2) 青花の誕生。
? 元の青花磁器の器種と文様。
元の時代の青花磁器の種類は、盤(皿類)、鉢、壷、偏壷、梅瓶、瓢形瓶、玉壷春瓶(ぎょくこ
しゅんへい)、その他、酒器、文房具、室内装飾品の器などがあります。
?) 中国国内で出土する元時代の盤の大きさは、口径が20cm前後のものが多いです。
しかし、イスラム世界での伝世品する同時代の青花磁器の大きさは40〜60cmと大型の
物が多いです。イスラムの青花磁器は大きさを指定した注文品と見なされています。
即ち、40cm、45cm、50cm以上の三段階に規格化されていた様です。
?) 元時代の青花の文様は、ある規則性を持って構成されています。
即ち、口縁に波濤文や菱文を、内縁に牡丹唐草文や蓮唐草文などを帯状に巡せ、見込み部
には、八宝文、蓮池水禽文、魚藻文、龍雲文、麒麟文などが描かれているものが多いです。
?) 中国の陶磁器への絵付けの特徴は、模様を作品全体に隙間無く描き込んでいる事です。
?) 元時代の青花は力強い筆使いから、明代に入ると、青花磁器の意匠は、優美で洗練された
ものへと変化し、永楽年間(1403〜1424年)、続く宣徳年間(1426〜35年)で頂点を極める。
?) 元青壷の種類は多く、広口壷(酒会壷)、獣環壷、扁壷(へんこ)、面取壷などと多彩
です。
a) 文様は白磁に直接筆で描くのが一般的ですが、文様の輪郭を深く線彫を施し、その内側に
コバルトで文様を描く技法が取られる場合もあります。
元々、青白磁に直接片切法で絵柄を彫る方法は、青花が発明される以前から存在していた
方法で、その技法の応用です。
b) 獣環壷は、肩に獅子頭形や龍形の耳や銅環が付いた壷で、中近東でよく見られる形です。
尚、沖縄の読谷村(よみたんそん)からも、出土しているとの事です。
c) 梅瓶とは、口が細く胴が円筒形をし、裾がすぼまった形ので、景徳鎮では北宋後期から
作られています。元代の青磁や青白磁、青花等で多く作られています。
d) 玉壷春瓶は中国国内と東南アジアに多く見られる形です。(中近東では少ない)
辣韮(ラッキョ)形をした細頸瓶です。元の青花の中でも最も多く出土しています
? 中国以外の青花磁器の収集地(コレクション)。
17世紀に入ってオランダ東インド会社による東方貿易が盛んになります。
各国の王侯貴族は、中国から輸入された青花磁器、続いて日本の古伊万里、柿右衛門様式などの
東洋趣味が宮廷社会のステイタスとなり、蒐集熱が発生します。
?) サントス宮殿: ポルトガルの首都リスボンにある旧宮殿で、現在は在ポルトガル・
フランス大使公邸になっています。
a) 「磁器の間」と呼ばれる小さな部屋の天井部は、青花磁器で埋め尽くされています。
高さ7.5mの天井は、中央を頂点とする二等辺三角形が四面の構造で、その四面全体に青花
磁器が取り付けられています。大小様々の大きさで、その数は全部で260枚あります。
b) 青花磁器は全て景徳鎮で作られた事が判明しています。
制作年代は一番古い物で、16世紀前半の口径50cm余りの大皿で、龍と唐草文様が
描かれています。次いで、16世紀中頃の口径約40cmの大皿で、魚文、禽獣文、葡萄文
が描かれています。17世紀前半の「芙蓉手」の皿、そして17世紀末の皿です。
約200年間の景徳鎮の皿が、時代区分されて配列されています。
c) 17世紀後半の西洋の王室では、権威の象徴として、青花磁器の食器や「磁器の間」を
作る事が流行(はやる)します。
d) ポルトガルと中国の交易。
1554年 ポルトガルは中国広州に1557年にはマカオに貿易拠点を築きます。
ポルトガルは中国に青花磁器を発注し、膨大な磁器が海外に流出します。
?) アルデビル霊廟(イラン): 青花盤が19個あります。
?) トプカプ宮殿博物館(トルコ): 青花盤が19個あります。
15世紀〜19世紀にかけて、スルタン達が、シリアやエジプトを征服した際に、戦利品
として、優れた作品のもを蒐集した膨大なコレクションと言われています。
中国磁器の製品は、1万2千点におよぶ膨大量とされれいます。
?) トゥグルク宮殿(インド): 69点の青花磁器の盤、鉢、碗が出土しています。
