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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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手捻(てびねり)1(特徴)

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皆様方には既にご存知と思われますが、作品を作る方法には、大きく分けて次の方法があります。

1) 手捻りによる方法。

2) 轆轤(ろくろ)を使用して作る方法。

3) 鋳込みによる方法。

 歴史的には、手捻りが一番古く(我が国の縄文弥生土器類など)、次いで轆轤、鋳込みの順です。

 近年電動轆轤が使用される事が多くなりましたが、作る方法の違いによって、作品にも作り方の

 特徴が現れ易いです。

 特に一度に同じような形の作品を、効率良く多く作る場合には、電動轆轤や鋳込みの方法を取る

 場合が多いです。

 尚、電動轆轤などを扱う為には、それなりの練習や道具が必要になります。

 それに対し手捻りは、陶芸の初心者は勿論、小さな幼児でさえ自由に好みの作品を作る事が可能な

 方法です。 作り手の意思(癖や指跡などの特徴)がしっかり出るのも手捻り陶芸です。

 但し、同じ物を複数個作るのは苦手です。時間が掛り過ぎる以外に、全く同じ形に成り難いです。

 手捻りは轆轤よりも一段低く見られがちですが、手捻りは轆轤と同等又はそれ以上の作品を作る

 事が可能です。轆轤が薄く速く作れる方法なのに対し、手間隙が掛り、若干重く感じに成り易い

 欠点が出易いです。但し、仕上げとしての削り作業がしっかり施して有れば、電動轆轤と同程度に

 薄くて軽い作品を作る事は可能です。

1) 手捻りとは?

 電動轆轤や鋳込み等の方法以外で、主に手や指を使って作品を作る方法です。それ故、粘土の

 他に簡単な用具(例えば、竹へら、剣先、切糸など)と少しの作業する処さえあれば有れば、

 直ぐにでも、作品作りに取り掛かる事ができます。

 尚、手捻りの技術が轆轤の技術と重なる部分は少なく、手捻りの技術が電動轆轤に役立つ事は少

 ないです。同様に電動轆轤に精通したからと言って、手捻りに役立つ事は少ないです。それ故

 一般的には、手捻りから入り、電動轆轤に進む事が多いですが、これはあくまで教える側の都合で

 しかありません。どちらから入っても何ら問題ありません。

 手捻りの特徴を記せば次の様になります。

 ① 手捻りで作れる作品の種類は無限にありまし。

  電動轆轤は主に円筒又は円錐などの丸い形の物が、基本形に成っています。勿論それらの組み

  合わせや、丸以外に変形する事は可能ですが、基本は丸(円形)です。手捻りの場合、丸は

  勿論角形や不定形(いびつ形)等、どの様な形の物も作る事ができます。

 ② 作品の大きさもほとんど限定されません。勿論窯で焼く事を前提にしますので、窯に入る程度の

  大きさになります。陶壁の様な巨大な面積を有する作品でも、窯に入る程度の大きさに分割し

  焼成後に組み立てる事で、大きな作品に仕上げる事が可能です。

 ③ 電動轆轤の様に多量の水を使う事も無ない為、素地のヘタリも少なく、時間的な制限も少なく

  なります。それ故、一気に作り上げる必要も無く、時間を掛けて積み上げる事で電動轆轤作業時

  よりも、大きな作品が作れます。但し、土を継ぎ足す為には、それなりの知識が必要です。

  電動轆轤が一発勝負なのに対し、制作途中で変更や修正が割合容易なのも、手捻りの特徴です。

 ④ 作り方も色々な方法があります。

  ⅰ)玉作り。 ⅱ)紐作り。 ⅲ)タタラ(板)作り。 ⅳ)刳り貫き作り。ⅴ)彫刻方式。

  ⅵ) 彫塑方式。ⅶ)その他、上記技法を組合わせて作品を作る事もあります。その後の各種

  装飾加工等も、轆轤作業よりも無限に広がります。

 次回より、これらの方法に付いて、順次述べたいと思います。

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