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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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質問 16 素焼後の化粧土の調合に付いて。

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「あっちゃん」 様より以下の質問を頂戴しました。

  素焼後の化粧泥の作り方について

素焼き後の白化粧土の作り方ですが、白絵土:ロ‐セキ:蛙目粘土=3:1:1とありますが

ローセキを木節粘土でも良いと見聞しましたが、その場合でも3:1:1で良いですか?

又、ローセキと木節粘土では結果どのように違ってきますか よろしくお願いします。


明窓窯より

1)化粧掛けは、本来生の状態の素地に施します。素焼き後に行うのは、生の状態で粉引(こひき)

 を行うと、素地が水分を吸収し、膨張し変形させたり、最悪作品を壊す事に成りますので、その

 危険性を取り除く為です。

 但し、素焼き後の化粧掛けには、生とは別の危険性を含んでいます。その危険性を除去する為に、

 特別な調合が必要になります。

2) 素焼き後では、素地はすでに収縮していますので、生に使用する化粧土では、化粧土が大きく

  縮みますので、化粧土に「ひび」が入ったり、剥がれを起こし易いです。又、生素地よりも

  接着性が悪くなり、離剥し易くなります。

3) 素焼後の化粧土は、収縮率の改善と、接着性をよくする必要があります。

 ① ローセキ(蝋石)と木節粘土。

  )蝋の様な光沢ある半透明な複合鉱物です。耐火物の原料や平滑剤などとして用いられます。

   又、滑石(タルク)などを含める事もあります。

   主成分は葉蝋石は、Al2O3・4SiO2・H2Oの化学組成です。その他に石英、カオリナイト、絹雲母、

   明礬(みょうばん)石等の鉱物が数種類混在した複合的な鉱石です。

   蝋石は酸やアルカリに反応せず化学的に安定な鉱物で、耐火性に非常に優れています。

  ) 木節粘土の主成分はカオリン(Al2O3:38%・SiO2:46.5%・H2O:14%)で葉蝋石と似ています。

   可塑性が大きく白色、又はやや青味を呈します。

 ② ローセキ(蝋石)と木節粘土の違い。

  小生は木節粘土での調合は行った事がありませんので、あくまでも予想ですので、実際には

  色々試す事をお薦めます。

  ) 蝋石と木節粘土の割合は同じで良いと思われます。

    即ち、白絵土:蝋石(又は木節粘土):蛙目粘土=3:1:1です。

    全体に対して2割の含有量ですので、さほど大差がないと思われます。

  ) 蝋石はやや透明感があり、木節粘土ではやや青味掛かるかも知れません。

    光沢は蝋石の方が有るかも知れません。但し、一般に透明釉を掛ける事になりますので、

    大差は無い模様です。更に、蝋石の方が、やや軟らかい(優しい)感じになると思われます

以上 確実な事は言えませんが、素地との関係や化粧土の濃度、焼成温度等も関係しますので、

試行錯誤の上、調合を決める事を薦めます。

参考にして下さい。


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