は、上にガラス質の釉が載っていますので、剥がれる心配はありませんが

   金銀、赤絵などは、直に作品の正面に露出していますので、強く擦ると剥がれる危険性が

   大きいです。 それ故、洗う時には、強く擦らない特に注意が必要です。

以上にて、使い易い食器の条件に付いての話を終わります。

素朴な疑問 141 作品の梱包時の注意点とは1?

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本焼きの終わった作品を遠くまで移動させる事は、様々な場面で起きます。

例えば、焼いて貰った作品を、自分で家に持ち帰る場合や、宅急便で遠くまで送る場合、更には

公募展などに応募し、作品を送る場合や送り返す場合等です。

公募展などの場合は、美術品として専門の業者に依頼する事も多いですが、それ以外は自分で荷作り

を行う事になります。いずれも、破損しない様に処置する必要があります。

1) 陶芸教室などに通っている方は、焼き上がった作品をご自分で、何らかの方法で梱包し、

  自宅に運ぶ事になります。持ち帰る手段として、バッグや手提げ袋、リュックサック等に入れて

  徒歩で帰る場合や、自転車の籠に入れて運んだり、自動車や電車で運ぶなどの方法が考えられ

  ます。又、焼き物店や、骨董店(市)で購入した作品も、梱包して貰い持ち帰る事になります。

2) 焼き物を梱包する。

  短距離でも、焼き物をそのまま裸で持ち帰る事は、ほとんどありません。紙一枚でも包む事で

  破損の危険が極めて少なくなります。特に複数の作品同士は、直接接触しない様にする事が

  大切です。

 ① 焼き物を梱包するには、厳重に行う方法と、簡易的に行う方法があります。

  宅急便など他の第三者に移送を依頼する場合は、厳重に梱包し、ダンボール箱などに入れなけ

  れば成りません。 一方、自分で持ち帰る場合は、比較的簡単な梱包ですみます。

  焼き物は一個一個梱包し、更にそれらを一個にまとめる方法をとる事もあります。

  作品は、一般に新聞紙やチラシ広告などでの紙類で、一個一個包みます。

  ) 大きな器に小さな器を、入れ子の状態で重ねるとより安全になります。

    この状態で更に大きめの紙で包みます。

  ) 摘みのある蓋は、逆さにして本体に被せる事により、摘み部分を守る事ができます。

    この場合も、本体側と、蓋部分を別々に紙で包み、両方を更に大き目の紙で包みます。

  ) コーヒーカップの様に持ち手(把手)がある場合や急須の注ぎ口や、持ち手等の様に突起

    状の場合は特に気を付ける必要があります。

    特に、取っ手部分等は、紙を短冊状に切り、巻き付ける様にします。この状態で更に全体を

    紙で包みます。即ち取っ手部が二重に包む事なります。

  ) バッグや手提げなどに複数の焼き物を入れる場合、作品の天地を決める事と、皿類の

    収納をどうするか問題になります。原則は安定した状態で詰める事です。

    即ち、作品の量が少ない時には、バッグや手提げなに余裕がある場合、焼き物が中で遊びが

    あり「ぶらぶら」すると、作品同士がぶつかり破損する事もあります。

    それ故、なるべく「きつめ」に収納したいです。皿類も平面的に置くよりも、立てた方が

    衝撃に強い場合があります。特に平らに置いた皿類の上に、他の作品を重ねて収納する場合

    皿類が破損する恐れがあります。尚、焼き物を入れた手に持った手提げやバッグ類を、

    取り落とすと確実に中の焼き物は、破損します。それ故、紙袋などでは、焼き物の重みで

    底がに抜けない様に補強するか、底に手を添えて持ち運ぶ事を薦めます。

3) ダンボール箱に梱包する際の注意。

以下次回に続きます。
  

素朴な疑問 142 作品の梱包時の注意点とは2?

