September 2, 2014, 1:50 pm
3) 実際の土殺しの方法。
土殺しの主な目的は、今まで述べてきた事の繰り返しに成りますが、以下の事柄です。
? 土を轆轤の中心に移動する。センター出しとも言います。
次の轆轤作業で、作品の振れを起こさない、土を高く伸ばす等の重要な項目に関係してきます
ので、特に重要な作業と成ります。
? 土を「のべ上げ」、「のべ下げ」を行う事で、土の柔かさを均等にする、練り癖をなくす等
を行い、次の轆轤作業の「ウオーミングアップ」となります。
? 強く締め上げる事で、土の中にの空気を最上部から抜く事が出来ます。
尚、土殺しでは、手が粘土上を滑らかに滑る事が必須条件です。
4) 土殺しの手順。
轆轤の回転方向を間違えない様に、スイッチを入れモターを回転させます。
(電動轆轤は、スイッチの入れ方で左右両方の回転が可能です。)
その際、轆轤のクラッチは必ず切(OFF)の状態でなければ成りません。
◎ 常にONのままですと、変速装置のベルト等を壊す事になりますので、不使用時は必ず
OFFにしておきます。
? 両手に水をタップリ付け、轆轤を回転させます。速度はやや速い方が良い様です。
? 両腕の肘を太もも又は脇腹に付け、両手の手のひら(掌)で、左右反対方向から根元か
撫ぜ上げます。この行動を少なくとも三度は行い泥(どべ)をだします。
必ず、一回毎に両手に水をつけます。力はほとんど要りません。
この段階では、土の表面は凸凹しています。
尚、「ハゼ石」の入っている粗めの土を使う場合、手を切る恐れがありますので、掌に布を
巻きつけ使う場合もあります。
? 泥が出てきたらいよいよ土殺しの本番に成ります。
尚、土殺しの方法は、人によって異なり、色々な手や指の使い方がありますので、一応参考
程度に見て頂ければ有り難いです。
?) のべ(延べ)上げ。両手で土を締め、上方に高く持ち上げる行為です。
a) 左右の掌(てのひら)全体で、土を抱え込む様にして、土の中心方向に力を入れます。
その際、親指の付け根に力を入れる方と、小指の付け根に力を入れる方がいます。どちらが
良い悪いではなく、あくまで習慣的なものです。但し、親指を除く四本の指先にも力を
入れます。
b) 肉厚の厚い裾野では力を入れ、上に向かうに従い、力を抜いて事です。
全体の形は三角錐に近い形になります。
c) 重要な事は手が滑っている事と、手が途中で止まらない事です。
手が滑らないのは、水切れの状態ですので、土を押す力を抜き撫ぜ上げる様にして、周囲の
泥が手に巻き付く様にします。
手が途中で止まるのも、水切れの場合が多いのですが、上部で力を抜かず、そのまま持続し、
その部分が細く成り過ぎ、頭でっかちの為、手が上に行かない場合も多いです。
この状態を続けていると、その部分から、土が「ねじ切れ」ます。
原則、「ねじ切れた土」は元の土にくっ付けられません。馴れた方なら可能です。
d) 個挽き(1本挽き)のばあいは、根元から頂上まで土全体を、土殺しをする必要があり
ますが、数挽きの場合は、上部の必要な土の1.5倍程の土のみを土殺しを行えば十分です。
?) のべ(延)下げ。 のべ上げた土を下に落とし込む作業です。
以下次回に続きます。
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September 4, 2014, 6:47 am
4) 土殺しの手順。
?) のべ(延べ)上げ。 両手で土を締め、上方に高く持ち上げる行為です。
?) のべ(延べ)下げ。 のべ上げた土を下に落とし込む作業です。
初心者は、力任せに上部から真下に土を押し付け様としますが、のべ下げには「コツ」が
あり、「コツ」を掴めば、少ない力での「のべ下げ」が出来ます。
a) のべ上げた土の頭が、右手親指の付け根付近にくる様に抱え込み、掌(てのひら)全体で
土を握ります。(轆轤は右回転の場合です)
b) 握った土の頭を、向こう側(自分とは反対側)又は斜め向こう側に、押し倒します。
即ち、土の回転力に逆らう様にし、固定された腕の肘で力を、受け止める事になります。
すると、土は回転しながら沈んでいきます。注意点は以下の通りです。
イ) 右手の肘(ひじ)は太もも又は、脇腹にくっ付けて固定します。
即ち、回転力を肘を通して、太もも又は脇腹で受け止める事になります。
肘が動くようですと轆轤の回転力に負ける為、スムーズに下に落ちてくれませんし、
綺麗な円にもなりません。
ロ) 左手は掌全体又は、親指を除く4本の指せ、土の中間から底に掛けての側面を押さえ
土の中心方向に力をいれます。すると、綺麗な丸に成る様にします。
ハ) 多く見られる現象に、親指と人差し指に隙間がある為、その間から土が上に逃げます
親指と人差し指の間に隙間を設けない事が大切です。
c) 土が下がったら、両手の指と小指の付け根で、中心に向かって土を押し込み、綺麗な円を
出します。この際も両手の肘はしっかり固定する必要があります。
?) 「のべ上げ、のべ下げ」で一セットです。これを最低三セットする必要があります。
?) のべ下げの最終形。
次に作る形によって「のべ下げ」の形が変わります。即ち数挽きで小物の場合で、底径が
小さい時には、土取りのし易い形状にし、太さもやや細く高めの柱状にします。
皿の様に底面の大きな作品では、径の大きな柱にしなければ成りません。
?) 土殺しが完全に出来ている事を確認する。
a) 確認方法は、轆轤を回転させたまま、左手(右回転の場合)の掌全体で土を抱え込み
ます。 完全に、手が動かなければ、土の中心が出た事になり、土殺しが終わりになり
ます。但し、左手の肘は太ももや脇腹にくっ付けて固定して下さい。
b) 土殺しが完全でないにも係わらす、次の段階の中央に穴を掘る行為に移ると、円周上
肉厚の「ばらつき」が発生し、遠心力に差が出て、作品に振れが発生します。
c) 尚、人によっては、左手が止まっているか判断出来ない人もいます。その様な場合第三者
に確認して貰う事です。又、目を閉じて手の触覚だけで判断すると判定し易いです。
(視覚に頼ると失敗します。)
d) 前にも述べた様に、数挽きの場合は、使用する土の量の1.5倍程の土を殺します。
個挽きの場合には、轆轤上の土の全てを土殺す必要があります。
?) 土殺しの回数は三回程度が理想ですが、初心者では中々中心が取れずに、十回以上行う
事も珍しくありません。回数が増えるに従い、粘土は水を吸い込み、腰が無くなり弱く
なります。特に背の高い作品を作る際には、土殺しは早目に終わらせる事が大切です。
慣れるに従い、水を使う量を減らします。
土殺しが終われば、次は作品作りに取り掛かります。
◎ 紐作りで筒状に巻き上げ、背の高い作品をつくる時、ドーナツ状態から大皿を挽く場合など
では、上記の方法とは異なる土殺しの方法を取ります。
(正式には土殺しと言わないかも知れませんが、目的は同じです。)
以下次回に続きます。
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September 5, 2014, 4:37 pm
土殺しと言えば、三角形や円柱状態にする方法が一般的ですが、作品の形に応じてそのやり方も違い
があります。例えば、大皿を作る(挽く)場合や、背の高い作品を作る場合です。
1) 大皿を挽く場合の土殺し。
小皿は前回までお話した方法で土殺しを行いますが、大きな皿や底の広い鉢などを作る際には、
上記方法では、対応できず失敗する事が多いです。
? 亀板を使う。
作品が横に広い場合、直接轆轤上で作ると、轆轤を占有してしまう事と、轆轤上から取り
上げる際、作品が歪み(ゆがみ)易いですので、亀板を使うのが便利です。
? 土練の終わった土を亀板上に据える。その際、亀板を水拭きする程度に濡らすと、しっかり
亀板に接着できます。作品に応じて1〜3kg程度の土の量となります。
?) 亀板のほぼ中央に土を据えたら、拳骨(げんこつ)で土の中心を強く叩きます。
この際、電動轆轤のスイッチは「OFF」にし、自由(フリー)の状態にします。
回転方向は左右どちらでも良いです。又、手は水で濡らさない事です。
a) 叩く事により、底の部分の土を締める事に成り、底割れの予防にもなります。
b) 叩く事により中央部は凹み、周囲は火山の外輪山の様に盛り上がった状態にします。
叩きながらゆっくり轆轤を回転させる事で、常に中央部を叩く事になります。
c) 底の肉厚を決める。作品の高台の大きさや高さに応じて、底の厚みが変わります。
「ベタ高台」の場合は薄めですが、一般には10mm以上は必要です。
厚みを測る針などがあれば便利です。
d) 底の面積を広げる。中央部のみが凹んでいますので、その周囲も叩き締めながら底を
広げます。底の形が水平なのか、やや中央が凹む形状なのかは、予め考えているはず
ですので、およその形状にしておきます。
e) 盛り上がった周囲の土(前記外輪山部分)全周を、上から拳骨で軽く叩き高さと肉厚を
揃える様にします。更に周囲を両手の掌(てのひら)で押さえ、全体が低い円筒形に
仕上げます。 ここまでが準備状態です。
? 水挽きで土殺し。
上記の状態ですと、土の表面は凸凹しており、円も綺麗に成っていません。表面の凸凹を
無くす事と、円周を綺麗な円にする事、及び周囲の壁(外輪山部に相当)の高さと厚みを
揃えます。この場合、1〜2枚の水で濡らした布、又は皮を使うと水切れも無くスムーズに
作業できます。尚、布などを使わず素手で作業する人もいます。
?) 表面を水で濡らす。電動轆轤のスイッチを「ON」にし、回転させます。
内側、外側、壁の周囲と上部を水で濡らします。この際ぬれた布や皮を使うと効率良く
作業できます。力を入れずに撫ぜる様にして、泥(どべ)を出します。回転はやや遅めに
します。底の内側も手に布を持ち、中心から外側に向かって撫ぜ、泥を出します。
?) 十分泥が出てきたら、回転をやや早めにします。
