1) 土(粘土)や泥水の処置。 前回の続きです。
③ 下水に流れた泥水の処置。
陶芸用の小道具類や手指の泥を、洗面器の中で大まかに落としたとしても、綺麗な水で洗うと
若干ですが、泥水となって下水に流れ込みます。但し下水本管に流れ込む手前で、簡易の沈殿
槽を設ける事で、上澄み液のみを本管に流す事が出来ます。
) 沈殿槽を設ける。沈殿槽は単なる一時水を留める枡(ます)で、深さは少なくとも40~
60cmは欲しい処です。当然深ければ深いほど泥水は下水本管に流れませんし、大きければ
大きい程、大量の水を流す事ができます。尚、枡には外部から塵や埃(ほこり)、雨水が
入らない様に蓋(ふた)が必要です。
) 枡の形状は円形でも四角でもかまいません。枡の構造は上部に二箇所の同じ大きさの穴が
開いてる構造で、一方は入り口、他方は出口で下水本管に繋がっています。位置関係は直角
方向の物が多いですが、下水との関係で180度方向の物もあります。
) 入り口から入った泥水は枡に一時留まります。その間に少しずつ重たい泥は沈殿して行き
ます。 泥は一晩すればかなり沈殿しますが、大量の泥水が次から次と流れ込むと、沈殿する
時間がありませんので、そのまま下水管に流れ込む可能性があります。数個の沈殿槽を
設置すれば良いのですが、小さな工房では現実的では有りません。それ故、なるべく泥は
洗面器などで丁寧に落とす事です。
) 枡の掃除。溜まった泥は定期的に掃除する事で、取り除きます。
一ヶ月に一遍程度の頻度で掃除する事が望ましいです。柄杓で泥を掬い出しバケツに取り
ます。枡の中には、泥以外に色々な物が入り込んでいます。例えば、皮や弓、小さな剣先
(針)、布切れ、鉛筆、竹へらなどの用具類です。洗う際に誤って落とした物が多いです。
) 下水は泥だけでなく、釉を塗る為に使った筆を洗った際の釉の一部、更には石鹸なども
含まれています。その他諸々の物質が紛れ込んでいます。それ故、「ドブ臭い」匂いが
します。このままでは再利用はできません。
) バケツの泥を数ヶ月放置し、「ドブ臭い」匂いを消す。
「ドブ臭い」匂いは有機物が入り込んだ結果です。それ故この有機物を醗酵させて匂いを
取り除きます。
a) バケツの上澄み液を交換する。枡から汲み出した泥水は、放置しておくと泥は沈殿し
上澄み液と分離します。この上澄み液を柄杓などで汲み出し、新しい水を注ぎ掻き回し、
沈殿した泥を洗う様にします。
b) 1~2週間後に上澄み液を取り除き、綺麗な水と入れ替え、掻き混ぜます。
これを数回繰り返すと、徐々に「ドブ臭い」匂いは薄くなります。
c) 夏場なら3ヶ月、冬場なら6ヶ月程度上記事項を繰り返すと、無臭になります。
d) この様にして出来た泥は、色々の種類の土や釉の一部も含まれますが、作品を作る事が
出来る粘土に成っています。場合によっては、一般の土と異なる表情を持つ焼き上がりに
成る事もあります。尚、醗酵が不十分ですと、「ブク」の原因になります。
◎ 注意点: 夏場にバケツに水を貯めておくと、蚊のボウフラが湧きますので、蓋をするか、
機械油を数滴落とすか、殺虫剤を散布するなどの必要があります。
④ 洗面器の底に残った土(泥)の処理。
この泥も色々な種類の土と、釉の一部が入っている物ですが、「ドブ臭い」匂いはほとんど
有りません。それ故、数ヶ月間水に晒す必要は無く、水分を抜き練り直して使う事も可能です。
しかし、泥を洗面器の中に1週間も放置しておくと、匂いを発しますので、小まめに他の容器
に移し替えると匂いの発生を抑える事ができます。尚、匂いがある場合には上記)に準じて
処理する事です。
⑤ 床掃除などでも土の削り滓(かす)や、土埃(ほこり)が出ます。これらには、外部から
持ち込まれた、粘土以外の土や砂など紛れ込んでいますが、上手に再利用が可能です。
箒や塵取りなどで集めた削り滓などは、上記同様に水を張ったバケツに入れ貯蔵して或る程度
集まったら、練り直して使う事ともできます。尚、床には、施釉の際こぼれたり、飛び跳ね
たりした釉が混じっています。これらを完全に取り除く事は出来ませんが、水を交換する事で
或る程度取り除く事ができます。