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3) ダンボール箱に梱包する際の注意。

  ダンボールには、市販の化粧箱や普通のダンボール箱を使う場合、スーパー等に置いてある適当

  な大きさの箱を利用する場合があります。 

 ① 市販のダンボール箱は、ネットショップや梱包材料店、各種資材館、DIY、更には100円

   ショップ等でも手に入れる事ができます。又、梱包する為には、ガムテープや各種の緩衝材等

   が必要です。

  ) 市販の物には、無地のダンボール箱や、白色無地箱(白箱)などがあります。

    一個のバラ売りから数十個単位まで色々です。 大きさは規格品ですので、必ずしも満足の

    行く大きさがあるとは限りません。ご自分で作り直す必要がある場合も多いです。

  ) 必要な緩衝材には、一般に「プチプチシート」と呼ばれるエアークッションがあります。

    その他、新聞紙などの紙類(包装紙)でも十分対応できます。

  ) ガムテープ(クラフトテープ)も箱に蓋をする時や、箱を補強する時に使います。

    いずれも、ダンボールを売っている処や、100円ショップなどで入手できます。

    以前は、ダンボルー箱にビニール製の紐を掛けて持ち易くしていましたが、現在ではほとんど

    見掛ける事も少なくなりました。

 ② 各家庭にある適当なダンボール箱(中古品)や、スーパー等に置いてある箱を見つけ出し、

   利用する方法もあります。やや大きめの箱を、自分好みの大きさに作り変える事も、さほど

   難しくありません。カッターナイフでカットし、クラフト(ガム)テープ等で貼り付け組み立

   てます。ダンボールの紙厚は3、5、8mmと有りますが、一般には5mmが多いです。

 ③ 宅急便で送る際には、送る地域と大きさに拠って運賃も異なりますので、なるべくコンパクト

   にする必要があります。運賃は縦横高さの各寸法の合計で決まります。重さには関係しません

   尚、宅急便の会社として、「クロネコ大和」「佐川急便」「郵パック」などがあります。

 ④ 箱の大きさは、大き過ぎても、小さ過ぎても、巧く作品を詰める事はできません。

  ) エアークッションで包んだ作品は、紙で包むよりかなり大きくなります。

    作品の大きさ、形、数量によって箱の大きさが異なります。

  ) 量産品と異なり、一品物が多い作品では、形や大きさが常に一定している訳ではありま

    せん。それ故、常に、最適な箱が手元にあるとは限りません。箱を自分で作ったり、一部

    手直しをする必要になる事も多いです。

 ⑤ 箱詰め手順。

  ) 作品の重量で箱の底が抜けそうな時には、箱の内側の底をガムテープで補強します。

    底にエアークッションを敷き衝撃に強くします。

  ) 全ての作品をエアークッションや包装紙で包んだら、大きな作品から詰めていきます。

    小さな物から詰めると、大物が箱に入らない場合もあります。大物を、中物、小物の順で

    入れます。

  ) 大物が箱の中で「ガタガタ」しない様に、箱の壁と大物の間に小物を入れます。

  ) 全てを入れ蓋をして、箱を振って「ガタ」が有るかを確認します。「ガタ」がある場合

    には、隙間にクッション材を入れます。「ガタ」があると、内部の作品同士がぶつかり、

    破損する恐れがあります。 即ち、作品と四方の壁、作品と蓋との間に「ガタ」(隙間)が

    ない様にします。箱全体を揺する事で確認します。「ガタ」がない事が確認できたら、

    蓋を閉じ、ガムテープで蓋が開かない様に固定します。

4) 発送の手配。

 ① 宅急便で送りたい場合には、送り状に所定事項を書き込み添付し、更に指定の「ガラス、

  ビン、セトモノ」等の壊れ物のラベルを貼ります。以前は荷物を放り投げる様な行為もあった

  様ですが、近年は、丁寧に扱う様になりました。

  注: 送り状には、元払と着払いの色違いの伝票があります。配達指定日や配達時間なども

    指定する事もできます。

 ② 運送屋に取りに来て貰うか、コンビニ等の取り扱い店に持ち込むか、自ら営業所に持ち込む

   事になります。当然、直接持込の方が安いです。一個に付き100円程度の差があります。

  ) 宅配業者に取りに来て貰うには、ネット又は電話の方法があります。

     日時を指定して取りに来てもらいます。

  ) 近辺の他県(市)には、一般に翌日には届く場合が多いです。

以上で梱包の話を終わります。

    

素朴な疑問 143 手や指の使い方とは1

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陶芸では手や指を使って、作品を作り上げます。陶芸に限らず工芸や美術品はほとんどが手作業と

