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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 131 土や釉の再利用方法2

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1) 土(粘土)や泥水の処置。 前回の続きです。

 ② 失敗し壊した素焼き前の土の処理。

  土は素焼きや素焼きせずに本焼で焼成する以前であれば、元の土の状態に戻し、再生する事が

  できます。それには、それなりの方法があります。

  ) 作品を壊す段階で、どの程度乾燥しているかによって、土の処理の仕方が変わります。

   即ち、制作途中で土に水分があり、容易に変形できる場合。削れる程度に乾燥した場合又は、

   底や高台削りで出た削り滓(かす)の場合。更に乾燥が進み、土が白っぽくなっている場合

   (素焼き直前の土)などです。土が完全に乾燥してしまうのは、失敗作だけではありません。

   粘土を長期間放置したり、ビニール袋で簡易に包装した状態でも、完全に乾燥する事も珍しい

   事ではありません。

  ) 制作途中で壊した作品の土の場合。

   手捻りの場合は、若干乾燥し土が硬くなっていますので、次に述べる削れる程度に乾燥した

   場合の処理になります。(電動)轆轤の場合には、むしろ水分を含み過ぎる土になります。

   この様な場合には、土を練り直して直ぐに使うか、木製の板や素焼き板などに水分を吸収させ

   適度に固めてから使います。又、若干硬めの土と「ブレンド」して適度の固さにしてから

   使う事ができます。

  ) 削れる程度に乾燥した場合、又は、底や高台削りで出た削り滓(かす)の場合。

    完全に乾燥している訳ではありませんので、刃物や切糸などで土を小さく千切り容器に入れ

    霧吹きなどで水分を補給すれば、適度に軟らかくなります。それを練り直す事で、直ぐに

    使う事も可能です。又、濡れたタオルで包み一晩放置するだけで、土が水分を取り戻し、

    適度の軟らかさになります。注意点は土が均一に軟らかくする事です。硬い部分と軟らかい

    部分が生じると、轆轤挽きで伸びの違いにより失敗します。手や指で硬い塊が無いかを

    確認する必要があります。

  ) 完全に乾燥した土を再生させる。

    粘土は、適度に濡れている時には、粘りがあり水分を吸収しずらい物質です。

    しかし、完全に乾燥させると性質が変わります。即ち、水をどんどん吸収し表面から溶け

    始め、見る見る粘土の中心まで、溶かしてしまいます。再生手順は以下の様に行います。

    a) 土をある程度、ハンマー等で細か砕きます。土は乾燥すると驚くほど強くなります。

     これをバケツや甕(かめ)に入れます。

    b) 水を土が被る程度に注ぎ込みます。そのまま2~3時間放置しておきます。

      すると、表面より土が溶け始め、最後には土の芯まで溶け、土の塊が無くなります。

      尚、生乾きでは完全に溶けてくれません。生乾きの場合は天日干しします。

    c) 上澄み液を捨て、素焼きの鉢に布を敷き、泥水ごと流し込みます。

      そのまま放置するか、布を袋状にして口を紐で縛り木の枝などに吊るし、乾燥させます。

    d) 手に「べたつかない」状態になったら、手や土練機で練ります。

    e) この様に処理した場合、多くは土に粘りが少なく、作品を作るのに不適当です。

      無理に作ると「割れやひび」が発生し易くなります。その為、数ヶ月土を寝かせる事を

      勧めます。 

   ③ 下水に流れた泥水の処置。

以下次回に続きます。

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