布や皮を2枚使う場合には、左右の手に一枚づつ持ち、1枚の場合は右又は左手に持ち
ます。持ち方は、単に普通に持つ場合と、手の3本の指に巻き付け、親指と小指の間を
通して保持する方法があります。布は十分水で濡らしておきます。
?) ここからが、土殺しの本番です。
a) 外側の円(外周)を綺麗な円にします。
イ) 左手に持った布(皮)1枚で外側から中心に向かって力を加えます。その際左手の
肘は、太もも又は脇腹に固定する事です。
ロ) 他の方法は、右手に持った長めの布を、「コの字状」に内外、上から被せ壁を
綺麗にする方法です。 即ち、右手親指が外側の壁を、人差し指が内側を布を介して
摘む様にします。更に、左手の人差し指が壁の上面を担当し、高さを揃えます。
ハ) 3方向から力を加えます。慣れた方なら3方向同時に力を加えますが、慣れない
方は、外側、内側、上の順に力を加え、表面の凸凹が無くなったら、3方向同時に
力を加え、綺麗な円と、壁の高さと肉厚を揃えます。
b) 内側底を綺麗にする。底も叩いた跡が残り、凸凹しています。
イ) 濡らした布(皮)を右手に持ち、下(亀板)に土を押し付けながら、中心から
外側に向かい、凸凹をなくします。一度では凸凹を取る事が出来ませんので、数度
繰り返します。場合によっては、外側から内側に向かって作業します。
ロ) 広い底の場合、指だけでは対応できず、「コテ」を使った方が早い場合があります
当然、「コテ」も水で濡らしておく事です。
?) 土殺しの完了の確認。
土の外周を左手で抱え込み、轆轤を回転させた際、その手が動かなければ土殺しは完了
です。動く場合は不完全ですので、布を使い、再度3方向から押さえ込むか、素手で
両手の親指を壁の内側に、他の4本の指を外側に当て、親指と人差し指の間で、壁の
真上に当てて、直径が小さくなる様に、外側に力を入れて綺麗な円を出します。
確認が取れたら次の、土伸ばしの作業に入ります。(詳細は後日説明します。)
2) 紐作り、輪積の際の土殺し。
以下次回に続きます。
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September 6, 2014, 4:59 pm
土殺しと言えば、三角形や円柱状態にする方法が一般的ですが、作品の形に応じてそのやり方も違い
があります。例えば、大皿を作る(挽く)場合や、背の高い作品を作る場合です。
1) 大皿を挽く場合の土殺し。(以上までが前回迄にお話した事です。)
2) 紐作り、輪積の際の土殺し。
? 大皿を挽く際に、上記以外に次の様な方法があり、適応する土殺しの方法があります。
主に底が広く平らな、大皿や大鉢を作る場合に適応する方法です。
?) 底に成る部分を「たたら」で作り、その周囲をドーナツ状の土を貼り付け、綺麗に成形
する際の土殺しです。底が広く平坦な板状の物は、底割れがし易いですので、その予防にも
なります。
a) 底に成る土は「たたら板」では無く、土を叩き締めて作ります。
「たたら板」で「たたら」を作る場合、押し固めた大量の土から、切り出す事が多く、
締めが弱い傾向がり、締めが斑(まだら)に成り易いです。
イ) 「叩き板」と「のし(伸し)棒」を使い、平坦な土(板)を作ります。
但し底になる部分は、円形ですので、丸く伸すと無駄が少なくなります。
「叩き板」でしっかり叩き締めてから、「のし棒」で均等な厚みの板に伸ばします。
ロ) 底板の厚みは作品の大きさ、高台の高さによって、選択する必要があります。
ハ) 高台の形状や高さの関係で、「付け高台」にする事も可能です。
b) 亀板の上に上記円形の底板を載せて、丸く切り出します。
イ) 轆轤の中心に載せる事は難しいですから、おおよその位置に置き、轆轤を回転させ
ながら、針(剣先)で綺麗な円形に切り出します。
ロ) 広い面積の平坦な土を亀板に載せると、その間に空気が入る事が多いです。
そこで、轆轤を回転させながら、布を使い中心から外側に、数度撫ぜて空気を抜きます
c) ドーナツを作る。
イ) 一般的にドーナツを作る方法は、必要な長さ(上記円盤の外周)の丸い紐状の土の
両端を圧着する方法が取られますが、接続部から空気が入り易いですから注意が必要です
ロ) 他の方法に、一塊の土を団子状に丸め、その中央に手で穴を開け、その穴の径を
広げる方法があります。 この場合、繋ぎ目がありませんので、空気が入らない利点が
ありますが、慣れないと、同じ太さにするのが難しいかも知れません。
d) 底板にドーナツ状の土を載せる。
イ) 底板上面の外周に筆やスポンジで水を引き、濡らしてから外周に合わせて載せます。
ドーナツの径が底板の径よりやや小さめの方が、作業がし易くなります。
ロ) ドーナツの上部を拳骨で軽く叩きながら、空気が入らない様に圧着し、高さも揃え
ます。
e) 繋ぎ目を消す。
イ) 外周は、底の土を水で濡らした「竹へら」を使い、上になすり上げます。
ロ) 内側は、ドーナツ状の土を、指を使って下に滑り下ろします。
その際、底板まで力を入れると、底板の一部が凹みますのでその手前で力を抜きます。
f) 布(又は皮)を使って綺麗な円を出します。
イ) ドーナツは歪んでいますが、慣れた方なら、そのまま轆轤挽きで、土殺しが可能です
ロ) 慣れない方は、轆轤を回転させ、針を使い外側の円、内側の円、真上の高さを
揃えて切り取り後に、布を用いて土殺しを行います。
この方法は前回お話した事と同じ行為になります。
? 紐造り、輪積による作品造りの際の土殺し。
以下次回に続きます。
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September 7, 2014, 5:48 am
2) 紐作り、輪積の際の土殺し。(前回の続きです)
? 紐造り、輪積による作品造りの際の土殺し。
紐を巻き上げて作る理由は、径がやや大きめで、背の高い作品を作りたい時や、伸び難い土を
轆轤挽きしたい場合が多いです。
紐作りは手捻りの基本的な技術ですが、慣れない方は、長くて真ん丸で同じ太さの紐を作る
事は意外に難しいです。多くの場合、扁平な紐に成る事が多いです。但しここでは紐の作り
方は省略します。
?) 紐の太さが細いと、当然一段は低いですので、数多く積む必要が生じます。更に下段が
細いと、強度的に弱く高く積む事が出来ません。使用する土の軟らかさ(乾燥度合)によって
高さも制限されて仕舞います。
a) 原則は全て同じ太さの紐を使いたいですが、高く積み上げる際には、太さを三段階に分ける
方法を取る場合も有ります。即ち、下部が一番太く、中間部が普通にし、上部を細めにする
方法です。
b) 一本の紐の長さは、繋ぎ目を少なくする為にも、出来るだけ長い方が良いです。
更に、紐同士を繋げる際、強度的に弱くならない様にする事と、空気が入らない様にしなけれ
ば成りません。紐の端面が凹んでいると、空気が入り易いですので、切り取ってしまう方が
安全です。又、接着面を広くする事で強度を強くする事ができます。即ち、紐の端面を
お互い逆方向に斜めにカットし、圧着します。
?) 紐を積む方法には、丁寧な積み方である輪積みの方法と、蛇が「どぐろ」を巻く様に
ぐるぐる巻いて行く方法があります。後者の方が手間も省ける為、一般に行われている方法です
いずれも、底になる土の板の周囲に巻き上げます。基本的には真っ直ぐ筒状に積み上げますが
繋ぎ目に空気が入らない様に、下段の紐に押し付けます。
技術書などでは、紐を内側に捻(ねじ)りながら、積み上げる方法が紹介されていますが、
その効果はいまいち不明です。
積み上げる高さは、最大で内側の手(右手)の肘程度が安全です。それ以上に成ると座った
ままでの轆轤作業が困難になり、立って作業する事に成るからです。
?) 繋ぎ目を消す。
一般に手捻りの場合と同様に、内外の繋ぎ目は、消してから轆轤挽きします。
尚、慣れた方なら、土殺しの際、上部より下部へ手を移動させて一度に、内外の繋ぐ目を消す
事も可能です。
繋ぎ目を消す場合、肉厚の厚い方の土を削る様にして薄い方に移動させて消します。
繋ぎ目を消す方法には以下の方法があります。
a) 手の指を使って消す。
この場合、紐を高く積み上げた際、径が小さいと手(腕)が入り難く、作業がし難い
ですので、内側だけでも高く積む前に作業し、その後に積み上げる様にする必要があり
ます。 この場合、一段一段と繋ぎ目を消しますので、手間と時間が掛ます。
b) 竹箆(へら)を使って一気に繋ぎ目を消す。
水で濡らした角張った竹箆を使い、上から下、下から上へと、やや力を入れて、内外の
壁を撫ぜ上げます。その際、内側又は外側に他の手を添えて、筒状の形が崩れるのを
防ぎます。
?) 土殺しを行う。
繋ぎ目を消した状態では、筒が轆轤の中心に載っているとは限りません。又、壁の肉厚も
一定に成っている訳ではなく、更に内外の表面も凸凹の状態ですので、筒が中心に来る様に
し、肉厚も一定にする為、土殺しを行います。
a) 土殺しの方法は、今まで述べて来た事と同じです。
即ち、土を撫ぜる事で、泥(どべ)を出し、手が滑る様にします。
作業は内外同時に行います。一番最初は一般の土殺しと逆に、上から下へ手を動かします。
逆では紐同士を引き離す方向に、力が加わる為です。数度上から下へ撫ぜ下げたら、次は
下から上へ撫ぜ上げます。
b) 積み上げられた物が、縦長ですので、水切れがし易いです。
両手に水で濡らした布(又は皮)を持ち作業します。当然左右の手は、バラバラですが、
左手の肘はしっかり脇腹や太ももに固定します。(右回転の場合です。)
c) この段階で、垂直な円筒形にし、表面の凸凹が取れれば、土殺しは終了となります。
次回からは「土伸ばし」を説明します。
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September 7, 2014, 6:42 pm
土を伸ばすとは、肉厚の厚い部分を、手の指や「コテ」を使って、薄く伸ばす事です。