言えます。電動轆轤を使ったとしても、手の作業が入らなければ作品には成りません。但し鋳込み

成形や機械轆轤などを使う事によって、手作業は大幅に少なくなります。

手は最良の道具とも言われています。特に研ぎ澄まされた手の触覚は、どんな精密な機械でも追い

付く事はできません。勿論高度の触覚を会得するには、数十年と経験を得る必要があるものが多い

です。陶芸に於いても、手や指は単に土(粘土)を触るだけでなく、「コテやカンナ」などの用具を

使う際や、作品に絵や文字を描く際、更には、釉を掛ける際にも重要な働きをします。

当然作業の種類によって、手の使い方も変化します。

今回のテーマは、手や指の使い方に付いてお話します。尚、過去の記事にもある程度の手や指の使い

方に付いて述べていますので、重複するかもしれません。ご了承下さい。

1) 手や指の使い方の種類。

 ① 手や指のどの部分を使うか。

  作業の種類によって、手や指の使う部分が異なります。両手で行う方法と片手で行う事がありま

  すが、基本は両手で行います。(又は、左右均等とは限らず、片手が主で他が従の場合も多い)

  ) 掌(手のひら)全体を使う場合。

    接触範囲が広いですので、土などが軟らかい場合には、強い力を入れる事は出来ません。

   a) 乾燥している作品や完成している作品を両手で持つ場合、底に手を当てる事が出来る形で

    あれば、必ず片手は底を持つ事です。素焼きまでの作品は、カップ等の取っ手部を持つ事は

    危険です。

   b) 電動轆轤や手回し轆轤上に粘土を据える場合、両手の掌で掴み、轆轤面に押し付ける様に

    据えます。

   c) 手捻りや電動轆轤作業で、作品が歪んだりした場合両手で抱える様にして補正します。

   d) 電動轆轤の場合、表面を水で濡らす際、両手で抱える様にして、下から上に手を移動

     させます。

   e) 板状の平らな板を作る場合、掌全体を下に向け、土を直接叩く場合があります。

    但しそれほど強く叩ける訳ではありませんので、少ない面積の時に行うのが普通です。

    広い面積の場合は、叩き板や伸し棒を使う事が多いです。

   f) 土の紐を作る場合、板の上で転がしながら丸い紐を作る方法があります。

    その際、両手の掌を下にして、粘土を転がしながら、手を左右に開き細く長くします。

    使う掌の範囲は、指部分のみ、掌のみ、指と掌部分の両方を使う方法があります。

    両方使う場合が前後の振幅が一番大きいです。効率が良いですが、微妙な太さや同じ太さの

    紐が作り難いです。指のみを前後した方が細い紐が作り易いです。

   g) 掌全体を使って作品の外側を押さえ、土延ばしや成形など轆轤作業をする方法も見掛け

     ますが、接触面積が増え摩擦抵抗も増えますので、作品に悪い影響を与える可能性があり

     ますので、なるべく接触面を少なくする方が良いでしょう。(この件は後で述べます)  

  ) 拳(こぶし)を使う場合。

    主に、土の塊を伸ばす場合や、土を叩き締める場合に使います。

   a) 拳を作り、親指を除く4本の指を下にして、上から叩く場合。

     力強く叩く場合にはこの方法をとります。例えば大皿を作る際、底に成る部分の土を拳で

     満遍なく叩き、土を締め底割れを防ぎます。但し、この方法では叩いた表面が凸凹します

     ので、次に述べる方法で、表面を滑らかにします。

   b) 親指を上に小指を下にした状態で土を叩く場合。

     この場合はさほど強く叩く事が出来ません。極小面積の土や、上記の拳の仕上げ作業と

     して行う事が多いです。

  ) 掌の親指の付け根付近を使う。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 144 手や指の使い方とは2

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1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

