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Channel: わ! かった陶芸 (明窓窯)
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素朴な疑問 143 手や指の使い方とは1

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陶芸では手や指を使って、作品を作り上げます。陶芸に限らず工芸や美術品はほとんどが手作業と

言えます。電動轆轤を使ったとしても、手の作業が入らなければ作品には成りません。但し鋳込み

成形や機械轆轤などを使う事によって、手作業は大幅に少なくなります。

手は最良の道具とも言われています。特に研ぎ澄まされた手の触覚は、どんな精密な機械でも追い

付く事はできません。勿論高度の触覚を会得するには、数十年と経験を得る必要があるものが多い

です。陶芸に於いても、手や指は単に土(粘土)を触るだけでなく、「コテやカンナ」などの用具を

使う際や、作品に絵や文字を描く際、更には、釉を掛ける際にも重要な働きをします。

当然作業の種類によって、手の使い方も変化します。

今回のテーマは、手や指の使い方に付いてお話します。尚、過去の記事にもある程度の手や指の使い

方に付いて述べていますので、重複するかもしれません。ご了承下さい。

1) 手や指の使い方の種類。

 ① 手や指のどの部分を使うか。

  作業の種類によって、手や指の使う部分が異なります。両手で行う方法と片手で行う事がありま

  すが、基本は両手で行います。(又は、左右均等とは限らず、片手が主で他が従の場合も多い)

  ) 掌(手のひら)全体を使う場合。

    接触範囲が広いですので、土などが軟らかい場合には、強い力を入れる事は出来ません。

   a) 乾燥している作品や完成している作品を両手で持つ場合、底に手を当てる事が出来る形で

    あれば、必ず片手は底を持つ事です。素焼きまでの作品は、カップ等の取っ手部を持つ事は

    危険です。

   b) 電動轆轤や手回し轆轤上に粘土を据える場合、両手の掌で掴み、轆轤面に押し付ける様に

    据えます。

   c) 手捻りや電動轆轤作業で、作品が歪んだりした場合両手で抱える様にして補正します。

   d) 電動轆轤の場合、表面を水で濡らす際、両手で抱える様にして、下から上に手を移動

     させます。

   e) 板状の平らな板を作る場合、掌全体を下に向け、土を直接叩く場合があります。

    但しそれほど強く叩ける訳ではありませんので、少ない面積の時に行うのが普通です。

    広い面積の場合は、叩き板や伸し棒を使う事が多いです。

   f) 土の紐を作る場合、板の上で転がしながら丸い紐を作る方法があります。

    その際、両手の掌を下にして、粘土を転がしながら、手を左右に開き細く長くします。

    使う掌の範囲は、指部分のみ、掌のみ、指と掌部分の両方を使う方法があります。

    両方使う場合が前後の振幅が一番大きいです。効率が良いですが、微妙な太さや同じ太さの

    紐が作り難いです。指のみを前後した方が細い紐が作り易いです。

   g) 掌全体を使って作品の外側を押さえ、土延ばしや成形など轆轤作業をする方法も見掛け

     ますが、接触面積が増え摩擦抵抗も増えますので、作品に悪い影響を与える可能性があり

     ますので、なるべく接触面を少なくする方が良いでしょう。(この件は後で述べます)  

  ) 拳(こぶし)を使う場合。

    主に、土の塊を伸ばす場合や、土を叩き締める場合に使います。

   a) 拳を作り、親指を除く4本の指を下にして、上から叩く場合。

     力強く叩く場合にはこの方法をとります。例えば大皿を作る際、底に成る部分の土を拳で

     満遍なく叩き、土を締め底割れを防ぎます。但し、この方法では叩いた表面が凸凹します

     ので、次に述べる方法で、表面を滑らかにします。

   b) 親指を上に小指を下にした状態で土を叩く場合。

     この場合はさほど強く叩く事が出来ません。極小面積の土や、上記の拳の仕上げ作業と

     して行う事が多いです。

  ) 掌の親指の付け根付近を使う。

以下次回に続きます。


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