轆轤で難しいのは、この土を薄く伸ばす行為です。これが上手に出来る様になると、轆轤技術の
70〜80%程度はマスターした事になると言われる程です。
伸ばす方向は、真上、斜め上、横方向とありますが、主に真上と斜め方向で、横方向は遠心力が
常に働いていますので、外側に広げる事は、さほど困難ではありません。但し遠心力に逆らう方向に
伸ばす場合は、やや工夫が要ります。
1) 土を伸ばすタイミング。
? 作品の形造り前に行う場合。
? 作品の形造りの際行う場合。
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September 8, 2014, 7:26 pm
土を伸ばすとは、肉厚の厚い部分を、手の指や「コテ」を使って、薄く伸ばす事です。
基本的には、両手の指を向かい合わせて、締め上げる様に使いますが、「コテ」を使う場合は、
片方の手の指と「コテ」を向かい合わせて使います。尚、指や「コテ」の使い方は後日お話します。
轆轤で難しいのは、この土を薄く伸ばす行為です。これが上手に出来る様になると、轆轤技術の
70〜80%程度はマスターした事になるとも言われる程です。
1)土を伸ばす方向は、真上、斜め上、横方向とありますが、主に真上と斜め方向です。
? 基本的には真上に、薄く伸ばす事ですが、人により又は、場合により斜め上に伸ばす事も
あります。いずれも重力に逆らいますので、それなりの力が必要です。詳細は後日説明します。
? 横方向は遠心力が常に働いていますので、外側に広げる事は、さほど困難ではありません。
但し遠心力に逆らう方向(轆轤の中心方向)に伸ばす場合は、やや工夫が要ります。
横方向に伸ばす際、底部分を伸ばすのは、余り問題に成りませんが、それより上部で広く
伸ばすには、「土が落ちる」(へたる)現象が起こり易いですので注意が必要です。
2) 土を伸ばすタイミング。
? 作品の形造り前に行う場合。
土を出来るだけ薄く伸ばしてから、形造りを行う方法です。背の高い作品はこの方法を取る
事が多いです。
? 作品の形造りの際行う場合。
制作途中でどうしても、土を伸ばす必要に迫られる場面があります。
例えば、首の細い器(花器など)では、細くする事により、肉厚が厚くなります。そのまま
轆轤挽きを続けると、撚れ(よれ)が発生します。それを予防する為、土を薄く伸ばします。
又、必要な寸法に成らなず不足する場合、土を薄く伸ばす事で寸法通りにする事もできます。
尚、これらの事の詳細は後日、お話します。
? その他の場合。
必要に応じて、伸ばす必要がある場面が出てきた場合に、対応します。
2) 轆轤挽きの際の指や「コテ」の使い方。
何度もお話する様に、指使いや轆轤の挽き方は統一した方法は確立していません。
個人個人によってその方法は千差万別です。なるべく多くの方法を紹介したいと思っています。
? どの指を使うか。何本の指を使うか。
? どの様に、指を向かい合わせるか。指のどの部分を使うか。
? どの様ににして、指の位置を確保するか。
? 何処に力を入れるべきか。
? 指や腕の移動の仕方。
? 効率的な力の使い方。
? どの様に「コテ」を使うか。
? その他 どの様にして土に力を伝えるか。どの部分で力を入れるか。等々です。
以上の様な事柄に付いて、順次お話します。
3) 土を伸ばす際に起こる問題点。
? 土が中々伸びてくれない。 薄くするのに時間がかかる。
? 伸びた土の高さが不揃いになる。
最上部を切り揃えても、切り揃えても、高さが不揃いになる。
? 伸ばした土の肉厚が一定しない。
? 伸ばした土に「よじれ」が出る。「よじれ」が補修できない。
? 土が途中で千切れる。
? 伸ばした土が振ら付く。
? 振ら付いた土が修正できない。
? その他。大皿が挽けない。土の種類によって上手くいく場合と、上手くいかない。等々です。
以上の事柄の原因と対策をお話します。
以下次回に続きます。
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September 9, 2014, 8:22 pm
本日より、電動轆轤作業の技術的な核心部分に入ります。
轆轤作業は、指や掌(てのひら)を使って作業し、足で轆轤の回転スピードを制御します。
1) どの指を使うか?。
? 轆轤作業では、両手の指の分担作業が行われます。主に親指、人差し指、中指が使われます。
薬指や小指も使われますが、多くの場合、他の指を補佐する役目になります。
又、親指と人差し指の間を使います。筒状の径を細める時などに使います。
? 基本的には、指単体で使う事は少なく、同じ手の指と連携して使われるか、他の手の指と
連動して使う事が多いです。
? 土取りで使う指。
?) 砲弾型や三角形の土から土殺しを行い、数挽きで多数の作品を作る場合には、土取りの
作業を行います。即ちその作品に相応しい(ふさわしい)土の量を決めます。
?) 土殺しが終わった土の上部を、左手の掌全体抱え込みます。(轆轤が右回転の場合)
その際、左手の肘(ひじ)は太もも又は、脇腹にくっ付け、手が「ぶれない」様にします。
?) 土の量は、中指、薬指、小指のいずれかを使い、弱い力で土の表面全周に溝を付けます。
当然、小指を使った場合が一番土の量が多くなります。この溝から上の部分の土を使い
作品一個を作る事になります。勿論、個挽きの場合は、この作業はありません。
? 土の中心に穴を掘り込む際に使う指。
?)使用する土の量によって、片手の親指で行う方法と、両手の親指を使う方法があります。
土の量が少ない時には、片手(左手)で行い、量が多い時は両手で行います。
?) 片手で行う場合。手は濡らしておきます。
a) 轆轤を右回転させ、左手の掌全体で土の上部抱えこみ、親指を下に向け、土の中心を
掘り込みます。その際、土の中心から外れない事です。常に中心に押し込んでいれば、
親指は首振り運動はせず、止まっている状態で掘り進む事になります。
b) 首振り運動をしているのは、中心から外れている事を意味し、周囲の壁の肉厚が均等で
ない事を示しています。
c) 親指の第一関節の深さ程度まで、掘り込んだら右手で水を掬い、穴の中に水を補給し
内側の水切れを防ぎます。
d) 次に穴の口を開き、擂鉢状にし穴の内部が見える様にします。やり方は、親指の関節を
「ぴんと伸ばし」、やや傾斜を付けます。
e) 「ぐい呑み」程度の大きさであれば、親指のみで十分深さが足りますが、やや大振りの
作品では、堀足りませんので、右手中指を穴の中心に置き、更に堀込みます。
その際も、右手に左手を添えて、中心から外れない様にします。
f) 注意する事は底の厚みを確認する事です。掘り過ぎれば、高台部分の土が無くなりますし
最悪の場合、底が抜けます。堀足らなければ底が肉厚になり、重たい作品になり、最悪
「底割れ」の原因になります。一個作りの場合では、厚みを計る針を中心に刺し、厚みが
確認できますが、数挽きでは、土取りした線に親指の爪を当て、穴の中心に置いた中指
との高さの差で判断します。
?) 両手の親指で掘り込む場合。
使用する土の量が多いと、片方の手では力不足ですので、両手の親指を使います。
a) 両手に水を付け、掌(てのひら)全体で抱え込む様にし、両手の親指を接触させた状態で、
下に向けて、土の中心を掘り込みます。
b) 親指の第一関節程度まで掘り込んだら、穴の中に水を補給します。
それ以上掘り込みたい時は、上記と同様に右手中指を使って掘り込みます。
この時も、底の厚みに注意します。
? 器の内側の底を作る。
器の内側の底は、土を上に伸ばす前に行う作業です。周囲が高くなると作業がやり難く
なる為です。
?) 穴の中心部の深さが確定したら、右手中指の指先と腹の部分を使い、下に押し付け
ながら、中心から横方向(外側)に底を広げます。
その際、轆轤の回転をやや早めにします。遅いと綺麗な円になりません。底の部分は
肉厚ですので、強い力が必要です。
?) 一度で広げたいですが、無理なら数度に分けて行います。下に押し付けるのは、底の
土を締め、底割れを防ぐ役目と成ります。但し、力を入れ過ぎると、綺麗な面になり
ません。器によっては、茶溜りの様に中央が凹み場合もあります。
中指の腹を使い、中心を通る線上を触る事で、底の形状が確認できます。
目で見て判断するより確実です。
? 土を筒状に薄く伸ばす前にする事。
?) 底まで作った時点では周囲が盛り上がった円形になっています。
この状態で土を伸ばすと必ずと言って良いほど、筒は歪み(ゆがみ)ます。即ち、周囲の
土の肉厚と、高さが不均一な状態になっている為です。
?) 肉厚と高さを均一にし、更に、綺麗な円にする。
両手の親指を内側にかけ、他の掌を揃えて外側を押さえ、親指と人差し指の間で円の上部
を押さえ込みます。即ち、内外上と押さえ込みます。
?) 注意点は以下の通りです。
a) 若干外側の力を強くし、直径が大きくならない用にする事です。
出来れば径が少し小さくなる程度が理想です。
b) 両手の隙間は同じにする。即ち、手首側の隙間と、指先側の隙間を同じにします。
これは、径を小さくする際、土が一方に逃げるのを防ぐ為です。
c) 内側の親指は、添える程度とし強く内壁を押さえない事です。
更に、真上も力を入れ過ぎると、口縁が極端に肉厚になり、次の土伸ばしの際、障害に
なる場合も有ります。
以下次回に続きます。
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September 10, 2014, 9:20 pm
指の使い方の基本は、作業する指の位置を確実に保持する事と、少ない力で効率良く、力を土に
伝える事で、形造りが出来様にする事です。
1) 指を確実に保持する方法。
人体の腕や手、指は基本的に「片持ちの構造」になっています。即ち、指は掌(手の平)から