以下次回に続きます。
③ 下水に流れた泥水の処置。
陶芸用の小道具類や手指の泥を、洗面器の中で大まかに落としたとしても、綺麗な水で洗うと
若干ですが、泥水となって下水に流れ込みます。但し下水本管に流れ込む手前で、簡易の沈殿
槽を設ける事で、上澄み液のみを本管に流す事が出来ます。
) 沈殿槽を設ける。沈殿槽は単なる一時水を留める枡(ます)で、深さは少なくとも40~
60cmは欲しい処です。当然深ければ深いほど泥水は下水本管に流れませんし、大きければ
大きい程、大量の水を流す事ができます。尚、枡には外部から塵や埃(ほこり)、雨水が
入らない様に蓋(ふた)が必要です。
) 枡の形状は円形でも四角でもかまいません。枡の構造は上部に二箇所の同じ大きさの穴が
開いてる構造で、一方は入り口、他方は出口で下水本管に繋がっています。位置関係は直角
方向の物が多いですが、下水との関係で180度方向の物もあります。
) 入り口から入った泥水は枡に一時留まります。その間に少しずつ重たい泥は沈殿して行き
ます。 泥は一晩すればかなり沈殿しますが、大量の泥水が次から次と流れ込むと、沈殿する
時間がありませんので、そのまま下水管に流れ込む可能性があります。数個の沈殿槽を
設置すれば良いのですが、小さな工房では現実的では有りません。それ故、なるべく泥は
洗面器などで丁寧に落とす事です。
) 枡の掃除。溜まった泥は定期的に掃除する事で、取り除きます。
一ヶ月に一遍程度の頻度で掃除する事が望ましいです。柄杓で泥を掬い出しバケツに取り
ます。枡の中には、泥以外に色々な物が入り込んでいます。例えば、皮や弓、小さな剣先
(針)、布切れ、鉛筆、竹へらなどの用具類です。洗う際に誤って落とした物が多いです。
) 下水は泥だけでなく、釉を塗る為に使った筆を洗った際の釉の一部、更には石鹸なども
含まれています。その他諸々の物質が紛れ込んでいます。それ故、「ドブ臭い」匂いが
します。このままでは再利用はできません。
) バケツの泥を数ヶ月放置し、「ドブ臭い」匂いを消す。
「ドブ臭い」匂いは有機物が入り込んだ結果です。それ故この有機物を醗酵させて匂いを
取り除きます。
a) バケツの上澄み液を交換する。枡から汲み出した泥水は、放置しておくと泥は沈殿し
上澄み液と分離します。この上澄み液を柄杓などで汲み出し、新しい水を注ぎ掻き回し、
沈殿した泥を洗う様にします。
b) 1~2週間後に上澄み液を取り除き、綺麗な水と入れ替え、掻き混ぜます。
これを数回繰り返すと、徐々に「ドブ臭い」匂いは薄くなります。
c) 夏場なら3ヶ月、冬場なら6ヶ月程度上記事項を繰り返すと、無臭になります。
d) この様にして出来た泥は、色々の種類の土や釉の一部も含まれますが、作品を作る事が
出来る粘土に成っています。場合によっては、一般の土と異なる表情を持つ焼き上がりに
成る事もあります。尚、醗酵が不十分ですと、「ブク」の原因になります。
◎ 注意点: 夏場にバケツに水を貯めておくと、蚊のボウフラが湧きますので、蓋をするか、
機械油を数滴落とすか、殺虫剤を散布するなどの必要があります。
④ 洗面器の底に残った土(泥)の処理。
この泥も色々な種類の土と、釉の一部が入っている物ですが、「ドブ臭い」匂いはほとんど
有りません。それ故、数ヶ月間水に晒す必要は無く、水分を抜き練り直して使う事も可能です。
しかし、泥を洗面器の中に1週間も放置しておくと、匂いを発しますので、小まめに他の容器
に移し替えると匂いの発生を抑える事ができます。尚、匂いがある場合には上記)に準じて
処理する事です。
⑤ 床掃除などでも土の削り滓(かす)や、土埃(ほこり)が出ます。これらには、外部から
持ち込まれた、粘土以外の土や砂など紛れ込んでいますが、上手に再利用が可能です。
箒や塵取りなどで集めた削り滓などは、上記同様に水を張ったバケツに入れ貯蔵して或る程度
集まったら、練り直して使う事ともできます。尚、床には、施釉の際こぼれたり、飛び跳ね
たりした釉が混じっています。これらを完全に取り除く事は出来ませんが、水を交換する事で
或る程度取り除く事ができます。
以下次回に続きます。