水漏れ防止剤と撥水剤(いずれも液体)は、どちらも撥水効果をもたらすものですが、その使い方や
効能には差があります。但し、これらは陶芸を行う上で、必ずしも必要不可欠なものではありません
1) 水漏れ防止剤とは、食器類や花瓶など汁や水を入れる容器から、水が染み出てくるのを抑える
働きをする薬品です。主に長期間水を入れておく花瓶などには、施しておいた方が良い様です。
但し、水が「ポタポタ」と落ちる程度に流れ出す場合には、小さな穴が開いていますので、
薬品の効果はありません。
① 土の種類や作品によっては、通常の焼成後に普通に使用していても、水が自然に滲み出てくる
事が有ります。この際、薬品を容器の内側に流し込んだり、筆で塗る事である程度の水漏れを
防止できます。過去には、花瓶などには、強力で有臭のシリコン製が使用されていましたが、
現在では使用されていません。現在では無臭のもので、食器用と共用できるものが市販されて
います。
) 水漏れの原因。
a) 釉の貫入(ひび割れ)部から水が素地に浸み込み、貫通し外に漏れ出す。
これを「しもる」と言います。 漏れ出す部分は主に、底面からで床やテーブル上に、
底と同じ形状の濡れが現れます。 但し、作品を移動して初めて気付きます。
側面(胴体)から滲み出す場合も有ります。多量に漏る場合には、側面が汗を掻いた様に
見えます。ジワジワと染み出す場合には、水分が蒸発してしまう為、気が付かない場合が
多いです。但し、塩分を含んだ水や梅干などを入れておいた場合、水分は蒸発しますが、
塩分が表面に結晶化して、白く吹き出て残る場合があります。
b) 釉のガラス質が薄い場合や、片面のみ施釉した場合にも見られます。
特に、「ベタ高台」では内側にしか施釉しませんので、「しもり」易いです。
c) 粗目の土を使った為、焼き締りが弱く、土の隙間から水が漏れ出す。
肌理の細かい素地であっても、焼きが甘い(焼成温度が低い)場合には、焼き締りが弱く
水が漏ります。
) 水漏れ防止剤の使い方。
a) 容器の内側に薬剤を少量流し込み、よく振って内部全体に掛かる様にします。
5分程度したら、内部の薬品を流し、元の容器に戻します。薬品は、貫入の間に入り込み
ますが、乾燥し効果が出るのに半日~24時間程度必要です。この間中に水を入れてしまう
と効果が無くなります。
b) 外側(側面)や底面は筆で塗ります。塗った後は拭き取らない様にします。施釉して
いない部分は素地が薬品を直ぐに吸収しますので、意外と早く乾燥します。施釉した部分
は乾燥までに時間が掛かります。
② 黴(かび)の発生を予防する。(他の使い方です)
土物の陶器では、少量ですが水を吸収する性質があります。その為、洗った後に十分乾燥する
必要があります。乾燥不十分な場合や梅雨時などには、高台内側に黴が発生する場合があり
ます。その為、予め高台内を筆で水漏れ防止剤を塗る事で、黴の発生を抑えることが出来ます
2)撥水剤に付いて。
以下次回に続きます。
効能には差があります。但し、これらは陶芸を行う上で、必ずしも必要不可欠なものではありません
1) 水漏れ防止剤とは、食器類や花瓶など汁や水を入れる容器から、水が染み出てくるのを抑える
働きをする薬品です。主に長期間水を入れておく花瓶などには、施しておいた方が良い様です。
但し、水が「ポタポタ」と落ちる程度に流れ出す場合には、小さな穴が開いていますので、
薬品の効果はありません。
① 土の種類や作品によっては、通常の焼成後に普通に使用していても、水が自然に滲み出てくる
事が有ります。この際、薬品を容器の内側に流し込んだり、筆で塗る事である程度の水漏れを
防止できます。過去には、花瓶などには、強力で有臭のシリコン製が使用されていましたが、
現在では使用されていません。現在では無臭のもので、食器用と共用できるものが市販されて
います。
) 水漏れの原因。
a) 釉の貫入(ひび割れ)部から水が素地に浸み込み、貫通し外に漏れ出す。
これを「しもる」と言います。 漏れ出す部分は主に、底面からで床やテーブル上に、
底と同じ形状の濡れが現れます。 但し、作品を移動して初めて気付きます。
側面(胴体)から滲み出す場合も有ります。多量に漏る場合には、側面が汗を掻いた様に
見えます。ジワジワと染み出す場合には、水分が蒸発してしまう為、気が付かない場合が
多いです。但し、塩分を含んだ水や梅干などを入れておいた場合、水分は蒸発しますが、
塩分が表面に結晶化して、白く吹き出て残る場合があります。
b) 釉のガラス質が薄い場合や、片面のみ施釉した場合にも見られます。
特に、「ベタ高台」では内側にしか施釉しませんので、「しもり」易いです。
c) 粗目の土を使った為、焼き締りが弱く、土の隙間から水が漏れ出す。
肌理の細かい素地であっても、焼きが甘い(焼成温度が低い)場合には、焼き締りが弱く
水が漏ります。
) 水漏れ防止剤の使い方。
a) 容器の内側に薬剤を少量流し込み、よく振って内部全体に掛かる様にします。
5分程度したら、内部の薬品を流し、元の容器に戻します。薬品は、貫入の間に入り込み
ますが、乾燥し効果が出るのに半日~24時間程度必要です。この間中に水を入れてしまう
と効果が無くなります。
b) 外側(側面)や底面は筆で塗ります。塗った後は拭き取らない様にします。施釉して
いない部分は素地が薬品を直ぐに吸収しますので、意外と早く乾燥します。施釉した部分
は乾燥までに時間が掛かります。
② 黴(かび)の発生を予防する。(他の使い方です)
土物の陶器では、少量ですが水を吸収する性質があります。その為、洗った後に十分乾燥する
必要があります。乾燥不十分な場合や梅雨時などには、高台内側に黴が発生する場合があり
ます。その為、予め高台内を筆で水漏れ防止剤を塗る事で、黴の発生を抑えることが出来ます
2)撥水剤に付いて。
以下次回に続きます。