伸びていますし、手は手首から、そして腕は胴体(肩)から伸びています。
注: 「片持ち」とは、長い棒状の物を一端のみで支えている事で、構造的に弱いです。
? 片持ちの構造は、外力に対して不安定で、直ぐに影響を受けます。
作業者の望む位置で、指や手などが確実に保持できれば、安定した轆轤挽きが可能になります。
その為、次の行為によって「片持ち」の欠点を補修します。
?) 腕や手、指を固定するには、先ず腕の位置を固定する必要があります。
腕の位置を尾固定するには、肘(ひじ)を太ももや脇腹に付けます。
肘が自由に動くと、手や指は不安定に成りますし、力も出ません。
又、「柄コテ」を使う場合にも、「コテ」を持つ腕の肘は固定します。
?) 左右の手は連結する。どの部分でどの様に連結するかは、作業内容によって異なります。
イ) 利き手の右手の手首を左手で掴み、腕の振れを予防する。
亀板の上に円を描く際には、轆轤を回転させ、綺麗な円く必要がありますが、フリー
ハンドでは、一本線の円には成りません。細かい絵を描く際にもこの方法が取られます。
ロ) 右手の甲や指の付け根の部分を、左手の指を添えて手首から先の部分を固定する。
土の中央に親指で穴を掘り、右手中指で更に掘り込む際に、手の甲又は中指の付け根に
左手を添えて中指を補強します。
ハ) 左右の親指同士を繋げて指の位置を固定する。
両手の親指が組める程度の深さの場合は、必ず繋げます。土を伸ばす際には必須事項です
尚、背の高い作品の場合、両手の親指が繋がらなくなりますが、親指同士が繋がる様な
位置まで移動したら、必ず繋げる様にします。
?) 一本指を使う場合は、その指の周囲の他の指で支える。
例えば、人差し指を使う場合には、親指で支え、更に折り曲げた中指で反対側から支えます
中指を使う場合には、人差し指と薬指ではさみ支えます。
尚、一本指は他の指で補佐しても、不安定ですので、なるべく他の指と共同で使う方が
安定します。
? 腕や指は、支点からの距離が長くなると、不安定になります。
それ故、出来るだけ支点からの距離を短くして使います。
指ならば、「ぴんと伸ばす」よりも、やや内側に曲げた方が、支点からの距離が短くなり
ますし力も入り易くなります。
土を伸ばす際、左手の人差し指を折り曲げ、指の関節を使う方法もあります。
又、「柄コテ」を持つ場合も、短めに持ち支点を「柄コテ」の先に近付けます。
2) 力は面より線、線より点で押した方が強いでます。
即ち手の平(掌)全体で押さえるよりも、掌を除く指を使う事で、強い力が出ます。
更に、指の腹ではなく、指先を使う事で更に力が強まります。指先を一直線に揃えて使うと
より強い力となります。
3) 轆轤の回転スピードも、安定化に関与します。
轆轤は独楽(こま)と同じ原理の回転運動をします。
? 即ち、回転速度が速い程、遠心力は強く働きます。しかし円周上に肉厚の偏りが無い場合には
遠心力は均等になりますが、偏りがあると、遠心力は一部に強く働き、振れの原因に成ります
? 回転は速い程、安定的に回転します。逆に遅い程不安定になります。初心者の方は、怖がって
回転が遅くなり勝ちで、不安定になり振れの原因になります。
? 回転速度は、作品の径によって変えなければ成りません。基本的には、径の大きい物は遅めに
径の小さい物は、早めにする必要があります。即ち、手で触るスピードを一定にします。
? 回りながらその軸を不安定にぐるぐる回る動きを「歳差運動」(首振り運動)と呼びます。
この運動は、外部より力を加えて、修正しない限り自然に治る事はありません。
前置きが長くなりましたが、次回より実践(実際の方法)についてお話します。
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September 12, 2014, 12:49 am
土を薄く伸ばすには、土の両側から指を向かい合わせて、力を入れて押します。
手のひら(掌)全体で押す場合もありますが、ほとんどの場合、掌全体で押す事は少ないです。
1) 土の壁の内外から力を加えて、肉厚を薄くします。
? 一般に器の外側は左手の指が担い、内側は右手の指を使います。(右回転の場合です)
?)「ぐい呑み」程度の小物では、例外的に右手の親指と人差し指で摘み上げ、薄くする事が
有ります。左手は右手に添え、右手の振ら付きを抑えます。
?) 土を上に薄く伸ばす際には、内側は右手の親指を除く4本の指が入る大きさにします。
上記「ぐい呑み」程度では、右手の人差し指と中指の2本が入る程度にします。
薬指と小指は邪魔に成らない様に、内側に折り指先が掌に付くようにします。
?) 左手の肘(ひじ)は太もも、又は脇腹にくっ付け固定しますが、右手の肘は自由(フリー)
にします。右手の肘を体に付けると、懐が狭く作業が窮屈になり、難くなります。
? 左手の作業位置。
轆轤作業では、外側になる手(右回転では左手)が基準となりますので、最重要です。
?) 左手は、回転する器の左側で作業を行います。
作業する位置は、時計の針で言うと、最悪9時の位置です。出来れば8時付近で行います。
10〜11時と成るに従い、体が伸びる事になり、土を押す手(指)の力が土に伝わり
ません。即ち、回転で手が流される状態になるからです。
最低でも。遠心力に負けない程度の力が必要です。
?) 人によっては、作業者のお腹(おなか)側で作業する人もいます。
掌を向こう側(土の方向)に向けて使いますので、手首を捻る格好になり、力が入り難い
です。又作業位置が上に行くに従い、左手の肘が体から離れ易く、固定が困難になります。
肘が固定されていないと、回転力に負けてしまい、引き上げた筒は歪み易いです。
?) 左手の指を真下、又は斜め下に向けて使う人もいます。
この場合も、指を伸ばして使いますので、力が入り難い事と、左手の肘が浮き易くなります
? 左手の使い方(動かし方)
?) 土を上に伸ばす程、両手は高い位置に移動します。その際でも、左手の肘は固定した
ままにして置きます。即ち、肘を中心にした円弧運動をさせます。そうすれば肘が浮く事は
有りません。
?) 左手は真横に倒して使います。円弧運度とともに、指先は徐々に上向きになります。
?) 左手の親指を除く指3本(または4本)の指先を使う。
a) 掌(てのひた)全体で土を押さない事です。前回述べた様に、面で押すと力は分散し、
強い力が土に伝わりません。更に、土との接触抵抗も増えますので、拠れ(よれ)の原因に
なり易いです。
b) 手の指の長さは当然ながら異なります。そこで、一番短い人差し指に合わせて、他の2本
の指(中指、薬指)を曲げます。簡単な方法は、親指を除く指先をテーブルなど平らな
部分に垂直に押し付ければ、自動的にその形状にする事が出来ます。尚、小指は薬指に
添わせます。
c) 指の腹でなく、指先3本の指先を使います。(予め、爪は切ておきます)
3本の指は揃えられています、3本同時に使う事もありますが、主に力を入れる指を決めて
使う場合が多いです。人差し指、又は中指を使う事が多いです。
d) 左手人差し指の第二関節部分を使う方法。前回少し触れた事項です。
イ) 左手で拳骨を作り、親指は右手の親指と連結する為、他の指から離します。
更に、人差し指の第二関節を他の3本の指の関節より、突出させます。
この出っ張った部分で土を押して薄く伸ばします。
ロ) この方法の利点は、指の長さを短く使う為、力が入り易い事と、指の保持が強固で、
指の振れが起き難い事です。
ハ) 欠点として、左右の親指が連結できる範囲が短い事です。即ち、土を伸ばす際の初期
段階では、肉厚も厚く、背も高くありませんので、使う事は有効ですが、ある程度高く
上に伸びた状態では、使い難く成ります。
? 右手の動かし方。
右手は左手と共同作業で土を薄くします。
以下次回に続きます。
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September 13, 2014, 1:13 am
1) 土の壁の内外から力を加えて、肉厚を薄くします。
? 一般に器の外側は左手の指が担い、内側は右手の指を使います。(右回転の場合です)
? 左手の作業位置。
? 左手の使い方(動かし方): 以上が前回までの話です。
? 右手の動かし方。
右手は左手と共同作業で土を薄く伸ばします。但し、右手単独で使う場合は少ないです。
?) 右手で使う指。
主に人差し指か中指を使います。中指の場合は、指先を使う事になりますが、人差し指の
場合は、指先又は親指側の側面を使います。
a) 一番長い指である中指を使うのは、自然の様ですが左手の指と向かい合わせる事になると
人差し指を避けてやや手首を捻る(ひねる)事になります。捻る事は腕が轆轤の中心側に
移動する事になり、口縁の内側から手や指が離れ易くなります。即ち、口縁の規制がなく
なり易く、首振りの原因にもなり易いです。
b) 人差し指の場合、指先を使うとすると、中指同様に若干捻る事になりますが、その場合
右手の人差し指の付け根側(親指側)で、口縁の内側を押さえる事が出来ますので、首振り
の予防にもなります。
もう一つの方法は、人差し指の親指側の側面全体を使う事です。
この場合は、指は真下に垂直に降ろして使います。肘は上に挙げると指の自由度は上がり
ます。当然指先を使うのに比べ、力が分散する事になりますが、土を上に伸ばす際には、
器(又は筒状)の外側により強い力を加え、内側はやや力を弱くするのが「コツ」です
ので、理に適った(かなった)方法といえます。
c) 人差し指を使う場合は、中指を内側に曲げて短くし、邪魔にならない様にします。
その中指で人差し指を支え補強します。薬指と小指もくっつけて使います。
?) 左右の親指同士は連結する。但し可能の範囲内の事です。
a) 理想の連結の仕方は、単に親指同士を連結するだけでなく、親指「X状」に組み、更に
両方の親指の先を、相手の人差し指の付け根に繋げます。こうする事にでより強固に繋がり
