4) 二度焼(二度窯、再焼成)に付いて。
真贋には、全くの贋作と見られる物以外に、半真半贋とも言える作品も存在します。
即ち、本物を素材にして、まるで本物の様に見せ掛ける技法です。
半真半贋には、二度焼きの技法と、後絵の技法があります。
? 二度焼きとは。
商品価値の低い作品を再度高温で焼成する事で、欠点(都合の悪い所)を補修し、商品価値を
高める為に行います。
素材と成るのは、発掘品が多いです。二度焼きは全て良い方向になる訳ではありません。
再焼成中に、窯の中で爆発したり、素地中の気泡や水分が膨張し、表面を凸凹させる危険性を
含んでいます。 しかし、二度焼きは、近年特に多く行われていると言われています。
? 二度焼きの目的。
?) 古陶は前回お話した様に、経年変化により表面が風化し「ガサガサ」とカセた状態に
成ます。特に長い間地中に埋没していた、発掘品に出る現象です。
又、釉面が白濁し下絵が不鮮明になったり、褪色(たいしょく)し見栄えも悪くなるのが
普通です。これらの焼き物は、当然商品価値も低くなります。
この様な場合、もう一度窯に入れて焼成する事で、釉を熔かし光沢を増す事ができます。
?) 釉を再度熔かす事で、透明感を増し、染付けなどの下絵も鮮やかに蘇らせる事も可能に
成ります。
?) 二度焼きする事で、傷やニュウ(ひび)を目立たなくさせます。
但し、再焼成する事で、傷やニユウが拡大する恐れも多いです。
?) 新たな贋作より、本物に近い為、本物に見せる事が可能に成ります。
即ち、胎土や土見部は本物ですし、造形や釉も真作その物ですので、真作に見せる事が可能に
なります。
?) 二度焼きは簡単に出来、手間も掛りません。
必要な温度まで加熱するだけですので、小型の窯で焼成でき、手間も掛りません。
但し、基本的には素材と同じ温度で、再焼成する必要があります。但し素材が焼き不足の
場合には、素材以上の温度で焼く必要があります。
?) 材料は安価で容易に入手可能との事です。
? 二度焼きの効果。
必ずしも、下記の効果で出る訳ではありませんが、次の事が起こります。
?) 完全に以前の艶(つや)を取り戻します。
?) 若干釉の色が変化する。古陶の焼かれた窯の雰囲気と、再焼成された雰囲気は全く同じ
では有りません。それ故、釉の色が焼く前と焼いた後では、若干異なる場合が多いです。
?) 再焼成で、釉が熔けニュウ(ひび)に流れ込み、ニュウの断面が丸味を帯びます。
同様に「欠け」た部分の断面も、釉により丸みがでます。
?) 「カセ」ていた表面が熔け、手触りが滑らかになる。
?) 貫入が無くなる。又は、貫入の表情が変化する。
?) 白化粧土が薄くなる場合があります。
刷毛目や粉引きなどの白化粧土が、胎土に吸い込まれる様になり、白い色がくすみ
白化粧土が薄くかかった状態になる場合があります。
?) 一般には、汚れは取れる事が多いですが、逆に、汚れが全体に広がる場合があります。
即ち、塵(ちり)やほこり、手垢(てあか)等の有機物は、高熱で消失し綺麗に無くなり
ますが、泥(又は土)などが貫入に入り込んでいる場合、燃えずに残り釉に混ざり込んで
釉を汚す事もあります。
・ 以上まとめると、釉面は光沢が出て、より良好になります。釉の色が若干変化します。
「欠け」やニュウは、窯キズ風になり、断面は丸くなります。更に土銹(どしゅう)や汚れは
消失します。
? 二度焼きを見分ける。
以下次回に続きます。
真贋には、全くの贋作と見られる物以外に、半真半贋とも言える作品も存在します。
即ち、本物を素材にして、まるで本物の様に見せ掛ける技法です。
半真半贋には、二度焼きの技法と、後絵の技法があります。
? 二度焼きとは。
商品価値の低い作品を再度高温で焼成する事で、欠点(都合の悪い所)を補修し、商品価値を
高める為に行います。
素材と成るのは、発掘品が多いです。二度焼きは全て良い方向になる訳ではありません。
再焼成中に、窯の中で爆発したり、素地中の気泡や水分が膨張し、表面を凸凹させる危険性を
含んでいます。 しかし、二度焼きは、近年特に多く行われていると言われています。
? 二度焼きの目的。
?) 古陶は前回お話した様に、経年変化により表面が風化し「ガサガサ」とカセた状態に
成ます。特に長い間地中に埋没していた、発掘品に出る現象です。
又、釉面が白濁し下絵が不鮮明になったり、褪色(たいしょく)し見栄えも悪くなるのが
普通です。これらの焼き物は、当然商品価値も低くなります。
この様な場合、もう一度窯に入れて焼成する事で、釉を熔かし光沢を増す事ができます。
?) 釉を再度熔かす事で、透明感を増し、染付けなどの下絵も鮮やかに蘇らせる事も可能に
成ります。
?) 二度焼きする事で、傷やニュウ(ひび)を目立たなくさせます。
但し、再焼成する事で、傷やニユウが拡大する恐れも多いです。
?) 新たな贋作より、本物に近い為、本物に見せる事が可能に成ります。
即ち、胎土や土見部は本物ですし、造形や釉も真作その物ですので、真作に見せる事が可能に
なります。
?) 二度焼きは簡単に出来、手間も掛りません。
必要な温度まで加熱するだけですので、小型の窯で焼成でき、手間も掛りません。
但し、基本的には素材と同じ温度で、再焼成する必要があります。但し素材が焼き不足の
場合には、素材以上の温度で焼く必要があります。
?) 材料は安価で容易に入手可能との事です。
? 二度焼きの効果。
必ずしも、下記の効果で出る訳ではありませんが、次の事が起こります。
?) 完全に以前の艶(つや)を取り戻します。
?) 若干釉の色が変化する。古陶の焼かれた窯の雰囲気と、再焼成された雰囲気は全く同じ
では有りません。それ故、釉の色が焼く前と焼いた後では、若干異なる場合が多いです。
?) 再焼成で、釉が熔けニュウ(ひび)に流れ込み、ニュウの断面が丸味を帯びます。
同様に「欠け」た部分の断面も、釉により丸みがでます。
?) 「カセ」ていた表面が熔け、手触りが滑らかになる。
?) 貫入が無くなる。又は、貫入の表情が変化する。
?) 白化粧土が薄くなる場合があります。
刷毛目や粉引きなどの白化粧土が、胎土に吸い込まれる様になり、白い色がくすみ
白化粧土が薄くかかった状態になる場合があります。
?) 一般には、汚れは取れる事が多いですが、逆に、汚れが全体に広がる場合があります。
即ち、塵(ちり)やほこり、手垢(てあか)等の有機物は、高熱で消失し綺麗に無くなり
ますが、泥(又は土)などが貫入に入り込んでいる場合、燃えずに残り釉に混ざり込んで
釉を汚す事もあります。
・ 以上まとめると、釉面は光沢が出て、より良好になります。釉の色が若干変化します。
「欠け」やニュウは、窯キズ風になり、断面は丸くなります。更に土銹(どしゅう)や汚れは
消失します。
? 二度焼きを見分ける。
以下次回に続きます。