  ) 掌(手のひら)全体を使う場合。

  ) 拳(こぶし)を使う場合。

  ) 掌の親指の付け根付近を使う場合。

    手の中でもこの部分がある広さを持ちながら、一番力が入る処です。土に強く力を与える

    事ができます。親指を人差し指に付けると、開いて使うよりも、より強い力が出せます。

    電動轆轤での土殺しの際の延べ上げ、延べ下げの時に多く使います。特に延べ下げの場合

    高く伸びた土の頭部近くを抱え込み、左前方に押し倒す(轆轤は時計回転の時)事で、

    延べ下げがそれほど力を使わずに、難なく巧くできます。

  ) 掌の小指の付け根から手首付近を使う。 

    親指を除く4本の指をくっ付けて使います。やや掌を内側に曲げます。粘土の裾野付近に

    力を入れる場合は、この場所の指を使います。 又筒状の作品の径を更に細くする場合も、

    掌全体に筒を包み込む様にし、小指の付け根付近に力を入れ、径を細くします。

    尚、径が太い場合には、親指を他の指と離して押さえる範囲を広くします。

 ② どの指をどの様に使うか。

   陶芸では、指の爪は長くしておくと作業が出来ませんし、爪が引っ掛かりますので、ある程度

   短くしておく必要があります。尚、常に轆轤作業をしていると、爪が擦り切れ長くなりません。

  ) 指の使い方として、指の先端部分、指先の腹の部分、指の掌側全体、及び指の側面があり

   ます。主に指を伸ばして使う事が多いです。その他に、拳(こぶし)を作り、人差し指の

   第一関節を外側に押し出し、この関節を使う事があります。主に轆轤挽きの際、作品の外側に

   強い力を与える時に使います。又、指と指の間(人差し指と中指の間、親指と人差し指の間)

   を使う場合もあります。更に土を内外から摘み肉厚を薄くする場合も、親指と他の指を向かい

   合わせて使います。これらの使用方法の詳細に付いては後で述べますが、場面に応じて使い分

   ける事になります。陶芸を続ける為には、マスターして置くべき事柄となります。

  ) 指の使う場所によって、力の強さが変わります。即ち、土に接する面積が狭い程、力強さ

   が土に伝わります。陶芸がある程度力仕事ですので、力を有効に使う為には、状況に応じて

   どの指をどの様に使うかを考えなければ成りません。(即ち、力より技です。)

  ) 指の先端部を使う場合。

   a) 親指の先端部を使う場合。手捻りの玉造りや(電動)轆轤作業の最初の作業でもある、

    土の中央に穴を掘り込む時に使います。轆轤(手回し、電動など)を回しながら、親指を

    真下に向け指先に力を入れて堀り込みます。電動轆轤の場合は指を濡らしますが、手捻りの

    場合は水に濡らさない事です。片手の場合も有りますが、両手の親指同士をくっ付けて

    使うと、手もブレず綺麗な円が掘れます。

   b) 中指の先端部を使う。

    上記の様に親指を使って土の中心に穴を開ける方法では、親指の長さまでしか穴はほれません

    それ以上深く掘り込む場合は、中指を使います。中指を真下に向け、指先に力を加えて

    掘り込みます。但し、掘り込み過ぎて、底に穴を開けないでください。

  c) 人差し指、中指、薬指の指先を揃え、線状にして使う場合。

    電動轆轤では、内側と外側から押し合い、土を薄く伸ばす事に成ります。その際、外側の

    力を強くすると土は上に伸びます。力は指先が土の外壁に直角に向った時に強くなります。

    掌(てのひら)の様に面で押さえると、力が分散し強い力が出ません。

  ) 指の腹を使う場合。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 145 手や指の使い方とは3

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1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