相互の人差し指を補強する事もなります。
b) 深い筒状になった場合でも、両手の親指の先同士は繋げたいです。勿論高さが20cm程度
では繋がりますが、それ以上になると困難になります。特に手指の短い女性では、直ぐに
繋がり難くなります。
尚、何度もお話する様に、指の使い方は、人により「個々にばらばら」です。
各自、自分の使い良い指を使う事です。特に指先を怪我した場合には、他の指で代用する事も
あります。
2) 土を伸ばす方法と諸問題。
? 左右の指を向かい合わせるには、以下の方法があります。
?) 同じ高さで向かい合わせる。
この方法が一番土を強く押さえるますので、力を有効に使う事ができます。
?) 内側(右手)の指を若干上にする。
多くの技術書にはこの方法が紹介されています。土が横に広がらない為には、有効な方法
です。更に下(外側、左手)の指で、土を掬い上げる様にしますので、土が上に伸びると
言われていますが、真偽の程は不明です。尚、この方法は作品の径を細くする際にも使われ
ます。
?) 外側(左手)の指を若干上にする。
この方法は、作品の径を膨らませる時の使い方です。土を薄くする方法には不向きです。
? 土を伸ばす際、の注意事項。
土を伸ばす前の状態が、周囲の肉厚が一定である事。周囲の高さが揃っている事、更には、
振ら付いていない事が重要です。又、表面に十分泥(ドベ)が付いている事が必要です。
? 何処から土を伸ばすか。
以下次回に続きます。
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September 14, 2014, 2:07 am
2) 土を伸ばす方法と諸問題。
? 左右の指を向かい合わせる方法。
? 土を伸ばす際、の注意事項。: 前回お話したのは以上まです。
? 何処から土を伸ばすか。
一般に付根の部分、即ち、最下段より土を伸ばすと良いと、考え勝ちですが作品の大きさに
応じて、方法を変える必要があります。
?) 筒状で背の低い作品であれば、最下段から土を伸ばす事は、特に問題はありません。
?) 出来るだけ高く、土を伸ばす為には、最下段では無く、上から1/3程度の高さから引き
上げる事です。土の上部に肉厚部分があると、その土の塊が邪魔をして両手の指がスムーズ
に上に移動できません。その場で滞る(とどこおる)様になります。この状態ですとその
部分のみの肉厚が薄く成り過ぎ、上部の土の重さに耐えかねて、「よれ」(ねじれ)が
発生し易くなります。
?)上部(頭)を軽くする事で、振れの原因も少なくなります。(振れの原因は色々あります
ので、後日詳細をお話します。)
?) 土伸ばしは三段で行う方法があります。
上記の様に、最初に上部の1/3を伸ばし、次に中間の1/3を伸ばし、最後に下段の1/3
を伸ばす方法です。土が中々薄くならない方に、お勧めする方法です。
? 左右の指の力は、外側の手(左手)を強くし、内側の右手の力をやや弱くします。
?) 回転する轆轤では、常に遠心力が働き、径を大きくしようとする力となります。それ故、
遠心力以上の力で、内側に押し込む必要があります。
?) 力を入れる強さは、肉厚が厚い程、大きい力が必要です。即ち、最下段が一番肉厚に
なっていますので、下段を薄く伸ばすには、他の場所を伸ばす時より、強い力が必要です。
引き上げられた土の高さ方向の断面を見ると、下から上に向かって肉厚が薄くなっているのが
理想です。土を上に伸ばしている段階では、下から上まで、同じ肉厚に成る事はありません。
?)土を伸ばす際には、口径は常に片手の4本の指が入る程度の大きさにしておきます。
口径が大きくなるに従い、振れや狂いが生じ易くなります。
? 両手の指を向き合せた状態で、下から上に移動するのが基本です。上から下へ移動する
方法もありますが、初心者にはお勧めできません。慣れた方なら土の「よれ」を取る為に
下に移動する事があります。当然、指がと土が滑る様に、指と土を濡らしておく必要があり
ます。
?) 両手は一定の速さで、上に移動させますが、最上部近辺では移動スピードを遅くします。
同時に、轆轤の回転スピードも若干落とします。
?) 土から手を離す際、一息入れる程度の時間を掛けます。急に土から手を離すと、確実に
土は振ら付きます。
?) 筒状に挽き上げる際、内側の指に力が入り過ぎると、太鼓形になります。こうなると
土は上に伸びません。むしろ中央部分が凹む鼓(つづみ)形にすると、良い結果がでます。
但し、次の作業に移る前に、内側に手を入れて、同じ太さの筒状にします。
? 引き上げる回数。回数は少ない程良いです。
引き上げ作業の回数が多いと、時間が長くなる事で、土が水を吸い過ぎ腰が無くなります。
即ち土が上に伸び難くなります。その為、大物を作る際には、硬めの土を使うと良いです。
轆轤に慣れない方は、力の入れ方が弱く轆轤の回転スピードも遅くなり易く、中々土が上に
伸びてくれません。
尚、伸び易い土と伸び難い土が存在しますので、なるべく伸び易い土を使って練習する事です
以下次回に続きます。
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September 15, 2014, 2:36 am
土を上に伸ばす際、色々な問題に直面します。 それらの問題の原因と、対策について述べたいと
思います。
1) 土が思う様に薄くならない。初心者にとって一番悩む問題です。
基本的には、左右から力を加えれば、土は上に逃げるしかありませんので、薄く上に伸びる事に
なります。但し、現実では中々上手くいきません。
?) 原因として、以下の事が考えられます。
a) 土の選択が誤っている。土には、伸び易い土と、伸び難い土があります。
一般に肌理(きめ)の細かい土は、やや粗めの土に対し伸び難いです。
例えば、信楽の特漉しは、並漉しよりも伸び難い土です。
市販されている土ならば、程度の差は有りますが、轆轤挽きが特別困難な土はありません。
b) 土が柔らか過ぎる。水分を多く含む土は柔らかくなります。一見土が伸び易く思われますが
土に腰が無い為、高く上に伸びてくれません。伸びたとしても直ぐに縮んでしまいます。
同様に、轆轤挽きの時間が長くなると、土が水を吸い込み柔らかくなりますので、土が
伸び難くなります。大物を作る際には、やや硬めの土を使います。但し、硬めの土を使うと
強い力が必要になります。
c) 土を内外から締め付ける力が弱い。小生が初心者を指導する際、作業者の外側になる左手の
人差し指を持って力を加えます。大抵の方は「こんなに力を入れるのか」と驚かれます。
多くは土の表面を撫ぜている程度の力しか入れていません。これでは土は伸びません。
d) 内側からも押し返す。内側からも外側の指に向かい合わせた、右手の中指又は人差し指で、
外側と同等又は若干弱い力で、押し返します。
e) 轆轤の回転が遅い。 初心者は回転を早くするのに不安を感じ易く、どうしても回転を
遅くしたがる傾向があります。回転が遅いと遠心力も弱くなります。
遠心力は、回転が速い程力は強くなります。外側の手(左手)で内側に押す事で、上に
向く力に変換されます。この力が土を上に伸ばす働きに成ります。それ故、ある程度の
回転スピードが必要です。
f) 直径を大きくし過ぎる。径が細い程背は高くなります。
底に成る部分を、後から径を大きくする事は困難ですが、底以外では径を大きくするのは
容易です。それ故、上部に行く程、細くすと背が高くなります。
ちなみに、1kgの土で片手が入る程の径であれば、高さが20cm以上可能です。
初心者の方はこの20cmを目標にして下さい。慣れた方なら土の種類によりますが、
22〜25cm程度が可能です。更に細長くした場合には、30cm程度まで可能です。
g) 前回お話した、三段に分けて土を伸ばす事により、比較的容易に土を伸ばす事が出来ます。
2) 口縁の高さが一定しない。即ち、高い所と低い所が出来る。
?) 轆轤修行中に良く見られる現象に、土を上に伸ばして行くと、一部が高く、一部が低くなる
傾向が現れます。高さに差があると、引き上げた土は、歪んで見えます。
そこで、高さを弓などで揃えて切りますが、土を更に伸ばすと、再び高さに差が出てきます。
これは、切り口を見ると解かりますが、周囲の土の厚みに差がある為、厚い所がより高くなる
為です。それ故、轆轤作業はやややり難いですが、切るのはなるべく最後の一回にしたいです。
?) 周囲土の厚みに差が出る主な原因は、土殺しが不十分で、センター出しが出来ていない
事です。更にその後、土の中央に穴を開ける際、ど真ん中に穴を開けていない事です。
穴を開ける指が不安定ですと、肉厚に差(偏肉)が出ます。
?) 土の中に空気や異物が混入している場合、轆轤作業がし難いと同時に、その部分が薄く
伸びません。その為、空気を見つけ次第、針で穴を開け、空気を逃がします。
空気が混入しているのは、菊練が不十分な為ですので、十分練習が必要です。
?) 異物も指に当たるので、直ぐに見つける事ができます。早めに針などを使い取り除きます。
異物には想像のの付かない物が入っている場合もあります。多くは土練の際に混入したり
再生した土を使う時に混入し易いです。
3) 引き上げた土が振ら付く。
以下次回に続きます。
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September 16, 2014, 3:44 am
3) 引き上げた土が振ら付く。
土を高く伸ばす程、振れ(揺れ)は大きくなります。一度振れが発生すると、初心者の場合、
中々直し難いです。
? 振れの原因。
?) 土を引き上げる以前に、振れが起きている場合があります。当然引き上げ作業を行えば、
振れは発生します。それ故、引き上げる前に、振れがない事を確認する必要が有ります。
確認する方法は、左手で土を抱え込んだ際、手が動いていなければ、振れはありません。
