陶芸では手や指を使って、作品を作り上げます。陶芸に限らず工芸や美術品はほとんどが手作業と
言えます。電動轆轤を使ったとしても、手の作業が入らなければ作品には成りません。但し鋳込み
成形や機械轆轤などを使う事によって、手作業は大幅に少なくなります。
手は最良の道具とも言われています。特に研ぎ澄まされた手の触覚は、どんな精密な機械でも追い
付く事はできません。勿論高度の触覚を会得するには、数十年と経験を得る必要があるものが多い
です。陶芸に於いても、手や指は単に土(粘土)を触るだけでなく、「コテやカンナ」などの用具を
使う際や、作品に絵や文字を描く際、更には、釉を掛ける際にも重要な働きをします。
当然作業の種類によって、手の使い方も変化します。
今回のテーマは、手や指の使い方に付いてお話します。尚、過去の記事にもある程度の手や指の使い
方に付いて述べていますので、重複するかもしれません。ご了承下さい。
1) 手や指の使い方の種類。
① 手や指のどの部分を使うか。
作業の種類によって、手や指の使う部分が異なります。両手で行う方法と片手で行う事がありま
すが、基本は両手で行います。(又は、左右均等とは限らず、片手が主で他が従の場合も多い)
) 掌(手のひら)全体を使う場合。
接触範囲が広いですので、土などが軟らかい場合には、強い力を入れる事は出来ません。
a) 乾燥している作品や完成している作品を両手で持つ場合、底に手を当てる事が出来る形で
あれば、必ず片手は底を持つ事です。素焼きまでの作品は、カップ等の取っ手部を持つ事は
危険です。
b) 電動轆轤や手回し轆轤上に粘土を据える場合、両手の掌で掴み、轆轤面に押し付ける様に
据えます。
c) 手捻りや電動轆轤作業で、作品が歪んだりした場合両手で抱える様にして補正します。
d) 電動轆轤の場合、表面を水で濡らす際、両手で抱える様にして、下から上に手を移動
させます。
e) 板状の平らな板を作る場合、掌全体を下に向け、土を直接叩く場合があります。
但しそれほど強く叩ける訳ではありませんので、少ない面積の時に行うのが普通です。
広い面積の場合は、叩き板や伸し棒を使う事が多いです。
f) 土の紐を作る場合、板の上で転がしながら丸い紐を作る方法があります。
その際、両手の掌を下にして、粘土を転がしながら、手を左右に開き細く長くします。
使う掌の範囲は、指部分のみ、掌のみ、指と掌部分の両方を使う方法があります。
両方使う場合が前後の振幅が一番大きいです。効率が良いですが、微妙な太さや同じ太さの
紐が作り難いです。指のみを前後した方が細い紐が作り易いです。
g) 掌全体を使って作品の外側を押さえ、土延ばしや成形など轆轤作業をする方法も見掛け
ますが、接触面積が増え摩擦抵抗も増えますので、作品に悪い影響を与える可能性があり
ますので、なるべく接触面を少なくする方が良いでしょう。(この件は後で述べます)
) 拳(こぶし)を使う場合。
主に、土の塊を伸ばす場合や、土を叩き締める場合に使います。
a) 拳を作り、親指を除く4本の指を下にして、上から叩く場合。
力強く叩く場合にはこの方法をとります。例えば大皿を作る際、底に成る部分の土を拳で
満遍なく叩き、土を締め底割れを防ぎます。但し、この方法では叩いた表面が凸凹します
ので、次に述べる方法で、表面を滑らかにします。
b) 親指を上に小指を下にした状態で土を叩く場合。
この場合はさほど強く叩く事が出来ません。極小面積の土や、上記の拳の仕上げ作業と
して行う事が多いです。
) 掌の親指の付け根付近を使う。
以下次回に続きます。
言えます。電動轆轤を使ったとしても、手の作業が入らなければ作品には成りません。但し鋳込み
成形や機械轆轤などを使う事によって、手作業は大幅に少なくなります。
手は最良の道具とも言われています。特に研ぎ澄まされた手の触覚は、どんな精密な機械でも追い
付く事はできません。勿論高度の触覚を会得するには、数十年と経験を得る必要があるものが多い
です。陶芸に於いても、手や指は単に土(粘土)を触るだけでなく、「コテやカンナ」などの用具を
使う際や、作品に絵や文字を描く際、更には、釉を掛ける際にも重要な働きをします。
当然作業の種類によって、手の使い方も変化します。
今回のテーマは、手や指の使い方に付いてお話します。尚、過去の記事にもある程度の手や指の使い
方に付いて述べていますので、重複するかもしれません。ご了承下さい。
1) 手や指の使い方の種類。
① 手や指のどの部分を使うか。
作業の種類によって、手や指の使う部分が異なります。両手で行う方法と片手で行う事がありま
すが、基本は両手で行います。(又は、左右均等とは限らず、片手が主で他が従の場合も多い)
) 掌(手のひら)全体を使う場合。
接触範囲が広いですので、土などが軟らかい場合には、強い力を入れる事は出来ません。
a) 乾燥している作品や完成している作品を両手で持つ場合、底に手を当てる事が出来る形で
あれば、必ず片手は底を持つ事です。素焼きまでの作品は、カップ等の取っ手部を持つ事は
危険です。
b) 電動轆轤や手回し轆轤上に粘土を据える場合、両手の掌で掴み、轆轤面に押し付ける様に
据えます。
c) 手捻りや電動轆轤作業で、作品が歪んだりした場合両手で抱える様にして補正します。
d) 電動轆轤の場合、表面を水で濡らす際、両手で抱える様にして、下から上に手を移動
させます。
e) 板状の平らな板を作る場合、掌全体を下に向け、土を直接叩く場合があります。
但しそれほど強く叩ける訳ではありませんので、少ない面積の時に行うのが普通です。
広い面積の場合は、叩き板や伸し棒を使う事が多いです。
f) 土の紐を作る場合、板の上で転がしながら丸い紐を作る方法があります。
その際、両手の掌を下にして、粘土を転がしながら、手を左右に開き細く長くします。
使う掌の範囲は、指部分のみ、掌のみ、指と掌部分の両方を使う方法があります。
両方使う場合が前後の振幅が一番大きいです。効率が良いですが、微妙な太さや同じ太さの
紐が作り難いです。指のみを前後した方が細い紐が作り易いです。
g) 掌全体を使って作品の外側を押さえ、土延ばしや成形など轆轤作業をする方法も見掛け
ますが、接触面積が増え摩擦抵抗も増えますので、作品に悪い影響を与える可能性があり
ますので、なるべく接触面を少なくする方が良いでしょう。(この件は後で述べます)
) 拳(こぶし)を使う場合。
主に、土の塊を伸ばす場合や、土を叩き締める場合に使います。
a) 拳を作り、親指を除く4本の指を下にして、上から叩く場合。
力強く叩く場合にはこの方法をとります。例えば大皿を作る際、底に成る部分の土を拳で
満遍なく叩き、土を締め底割れを防ぎます。但し、この方法では叩いた表面が凸凹します
ので、次に述べる方法で、表面を滑らかにします。
b) 親指を上に小指を下にした状態で土を叩く場合。
この場合はさほど強く叩く事が出来ません。極小面積の土や、上記の拳の仕上げ作業と
して行う事が多いです。
) 掌の親指の付け根付近を使う。
以下次回に続きます。