2) 無釉の焼き物で、水を透さない物に器(せっき)があります。
水を透さない器は、古代エジプトでも使われ、古代ローマ時代には、下水管や風呂桶として
使われています。更に、下水管はフランスやイタリアの街にも張り巡らされていました。
中国でも紀元前より器や煉瓦、タイルなどに利用されています。現在でも、耐酸器として鍋、
植木鉢、茶器、花器、食器、など家庭用品や工芸的作品が作られています。特に近年の
「クラフト展」では、器が大半を占めています。
我が国で人気のある「焼き締め陶」も器と呼ばれる物です。代表的な焼き物に備前焼(岡山県)
などがあります。
① 吸水性が無い理由。
一般的な陶土に対して、器土は石英や長石、絹雲母などの物資を多く含んでいます。
即ち、上記物質は釉の原料になる物質です。それ故、陶土が表面をガラス質で覆い、吸水性を
無くしているのに対し、素地の中にガラス質を形成する事で、吸水性を抑制している訳です。
又、他の陶土に対し焼き縮み率が、はるかに大きく、強く焼き締まり機械的強度も強くなります。
② 器土の特徴。
) 主に黒色や褐色など色が付いた土(酸化鉄による)が多く、可塑性に富み、単独でも良く
焼き締まり、制作時や乾燥時、焼成時にも変形し難い性質の土が良い粘土です。工芸に使われ
るのも上記の理由によります。尚、素地にガラス質が多くても、透光性はありません。
) 焼き縮み率が大きい為、陶器用の釉との相性が悪く無釉に成っています。即ち、一般の
釉との縮み率と一致せず、無理に施釉すると釉が剥がれ落ちます。それ故、素焼きをせずに
直に無釉で焼成します。
) 釉を施した器。
一般に乾燥素地に直接施釉(生掛け)し本焼する事もあります。釉は食塩釉を使う事が多く、
その他、白化粧掛けや酸化コバルト等で、下絵付けを施す場合もあります。当然、釉は素地の
収縮率に合わせる必要があります。
近年は、各種の粘土を調合(ブレンド)し、施釉出来る器土もある様です。
) 焼け締まり温度は、土の種類によって若干差が有りますが、約1160℃(sk-4a)程度です。
耐火度は以外に高く、1710℃位との事です。
焼き締まり温度幅(焼固と熔融温度の差が少ない等)を調整する為に、耐火粘土やシャモット、
石英などを添加し、温度範囲を広げます。更に焼き締め温度を高くする場合には、他の粘土を
添加したり、温度を下げる場合には、長石、石灰、疑灰石などを加えます。
) 器土の成分。
粘土物質:石英:長石・絹雲母 = 30~70%:30~60%:5~25%
注:・ 粘土物質は、形を作る為の物質です。
・ 石英は、可塑性(作り易さ)の調整、乾燥亀裂の防止、焼き縮みを調整する働きを
する物質です。
・ 長石・絹雲母は、土を焼き固め、素地の中にガラス質を作る物質です。
③ 主な器土の産地。
常滑(白泥土、朱泥土)。万古焼粘土。信楽土(黄瀬土)。萩焼(大道粘土)。備前土(干寄)。
岡山・伊部土。益子焼(北郷谷土)。相馬焼(大堀粘土、井出粘土)。笠間焼粘土。徳島大谷焼
(萩原粘土、青石)などがあります。
以上で「粘土が焼き締まるとは?」の話を終わります。
水を透さない器は、古代エジプトでも使われ、古代ローマ時代には、下水管や風呂桶として
使われています。更に、下水管はフランスやイタリアの街にも張り巡らされていました。
中国でも紀元前より器や煉瓦、タイルなどに利用されています。現在でも、耐酸器として鍋、
植木鉢、茶器、花器、食器、など家庭用品や工芸的作品が作られています。特に近年の
「クラフト展」では、器が大半を占めています。
我が国で人気のある「焼き締め陶」も器と呼ばれる物です。代表的な焼き物に備前焼(岡山県)
などがあります。
① 吸水性が無い理由。
一般的な陶土に対して、器土は石英や長石、絹雲母などの物資を多く含んでいます。
即ち、上記物質は釉の原料になる物質です。それ故、陶土が表面をガラス質で覆い、吸水性を
無くしているのに対し、素地の中にガラス質を形成する事で、吸水性を抑制している訳です。
又、他の陶土に対し焼き縮み率が、はるかに大きく、強く焼き締まり機械的強度も強くなります。
② 器土の特徴。
) 主に黒色や褐色など色が付いた土(酸化鉄による)が多く、可塑性に富み、単独でも良く
焼き締まり、制作時や乾燥時、焼成時にも変形し難い性質の土が良い粘土です。工芸に使われ
るのも上記の理由によります。尚、素地にガラス質が多くても、透光性はありません。
) 焼き縮み率が大きい為、陶器用の釉との相性が悪く無釉に成っています。即ち、一般の
釉との縮み率と一致せず、無理に施釉すると釉が剥がれ落ちます。それ故、素焼きをせずに
直に無釉で焼成します。
) 釉を施した器。
一般に乾燥素地に直接施釉(生掛け)し本焼する事もあります。釉は食塩釉を使う事が多く、
その他、白化粧掛けや酸化コバルト等で、下絵付けを施す場合もあります。当然、釉は素地の
収縮率に合わせる必要があります。
近年は、各種の粘土を調合(ブレンド)し、施釉出来る器土もある様です。
) 焼け締まり温度は、土の種類によって若干差が有りますが、約1160℃(sk-4a)程度です。
耐火度は以外に高く、1710℃位との事です。
焼き締まり温度幅(焼固と熔融温度の差が少ない等)を調整する為に、耐火粘土やシャモット、
石英などを添加し、温度範囲を広げます。更に焼き締め温度を高くする場合には、他の粘土を
添加したり、温度を下げる場合には、長石、石灰、疑灰石などを加えます。
) 器土の成分。
粘土物質:石英:長石・絹雲母 = 30~70%:30~60%:5~25%
注:・ 粘土物質は、形を作る為の物質です。
・ 石英は、可塑性(作り易さ)の調整、乾燥亀裂の防止、焼き縮みを調整する働きを
する物質です。
・ 長石・絹雲母は、土を焼き固め、素地の中にガラス質を作る物質です。
③ 主な器土の産地。
常滑(白泥土、朱泥土)。万古焼粘土。信楽土(黄瀬土)。萩焼(大道粘土)。備前土(干寄)。
岡山・伊部土。益子焼(北郷谷土)。相馬焼(大堀粘土、井出粘土)。笠間焼粘土。徳島大谷焼
(萩原粘土、青石)などがあります。
以上で「粘土が焼き締まるとは?」の話を終わります。