?) 土から手を離す際、急に手を離すと確実に振れが発生します。
特に引き上げで途中で土から手を離さず、撫ぜる程度でも良いですから、最上部まで持っ
ていきます。最上部で手を離す際にも、一息入れてから離す事です。
その際、最上段では轆轤の回転速度を若干落とします。
?) 円周上で一部が肉厚になっている場合、その厚い部分の遠心力は、他の部分より強く
働きます。その結果振れが発生します。
?) 引き上げ作業以外に、不用意に土に触ると揺れが発生します。
軽く手や用具類が「ぶつかった」場合には変形し、轆轤が回転していれば、首振り運動を
起こします。 この行為を逆手にとり、抹茶々椀を作る際、真横から指の爪側で軽く叩いて
口縁を歪ませると言う方法もあります。
? 振れを直す。振れは少しであっても、そのまま作業を続けると、どんどん大きくなります。
回転速度が速い程、背が高くなればなる程、振れ巾は大きくなります。
それ故、振れが発生しない様にするか、発生したら速やかに直す事です。
但し、手元のみに意識が集中していると、振れ(揺れ)の発見は遅くなります。次の作業に
入る前に、全体を見渡す習慣を付けておいた方が良いでしょう。
?) 振れが少ない場合、又は振れが発生していない場合でも、濡れた両手の掌(てのひら)で
抱え込み、最下段より上にゆっくり撫ぜ上げます。若干径を絞るのが「コツ」です。
即ち、一度上に引き上げた直後に、濡らした両手で土を抱え込み、最下段から口縁まで抱え
上げます。その際両手の肘は太もも等で、固定する必要があります。その際、両手の隙間を
無くすか、均等に開け土の逃げ場をなくすと、より効率的に作業ができます。
更に、口縁を右手の親指と中指で摘みながら、真上を人差し指で押さえ、高さと厚みを調整
します。3本の指は一直線上に配置します。
?) 振れは最上部が目立ちますが、実際には途中から狂いが生じている事が多いです。
それ故、最上段の振れを取ると言うより、途中の振れを取る事が大切です。
?) 振れを直すには、径を細くしたくなりますが、逆に径を広げる方が楽です。
轆轤は径を細くするよりも、広くする方が遠心力の助けもあり、断然簡単です。
そこで一度広げて振れを直してから、径を細める様にします。
?) 直す際、内側から指で外側に押しますが、指に当たる部分と空振りする処が出るはずです
当然指(手)の位置の保持が必要です。轆轤はやや遅めの回転とし、全周指が触れていれば、
振れは収まった事になります。
?) 土の肉厚が極端に薄くなると、径を細くする事は出来ません。ある程度の厚みが必要です
轆轤に慣れていない人は、底周辺にたっぷり土が残り、口縁は極端に肉薄になる傾向が
あります。作品を形造る際、口縁に若干の肉の厚みが必要ですので、ある程度の肉厚になる
様にしておきます。
4) 土が捩れる(ねじれる)。
以下次回に続きます。
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September 16, 2014, 5:22 am
4) 土が捩れる(ねじれる)、撚(よれ)る。
土を上に伸ばす轆轤作業の過程で、土が捩れるとは、右上がりの螺旋状の皺(しわ)が多数発生
する事です(轆轤が右回転の場合)。轆轤で土を薄く伸ばすと、土は右上がりの螺旋状に伸びる
事になります。但し、感覚的には真上に伸びている感じがします。
? 筒状の場合は、筒の中央部から口縁直下に掛けて発生し易いです。
皺は短い凹凸の筋で、数本の長さが上下に連続して表れます。表面だけでなく、内側も凹凸は
逆ですが、同じ文様の皺が出来ています。
轆轤に慣れていない方は、土が捩れている事が解からず、続けて轆轤挽きをする事も有りますが
必ず、捩れを補修しないと、最悪その部分で捻じ切れる場合があります。
? 皺が発生すると、その部分から上の土を薄く伸ばす事は出来なくなります。
即ち、土は上よりも横方向に寝る状態になりますので、土は上に伸び難くなります。
又、皺から上が振れる(歪む)事になります。
? 捩れが発生する原因。
?) 一番多いのは、肉厚が部分的に薄く成り過ぎる事で、薄い所で発生します。
即ち、上の土の重さに耐えかねて、捩れが発生する訳です。土の肉厚は最下部で一番厚く
上に向かうに従い、肉を薄くするのが理想です。但し口縁は口造りの為、若干厚めにして
置くと、後々作業が楽です。
a) 部分的に肉厚が薄くなるのは、多くの場合その場所に手や指が、長く留まる為又は、
時間が掛かる事が理由です。
b) 長く留まるのは、上部の土が肉厚で邪魔になり、手や指がスムースに上に移動できない
為です。それ故、以前に説明した様に、上の1/3の部分を伸ばし、更に中間の1/3を伸ばし、
最後に下段の1/3を伸ばす、三段伸ばしの方法をとると、皺の発生を抑える事が可能です。
?) 土に腰が無くなり、捩れが発生します。
原因は上記と同じで、上の重みを支えきれずに、捩れが発生します。
それ故、土は硬めを使うか、轆轤作業を短時間で終わらせる事、及び水を使い過ぎない
事です。
?) 水不足による捩れ。
手や指は常に土の表面を滑っています。強い力で引き上げると、表面の泥を剥ぎ取る事に
なります。それ故、表面が水不足になり易いです。すると土との摩擦抵抗が増えます。
その為、土が右上がり方向に引っ張られ、捩れが発生します。
逆に水を使い過ぎると、水を吸った土の腰が弱くなりますので、なるべく泥(ドベ)を
多用する事です。即ち、指が土の表面を滑らせる事が出来れば良い訳です。
?) 水切れを感じたら、力を抜いて口縁まで手指を移動させます。途中で土から手を離しては
いけません。振れの原因になるからです。撫ぜる様にすると、土の周囲の泥が土全体に
広がり、水切れが修正される事もありましす。
? 今までとは逆に、土の厚みが増えた場合、そのまま作業続けると捩れが発生します。
直径を細めると、肉厚が厚くなります。特に鶴首の様な細長い径にすると顕著です。
?) 袋物と呼ばれる首を持つ形の容器では、手首の入る程度の口径から、徐々に細めて成形
するのが、一般的です。尚、細め方は後日、「形造り」の項でお話します。
?) 土は細めると肉厚になります。更に締めて細くすると、益々肉は厚くなります。
この状態を続けると、「スカートのギャザー」の様な撚れ(よれ)が発生します。要するに
表面が凸凹します。見た目にもはっきり解かる様になります。この捩れは本焼きしてもその
まま残りますので、修正する必要があります。
?) 肉厚を薄くしてから、再び土を締め細くします。この作業を繰り返し、捩れを解消します
但し、内側には指一本程度が入る隙間が必要です。それ以上狭くしたい場合には、伸ばした後
最後に一気に細くして終わらせます。
? 土の捩れを解消するには、轆轤の回転を逆にして直す方法があります。
以下次回に続きます。
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September 17, 2014, 6:18 am
4) 土が捩れる(ねじれる)、撚(よれ)る。
? 土の捩れを解消するには、轆轤の回転を逆にして直す方法があります。
即ち、右回転して轆轤作業をしていたものを、左回転で轆轤挽きします。
当然、左右のの手の使い方は反対に成ります。即ち内側が左手、外側は右手になります。
手や指の使い方は同じ方法で行います。但し回転はやや遅めが良いです。
?) 捩れた部分を若干乾燥させてから、轆轤作業に入ります。
捩れが発生した部分は、肉厚が薄くなっている場合と、土に腰が無くなっている場合が
ほとんどです。ドライヤー等で1〜2分程度乾燥させ、土に強度を持たせます。
?) 指先に水を付け、ゆっくり下から上へ移動させます。必ず口縁まで移動させます。
指先に力を入れて肉厚を薄くする事はしません。一度では修正できませんので、数度繰り
返します。 少しずつ修正する事が「コツ」です。
?) 表面の皺(凸凹)が無くなり、外から皺が判断出来なければ成功です。
修正が済んだら、回転方向を元に戻し、速度を速めます。
?) 補修した部分は肉が薄くなっていますので、力を加えず撫ぜる程度にし、その上の土を
薄くします。
? 回転方向を変えず、手指を上から下へ降ろして補修する方法もあります。
捩れが発生した直後であれば、この方法が有力です。
皺の深さも浅く、本数も比較的少ない場合、口縁の近辺より下に向かってて指を滑らせて
降ろしていきます。基本的には、轆轤を逆転させたのと同じ効果です。若干乾燥させた後に
行います。 但し、上から下への手指の動きは、やり難いかも知れません。
? 捩れや撚れが発生したした場合、慣れない方は補修するのが困難かも知れません。
?) その様な場合、一思いに捩れた部分を弓や針を使って切取る事です。
当然、高さが低く成りますので、なんらかの対策が必要です。
但し、頭が軽くなりますので、上手に引き上げれば、切り取る以前の高さ迄、伸ばす事が
可能の場合もあります。
?) 最初からやり直す。(出来れば新しい土を使いたいです)
轆轤上で補修する事は、かなり高度の技術が必要な場合が多いです。しかも、補修した
からと言って、その後の作業が順調と言う訳ではありません。むしろ捩れた跡が悪さを
する可能性が強いです。それ故、新たな土で作り直した方が、時間的にも早く、しかも
綺麗に出来る事が多いです。
5) 土が内側に折れ曲がる。
土を引き上げる(筒上げ)際、口縁が広がり過ぎた場合、細くする必要が出てきます。
その際に発生する現象で、口縁の1/3以上が内側に倒れ込みます。
特に肉厚が薄くなった場合に起こり易いです。この倒れを真上方向に直します。
?) 倒れた部分が下に垂れ下がっている場合は、両手の指で持ち上げほぼ真上に向けます。
但し、土に腰が無くなっている場合には、やや乾燥させた方が良いでしょう。
轆轤をゆっくり回転させながら、少しずつ形を整えます。綺麗な円が出たら回転を早く