以下次回に続きます。
? 元の青花磁器の器種と文様。
元の時代の青花磁器の種類は、盤(皿類)、鉢、壷、偏壷、梅瓶、瓢形瓶、玉壷春瓶(ぎょくこ
しゅんへい)、その他、酒器、文房具、室内装飾品の器などがあります。
?) 中国国内で出土する元時代の盤の大きさは、口径が20cm前後のものが多いです。
しかし、イスラム世界での伝世品する同時代の青花磁器の大きさは40〜60cmと大型の
物が多いです。イスラムの青花磁器は大きさを指定した注文品と見なされています。
即ち、40cm、45cm、50cm以上の三段階に規格化されていた様です。
?) 元時代の青花の文様は、ある規則性を持って構成されています。
即ち、口縁に波濤文や菱文を、内縁に牡丹唐草文や蓮唐草文などを帯状に巡せ、見込み部
には、八宝文、蓮池水禽文、魚藻文、龍雲文、麒麟文などが描かれているものが多いです。
?) 中国の陶磁器への絵付けの特徴は、模様を作品全体に隙間無く描き込んでいる事です。
?) 元時代の青花は力強い筆使いから、明代に入ると、青花磁器の意匠は、優美で洗練された
ものへと変化し、永楽年間(1403〜1424年)、続く宣徳年間(1426〜35年)で頂点を極める。
?) 元青壷の種類は多く、広口壷(酒会壷)、獣環壷、扁壷(へんこ)、面取壷などと多彩
です。
a) 文様は白磁に直接筆で描くのが一般的ですが、文様の輪郭を深く線彫を施し、その内側に
コバルトで文様を描く技法が取られる場合もあります。
元々、青白磁に直接片切法で絵柄を彫る方法は、青花が発明される以前から存在していた
方法で、その技法の応用です。
b) 獣環壷は、肩に獅子頭形や龍形の耳や銅環が付いた壷で、中近東でよく見られる形です。
尚、沖縄の読谷村(よみたんそん)からも、出土しているとの事です。
c) 梅瓶とは、口が細く胴が円筒形をし、裾がすぼまった形ので、景徳鎮では北宋後期から
作られています。元代の青磁や青白磁、青花等で多く作られています。
d) 玉壷春瓶は中国国内と東南アジアに多く見られる形です。(中近東では少ない)
辣韮(ラッキョ)形をした細頸瓶です。元の青花の中でも最も多く出土しています
? 中国以外の青花磁器の収集地(コレクション)。
17世紀に入ってオランダ東インド会社による東方貿易が盛んになります。
各国の王侯貴族は、中国から輸入された青花磁器、続いて日本の古伊万里、柿右衛門様式などの
東洋趣味が宮廷社会のステイタスとなり、蒐集熱が発生します。
?) サントス宮殿: ポルトガルの首都リスボンにある旧宮殿で、現在は在ポルトガル・
フランス大使公邸になっています。
a) 「磁器の間」と呼ばれる小さな部屋の天井部は、青花磁器で埋め尽くされています。
高さ7.5mの天井は、中央を頂点とする二等辺三角形が四面の構造で、その四面全体に青花
磁器が取り付けられています。大小様々の大きさで、その数は全部で260枚あります。
b) 青花磁器は全て景徳鎮で作られた事が判明しています。
制作年代は一番古い物で、16世紀前半の口径50cm余りの大皿で、龍と唐草文様が
描かれています。次いで、16世紀中頃の口径約40cmの大皿で、魚文、禽獣文、葡萄文
が描かれています。17世紀前半の「芙蓉手」の皿、そして17世紀末の皿です。
約200年間の景徳鎮の皿が、時代区分されて配列されています。
c) 17世紀後半の西洋の王室では、権威の象徴として、青花磁器の食器や「磁器の間」を
作る事が流行(はやる)します。
d) ポルトガルと中国の交易。
1554年 ポルトガルは中国広州に1557年にはマカオに貿易拠点を築きます。
ポルトガルは中国に青花磁器を発注し、膨大な磁器が海外に流出します。
?) アルデビル霊廟(イラン): 青花盤が19個あります。
?) トプカプ宮殿博物館(トルコ): 青花盤が19個あります。
15世紀〜19世紀にかけて、スルタン達が、シリアやエジプトを征服した際に、戦利品
として、優れた作品のもを蒐集した膨大なコレクションと言われています。
中国磁器の製品は、1万2千点におよぶ膨大量とされれいます。
?) トゥグルク宮殿(インド): 69点の青花磁器の盤、鉢、碗が出土しています。
以下次回に続きます。