   陶芸に於いては、指の使い方は、当然人によって違いがあります。各自使い易い指で使い易い

   方法で作業するのが本筋ですので、今まで述べて来た事や、以下に述べる事はあくまでも

   参考程度としてお読み下さい。

  ) 指の腹を使う場合。

   使う指は主に、親指、人差し指、中指です。単独で使う場合も有りますが、同じ手又は別の手

   や2~3本の指が協力して作業を行う事もあります。具体的には、以下様な事柄です。

   a) 手捻りの場合(紐作り、玉作り等)、筒状の作品の壁の肉厚を薄くする為、親指に人差し

    指と中指の腹を向かい合わせ、摘む様にして肉厚を薄くします。一箇所のみを薄くするので

    はなく、全体が同じ厚みになる様に、徐々に行う事が大切です。

   b) 紐作りの場合、巻いた紐の繋ぎ目を消す為に、親指の腹や人差し指の腹を使い、紐土の

    表面を斜め方向に滑らす様に移動させて、繋ぎ目を無くします(消します)。

    肉の厚い方から、薄い方に移動させます。

   c) (電動)轆轤作業の場合、土を筒状に上に薄く伸ばす際にも、片手の親指と人差し指を、

    又片手の人差し指又は中指の腹と、他の手の人差し指や中指を向かい合わ、肉薄にし上に

    伸ばします。指の腹を使う事で土との接触面積を減らしますので、抵抗による土の捩れ

    現象が少なくなります。

   d) 轆轤で鶴首の様に細く長い形にするには、両手の親指と人差し指の腹を、等間隔にして

     四方から押さえ、徐々に細くして行きます。土の逃げ場が無い様にするのが上手に細く

     する「コツ」です。

   e) 同様に轆轤作業で口縁の肉厚を厚くしたり、高さを揃える場合には、人差し指の腹で縁を

    上から押さえますが、縁の内外も親指、中指の腹で押さえます。

   f) 轆轤上で皿の中央に渦巻き文様を入れる場合には、水で濡らした人差し指の腹を使います

    轆轤の回転速度と指の移動速度によって渦の巻き具合も変化します。作品の胴体に轆轤目を

    入れる場合にも、両手の指を向かい合わせ、指の腹を使いスピードを持って上に手を移動さ

    せます。

   g) 指描きの技法では、人差し指を使います。

    指描きは、化粧土を塗った表面を指で強弱を付けて、移動させて模様を描く方法です。

    素地が生の状態の時や、施釉時に釉を指で移動させて行う事なります。

    指の使い方による太さの差と、スピード感のある模様が見所となります。

   h) 小さくて軽い物を持つ場合、指の腹を使うのが一般的な方法です。

    轆轤作業の口縁をな「めし皮」で拭く行為や、「コテ」類を持つ場合も指の腹を使います。

    緩やかに掴むには、指の腹を使います。しっかり掴む場合には、掌全体を使うか、鉛筆持ち

    の様にします。

  ③ 指を使う時の注意。

   基本的に、片手の指を使うときでも、単独で使う事は少ないです。必ずその指をサポートする

   必要があります。単独では「ブレ」て位置が固定出来ない為で、結果的に作品が思い描いた

   形には成りません。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 146 手や指の使い方とは4

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1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