します。尚、折れた部分(折れ目)は土に癖(きせ)を付ける事になりますので、後々
悪い影響が出る可能性もあります。
?) 倒れの角度が浅い場合、轆轤をゆっくり回転させながら、内側に指1〜2本を入れ徐々に
倒れを起こしていきます。起こし終えたら回転速度を早くします。
6) 「柄コテ」を使って伸ばす。
手が入らない程、細く土を引き上げる為には、「柄コテ」を使います。
?) 「柄コテ」は棒の先端部分が、凸状に膨らんだ形状をしたもので、主に内側の手の役割を
させます。一般には、形造りの際に使いますが、土を伸ばす際にも利用します。
但し、土を伸ばす際には、この膨らみは不用ですので、単なる細い棒でも良いです。
?) 水で濡らした「コテ」を右手で鷲掴(わしつかみ)し、しっかり握ります。
右手の肘(ひじ)は太ももに固定させます。
?) 使い方は形造りの際とは異なり、「コテ」は外側の指と連動して、上に動かす事はしま
せん。即ち、「コテ」は固定して使います。筒状の壁に「コテ」全体を当て、外側の指に
負けない様にします。外側の指は「コテ」に沿って上に移動させます。
?) 注意点は、「コテ」を下(底)に押し付け過ぎて、穴が開かない様にします。
次回より「形造り」に付いてお話します。
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September 19, 2014, 6:30 am
轆轤で出来る作業は、薄く上に土を伸ばす事。直径を大きくする事。及び直径を小さくする三点です
今まで、土を伸ばす事に関して、述べてきますたが、形造りは径を大きくしたり、小さくする事で、
形を整え(造り)、好みの形にする事ができます。勿論、土を伸ばした状態で作品に仕上げる事も
珍しく有りません。例えば。湯呑み、コーヒーカップ、ビアカップ等、直線的な作品です。
径を大きくしたり、小さくするには、両手の指や「コテ」を使いますが、土を伸ばす時の手や指の
使い方とは、いささか異なる方法で行います。
1) 直径を大きくする場合。
電動轆轤では、常に遠心力が働く為、径を広げるのは、比較的容易です。
どの部分を広げるかによって、作品の形が刻々変化しますので、それなりの注意点があります。
即ち、下膨れの物、中央部が膨らむ「袋物」と呼ばれる物、更に口縁が広がる茶碗、鉢、皿類
などです。作品の形によって、手指の使い方も異なります。
? 広げる際には、向かい合わせた左右の指で行いますが、外側よりも内側の手指(右回転の場合
は右手)に力を入れます。袋物はなるべく指先の点接触の方が、自由度があります。
碗や鉢、皿の場合は、広い面積を変形させる為に、面接触で行います。
? 土はすでに薄くなっていますので、強い力はいりません。弱い力で変形します。
弱過ぎて形に成らない場合は、作業回数を増やして対応します。
? 径を広げ過ぎると面倒な事になります。即ち径を小さくするのは、径を大きくするより格段に
難しいからです。特に肉厚が薄くなり過ぎた場合には、ほとんど径が縮まなくなります。
それ故、広げ過ぎない様に少しずつ広げる事です。
? 実際の作業。 左右の手は「バラバラ」に成らない様に連結するのは、いつもと同じです。
?) 口径が筒状で口の広い物、及び袋物と呼ばれる形の場合。
a) 向かい合わせた指同士に、上下差を付ける。
即ち内側の指を下側に、外側の指を上にします。その高さの差は指一本の幅程度とします。
但し、口縁を広げる、いわゆる端反(はたぞり)場合は、この方法とは異なります。
尚、端反は、次回お話します。
b) 外側の指は、筒を撫ぜる様な感じで、常に土に接触させておきます。
内側の指(人差し指又は中指)は、外側の指の下を押し広げる様にして、下から上に移動
させます。指の高さ方向の位置と押し広げる指の力によって、側面が外側に湾曲するカーブ
が決まります。いつもの様に手指は必ず真上まで移動する事です。
c) 袋物を形造るには、口縁は出来るだけ大きくしない事です。即ち胴や腰が膨らみ、首部分を
持つ(又は細くなる)物は、この部分を大きく開くと、首造りの際苦労します。
d) 「柄コテ」を使って胴部を膨らませる。
袋物では、口縁から手指が入らない程、細くする場合があります。そのような場合には、
「柄コテ」を使います。「コテ」先に濡れ布を巻きつけ、水切れを防ぎます。
尚。布を巻きつける方向は、轆轤の回転で解けない方に巻きます。
「柄コテ」の先端と、外側の位置関係は。前記指の場合と同じです。
e) 膨らませる際、下の土は上の土の重量を支える形でなければ成るなせん。
なだらかなカーブであれば、比較的安全ですが、張り出し部分が急であれば、上部の土を
支えきれずに、歪みが生じたり、最悪上部が下に落ち込みます。勿論、土の形状だけでなく
使用粘土の硬さ、轆轤の回転速度など、他の要因も関係します。
?) 茶碗、鉢、皿など、口縁が大きく開いている器の場合。
袋物は下から形作るのに対し、口縁から(上から)形造りに取り掛ます。
以下次回に続きます。
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September 20, 2014, 8:35 am
1) 直径を大きくする場合
? 実際の作業。
?) 口径が筒状で口の広い物、及び袋物と呼ばれる形の場合。
?) 茶碗、鉢、皿など、口縁が大きく開いている器の場合。
◎ 筒状の土を横方向に広げた場合、肉厚が薄くなると思われる方もいるかもすれませんが、
ほとんど変化しません。但し高さ方向は確実に縮みます。
袋物(徳利、花瓶など)は下から形作るのに対し、口縁から(上から)作ります。
即ち、逆台形型にしてから、途中のカーブを決めます。下から径を広げると、口縁が内側に
倒れ易くなります。又、底近辺を先に広げると、形が崩れ易くも成ります。
径が大きくなれば成る程、触れ(首振れ)が大きくなり易いです。
a) 口を広げる際、道具(用具)を使う事も多いです。
茶碗や小丼ならば、手を使って作ります。尚、道具としては、「牛べら」、「コテ」などを
使う事も一般に行われています。特に同じ形(カーブ)を付ける時に便利です。
b) 手を使って形を造る。
初心者の方は、最初から道具を使わず、手や指で形作る事を薦めます。道具を使う事は、
間接的に土に触る事に成りますので、形(形状)を直接触るのとは異なり、感覚的に鈍さが
あります。 又、轆轤技術を磨くには、道具に頼らずに形造りが出来る様に訓練するが、
後々役にたちます。更に、上記技術が身に付けば、自然と道具も使える様になります。
c) 指(掌)で口縁を広げる。
右手の4本の指を揃え、指と掌(手のひら)を内側に当て、手前に倒す様にして広げます。
茶碗程度の深さであれば、指の部分で処理し、やや深い鉢の場合には、掌が口に当たる様に
します。外側の左手は、右側の手と向かい合わせ、口縁との間に隙間を設けます。この隙間
が無いと、倒し難いです。尚、指先は右手の指先からやや下を押さえます。
◎ 径を大きくする際、轆轤の速度を徐々に遅くする必要があります。遅くしないと、
遠心力が強くなり、手に触る土の速度も速くなり、作品が造り難くなります。
d) 「牛べら」や「コテ」を使って形を造る。
いずれも市販されています。但し、形がほぼ決っていますので、好みのカーブの道具を
自作する事を勧めます。市販の「コテ」は、木製で汎用性があり、雲形定規の様に微妙に
カーブが変化しており、好きな位置のカーブを使う事になります。
水に塗らした「コテ」を右手に持ち、やや手前側に倒しながら、斜め横方向に押し当て
ます。移動させずに、そのまま使う事もありますが、一般的には、斜め上方に移動させて
使います。尚、「コテ」と外側の左手の指は向かい合わせます。
口の真上は3本の指(親指、人差し指、中指)で押さえ、やや肉厚にしておきます。 、
e) 口は所定寸法程度まで広げます。この段階では、外側に膨らみはありません。
所定の寸法になったら、側面の膨らみを作ります。
膨らみを付ける場合には、内側の指先を下にし、外側は内側の指より若干上の位置にし、
内側の指に力を入れながら、最上段(口縁)まで移動させます。膨らみが強い程、
背の高さは低くなります。
f) 皿(特に大皿)を挽くのは、難しいです。多くの場合は、土の周囲が垂れ下がる失敗を
経験された方も大勢いると思います。原因は底の土が十分な大きさに取れれていない事で、
張り出し部分が大きい事、更には、土が水を吸い過ぎ、腰が無くなった為と思われます。
2) 直径を細くする場合。
細くするのは、広げるよりも困難です。
以下次回に続きます。
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September 21, 2014, 10:15 am
2) 直径を細くする場合。
一般に、直径を細くする事は、広げるよりも困難が伴いますので、なるべく細くする行為は敬遠
したいですが、形造りでどうしても避けて通れません。
? 直径を細くする場合は、以下の状況の時です。
?) 土を上に伸ばした際、振れを直したり、予防する為に行います。
背が高くなればなる程、口径が広がれば広がる程、振れが発生しその振れ幅も大きくなり
ます。そこで、振れが発生する前に、細く絞る事が大切になります。
又、振れが発生した直後に細くする事で、振れを直す事ができます。
?) 所定の寸法より口径が広がり過ぎた場合にも、所定の寸法まで径を細める事があります。
?) 端反りとは反対に、口縁を内側に湾曲する鉢や碗を造る際にも、径を細くします。
又、蓋物と呼ばれる器でも、口径を細めてから、蓋を設ける形の場合にも、口径を細め
ます。
?) 形造りで径を細くする代表的な事例は、首を作る場合です。
徳利の首、鶴首など極端に細くなる形の物です。その他に壷の首を造る際にも、細める
必要があります。その他、瓢箪型の器を作る際にも胴体の一部を細めます。
? 径を細めると土はどうなるか?
?) 一般に細める事で背が高くなります。
?) 胴の中程を細めると、背が低くなる場合があります。
瓢箪型やラッパ状に胴体の中程を細める事も稀ではありません。
?) 径を細めると、肉厚が厚くなります。(尚、広げる際には薄くは成りません。)
?) 極端に肉厚の薄い場合、径を細める事ができません。
即ち、ある程度肉厚が厚い場合にのみ、径を細める事ができます。
又、水を吸い過ぎて、土に腰がなくなった場合も、細める事は困難です。この様な場合、
土を若干乾燥させた後に、轆轤挽きすると、細める事が出来る場合があります。
特に、口縁部付近は肉が薄くなり勝ちで、思う様に径を細く出来ない場合もあります。
? 径を細くする方法。
土には常に遠心力が働いている為、土の逃げ場を無くす様にし、上手に締めないと細くは
成りません。
?) 両手の手のひら(掌)を真横にして、全体で抱え込む様にして、下から上に移動させ、
振れを防ぎます。その際の注意点は以下の事です。
a) 両腕の肘(ひじ)は太ももに付け、固定します。
b) 両手の親指は人差し指の付け根に付ける。
c) 両手で一周できない場合、指先側と手首側の隙間を、同じ位にします。
さもないと、隙間の広い方に土が逃げ、効率良く細くする事はできません。
?) 両手の親指と人差し指(または中指)、及びその中間部(両指の付け根部分)を使って
径を細くする。直径がやや細い場合には人差し指を、やや太い場合には中指を使います。
当然、指は土の表面を滑る様に、水を付けて下さい。
a) 即ち、左右四本の指の腹全体で抱え込みます。他の指は土に触れない様にします。
b) 四本の指はほぼ水平にして使います。この場合も上記同様、土の逃げを無くします。
c) 主に、壷や花瓶の首や、瓢箪のくびれ部分に使う方法で、一番細い処で強く締めその
近辺では徐々に力を弱めます。
d) 締め付けている時間も大切です。強く締める処は、若干時間を掛けます。場合によっては
その場で手が止める事も必要に成ります。
?) 両手の三本の指(計六本)を使う方法。
親指、人差し指は指先を使い、中指は内側に折って第二関節部を使います。
上記?)で述べた場合より、更に径が細くなった場合に使う方法です。
この場合、土の逃げ場が左右前後の四箇所になります。その逃げ場はなるだけ均等の隙間に
する事です。この場合も、下から徐々に力を入れ、最も細い場所では、力を入れた後、
徐々に力を抜いて、口縁まで移動させます。
?) 両手の親指と人差し指の指先で、土を締めます。
(四本の指先以外の指は、土に触れません。)
上記?)より、更に径が細くなった状態の時使用します。土の逃げ場は四箇所になります。
四本の各々の間隔は一定にすると、上手くいきます。
?)その他の方法。
a) 内側の指を下にし、外側の指を上にし、下側の指の上に被せる様に土を内側に丸め込む
方法もあります。この方法では、必ずしも効率良く土が細くなる訳ではありませんが、
覚えておくと、後々便利です。
b) セーム皮を使う方法。指を内側に捻って(親指が上、人差し指が下に成る様にして)、
皮で拭きます。この場合細くする量は少ないです。
以下次回に続きます。
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September 22, 2014, 10:47 am
2) 直径を細くする場合。
? 直径を細くする場合の状況。
? 径を細めると土はどうなるか?
? 径を細くする方法。 (以上までが前回までにお話した事です。)
? 径を細くする際の問題点。
?)前回までに説明した様に、径を細める事は轆轤の遠心力に逆らい、土を中心に集める事に
なります。その為、土を均等な間隔で押さえ込まないと、上手く土が締まってくれません。
即ち、土が外側に逃げる隙間を作らない事です。但し手や指の大きさには限界がありますので
隙間が出来てしまう場合には、その隙間は円周上で均等に成る様にします。
?) 土を締めて細くする場合、土の肉厚が厚ければ厚い程、土が硬い程締まりが良くなります
細くなる割合は、外からの力に比例して細くなります。但し、土を締める時は一気に行わずに
徐々に締める事を薦めます。
?) 極端に細くすると、土が振ら付きます。即ち、上部の土の重さが支えられないカーブを
付ける事は厳禁です。例えば、底の径が極端に細い作品は、そのままの姿で轆轤挽きする事は
困難です。一般にこの様な場合、天地を逆にして作ります。
又、砧(きぬた)型の花瓶を作る際にも、肩部分を水平にする事は出来ません。例え成形でき
ても、本焼きの際土が若干軟らかくなりますので、必ず中央に落ち込みます。
?) 径を細くすると、肉厚が厚くなります。その状態で作業を続けますと側面に皺(しわ)が
発生し、拠れ(よれ)て仕舞い、作業がし難くなり、見た目も綺麗ではありません。そこで
薄く上に伸ばしながら徐々に細めていきます。
尚、径が細い場合には、轆轤の回転速度を早くする必要があります。
?) 鶴首など細くした場合、内側に指が入らなくなります。この様な場合、細長い「柄コテ」
(細長い棒でも可)を使います。水で濡らした「柄コテ」は鷲掴みにし、垂直に立て移動さ
せる事なく固定します。「柄コテ」の側面に沿って外側の手を移動させて肉厚を薄くします。
3) 口造り。
形造りの最後の工程が口造りです。作品の中でも口縁は一番印象的な場所に成ります。
一般に磁器の場合には、薄造りになりますが、陶器では本体部の肉厚よりやや厚めに造ります。
陶器の場合、口が薄いと作品が貧弱に見えます。又、使用中で壊れるのは、口が割れる事が
多いですので、肉厚にした方が肝銘です。特に厚く造るには、玉縁(たまぶち)にします。
? 端反り: 口縁を上開にする形です。小さめの端反りであれば、セーム皮で捻って作る事も
できます。大きく反らす場合は、外側の手の人差し指を水平にして、器の左側面に当て、内側
から他の手の人差し指で、外側の指に被せる様にして、形を造ります。外側の指の位置が口縁
からの寸法によって、反り返る量が決ります。但し端反りの場合、水平まで倒す事はありません
水平まで倒すと、本焼きではそれ以上に垂れ下がる事になります。
? 玉縁は口を外側、又は内側に土を丸め込んで作ります。
玉縁にすると、作品の高さは1〜2cm低くなります。
?) 一般に土を外側に丸め込んだ方が、簡単です。最上部の1.5〜2.5cmを外側に水平
まで寝かせます。ここまでは、上記端反りの方法と同じやり方です。
?) 寝かせた土の先端を、真上から親指で徐々に真下に押し込み、内側から人差し指で土を
摘む様にして丸め込み、先端が本体にくっ付ける様にします。くっ付くいたら皮を用いて
綺麗な玉縁に成る様に整えます。
?) 先端が本体にくっ付く際、空気が入らない様に注意します。即ち、徐々に先端は本体に
くっ付いていきますが、最後にくっ付ける際、回転をやや落とし慎重に作業します。
全てがくっ付いたら回転を速め綺麗に仕上げます。
?) 上記方法では、出来た玉縁は外側に付く事になります。これを真上又はやや内側に移動
する事は、比較的簡単に行う事が可能です。
以下次回に続きます。
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