 ③ 指を使う時の注意。

   基本的に、片手の指を使う時でも、単独で使う事は少ない様です。必ずその指を何らかの

   方法で サポートする必要があります。単独では「ブレ」て位置が固定出来ないからです。

   特に、轆轤作業は綺麗な形(対称形)にするには、指が所定の位置に有る事が重要です。

   更に状況に応じて、力に強弱をつける必要があります。

 ) 使う指を必要な位置に置くには、手が「ブレ」無い様にする為に、使う手の腕の肘を

    太ももや脇腹にくっつけて固定します。即ち、両腕と体で三角形にします。

    手捻りの場合は、さほど注意する必要はありませんが、轆轤作業では、三角形と言う一番

    安定した形にする事で、外部からの力に強さを発揮します。これを省くと、手の位置が

    固定されません。更に、他の手や指を使って、堅固に固定する場合が多いです。

    その方法には下記の様なやり方があります。

  a) 他の手全体で、使う手(指)の手首を掴む(押さえる)。

    単に押さえる(支える)だけでも、効果があります。

  b) 他の手(掌)で、使う手の甲を押さえる。

    但し、強く押さえる必要はありません。三角形を作るのが目的です。

  c) 他の手や指で、使う指の付け根を押さえる。

  d) 親指単体を使う場合には、親指が短く太い為に、必ずしも三角形にする必要はありません。

    当然、掴む(押さえる)位置が使う指の近辺であればある程、「ブレ」は小さくなります。

    但し、指を柔軟に使う場合には、使う指から遠い場所を掴むことになります。

 ) 左右の手が協力して作業する場合。

   協力する為には、両者を連結して使います。即ち、親指同士を組み合わせ、両手がバラバラの

   動きをしない様にします。親指同士の組み方は色々あります。単に親指のみを「X」形に組み

   合わせる方法と、更に、親指と人差し指の付け根とも組む方法があります。後者の方が位置が

   しっかり出ますが、指が自由に動かす範囲は狭くなります。  

  a) 一方が主役で片方が従の場合。

   手捻りの場合、無意識の内に作業する事が多いです。即ち利き手(主に右手が多い)が主役に

   なる事が多いです。一方轆轤作業では、形造りに入ると径を広げるのは右手(内側の手)が

   主役で、径を小さくするのは、左手(外側)の場合が多いです。主役の手で押されたら、

   従の手は押されて逃げなければ成りません。「がんばって」いると形になりません。

   尚、外側の手の肘はどんな時にも体から離さない様にします。背の高い作品ではどうしても

   肘が浮き易いですが、肘を中心とした円弧運動にすれば、離れる事はありません。

  b) 両方が主役の場合。

   手捻りでも轆轤作業でも、両方の手を均等に使う場面も多いです。

   例えば、轆轤の土殺しの延べ上げでは、両方の手を均等に使います。即ち両手の腕の肘は

   太もも又は脇腹に固定する必要があります。土を薄く延ばす際にも均等に使います。

   又手捻りの紐造りでも、左右対等の働き出なければ、綺麗な紐は出来ません。

 ) 使う手の力の入れ方(強弱)。

   肉の厚い処では力を入れ、肉が薄い部分では力を抜くのが基本です。又、土が硬い場合には

   力を強く、軟らかい土の場合には、弱い力で済みます。それ故、制作途中では、轆轤に限らず

   肉厚を確認したり、土の軟らかさ等も実感(確認)しながら制作する事に成ります。

以下次回に続きます。

素朴な疑問 147 手や指の使い方とは5

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1) 手や指の使い方の種類。(前回の続きです)

 ① 手や指のどの部分を使うか。

 ② どの指をどの様に使うか。

 ③ 指を使う時の注意。

  ) 使う手の力の入れ方。(力の強弱)

  a) 肉の厚い処では力を入れ、肉が薄い部分では力を抜く(弱い力)のが基本です。

   但し作品を制作中では、刻々と厚みが変化します。特に轆轤で制作する時はこの現象が

   顕著に現れます。即ち制作が進むに従い、肉厚が薄くなるのが普通です。それ故、徐々に

   力を抜きながら制作する事が多いです。肉が厚くなり易い部分は底及びその周辺です。

   勿論ある程度の厚みがないと、上の土を支える事ができませんから、むやみに薄くする事も

   出来ません。どの程度薄くしても良いかは、経験からおのずと判る様に成りますが、初心者

   の方は、やや厚めにした方が無難です。後で削れば薄くする事が出来ます。

   逆に薄くなり勝ちな処は、口縁近辺です。即ち、初心者ほど底と口縁の肉厚差が大きくなる

   傾向があります。

  b) 土が硬い場合には力を強く、軟らかい土の場合には、弱い力で作業します。

   軟らかい土に強い力ですと、一度に変化(変形)してしまい、思うような形になりません。

   それ故、制作に取り掛かる前に、土の軟らかさ(硬さ)を確認しておきます。一般に土を

   練る(菊練)段階で判ります。但し、作品の形や大きさによって、硬い方が良い場合が

   あります。轆轤に限らず、肉厚を確認したり、土の軟らかさ等を指先で実感しながら制作

   すると良い作品に成ります。慣れない方は、形作りに囚われ、肉厚まで気が回らないかも

   知れません。特に轆轤作業では、水を使いますので、土は次第に軟らかくなります。

   軟らかくなると一見土が伸び易く感じますが、実際には伸ばしたそばから、土が下に落ちて

   しまいます。それ故、轆轤作業に時間を掛け過ぎるのは、出来るだけ避けたいです。

  c) 指や手で作品を押した場合、作品は歪みます。それ故、変形させずに肉を薄くする場合には

   押した方の反対側からも押し返す事により、力のバランスが保たれます。この内外の力の

   バランスの差により、作品の形が作られるとも言えます。

  d) 力の入れ方は常に同じではありません。状況に応じて変える必要があります。

   土を薄くする事は、比較的容易ですが、逆に土を厚くする事は難しくなります。それ故轆轤に

   慣れない方は一挙に薄くするのではなく、徐々に薄くする事です。一挙に薄くすると捩れ

   (ねじれ)や撚れ(よれ)、更に作品の振れが起こり易いです。

   この技術を習得した方が、轆轤作業に限らず、陶芸で好みの作品を作る事ができます。

  e) 電動轆轤では、回転する土(器など)の外側を担当する手が重要です。

   右回転(時計回転)の場合は左手になります。この手が形などの基準になります。

   回転の為常に遠心力が働き、作品は横へ横へと広がります。それを抑える為には、左手

   (外側の手)の位置をしっかり固定し、遠心力に負けない様にしなければ成りません。

   遠心力は回転速度の二乗に比例し、作品の径に比例しますので、手の力だけでなく、回転速度

   のコントロールも大切です。この外側の手が「ふら付く」と、土は言う事を聞いてくれず、

   形が定まりません。

 ④ 指はどの位置で使うのが効果的か?。

以下次回に続きます。
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